今日は四月一日、エイプリル・フール。もし、何でもいいから、何か一つの出来事を嘘にすることができるなら、三週間前に大震災があったことを嘘にしてほしい。そんな風に思った人は、きっとたくさんいるのだろうな、と思う。僕もその一人だ。
でも、震災が起こってしまった現実は、もうどうにもならない。僕たちはその結果を受け入れ、少しでも早く、被災した人々が窮状を脱し、普通の暮らしを取り戻せるように、自分にできることを一つずつやっていくしかない。
今、誰もが胸に感じている痛み。それは、被災地の人々に比べれば、何百分の一の小さな痛みでしかないのかもしれない。でも、大切なのは、その小さな痛みを忘れないこと。自分が穏やかな時間を過ごしている時も、被災地には悲しみに暮れている人がいるという事実を忘れないことだと思う。
小さな痛みを胸に抱えて、僕たちはこれからを生きていく。