通勤の風景

今日も原宿にある知人の事務所へ。ゲラチェックをみっちりとやる。

二日連続で同じ駅まで電車で往復していると、十年前、出版社に勤めていた頃の気分を思い出す。毎朝人いきれでむっとした電車に乗るのも、毎晩酒臭い空気のたちこめる終電で家に戻るのも、ほとほとうんざりしていた。人と同じことをしなければならないとか、毎日同じことをくりかえさなければならないとか、そういうことが僕はつくづく苦手だったのだと思う。

あの頃に比べると、通勤の風景もいくらか変わったようだ。半分以上の人が、手元のケータイやiPhoneをいじくることに没頭して、周囲との間に見えない壁を作っている。通勤時間が得意な人なんて、そうそういないのだろうな。

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