通勤生活

今週から、ある種の通勤生活を始めることになった。前に一度、お試しで利用した吉祥寺のコワーキングスペースを、しばらくの間、平日の日中限定のプランで月極契約して使っていくことにしたのだ。新しい本を少なくとも一冊、来年出すことが決まって、そろそろ本格的にその執筆に取り掛からなければならないので。

西荻窪から吉祥寺までは、天気がよければ歩いていく。バッグには、ノートPCとその日必要な紙の資料(昔のノートなど)。行きしなにコンビニでサンドイッチや無糖カフェオレとかを適当に買い、コワーキングスペースのブース席に籠って、ひたすらカタカタ、PCのキーボードを叩く。夕方頃まで作業して、また歩いて西荻窪まで戻り、家で晩飯の支度をする……といった具合。

実際にやってみると、いろいろ新鮮。取材以外のデスクワークで別の作業場に通うというのがまず自分的にはとても珍しいし、コワーキングスペースのブース席は必要十分なぼっち感があって(あと、場所代を払ってることもあって)作業に集中できる。これから数カ月間は、こんな感じで執筆を進めていこうと思っている。

執筆が佳境にさしかかったら、また旅館カンヅメ合宿もやろうかな。このめんどくさいご時世、自分なりに無理のない範囲で、楽しみながら働きたい。

ひさしぶりの山歩き

昨日は超ひさしぶりに、軽めの山歩きに行った。おなじみの陣馬山から高尾山までの縦走ルート。一昨日の雨がまだ地面に残っていて、ぬかるみが多くて少し神経を使ったが、暑くもなく寒くもない、ちょうどいい気候で、いい気分転換になった。

山歩きに行ったのは、去年の12月以来。コロナ禍もあったし、春先からの四十肩の症状もあったしで、ずいぶん間隔が空いてしまった。四十肩のせいで自宅での自重筋トレもあまりできてなかったので、身体はかなりなまってしまっていた。何度も歩いているルートだから、感覚の違いは自分でもわかるし、途中々々の所要時間(ぬかるみで余分にかかるにせよ)にもなまり具合は表れていた。

これから寒くなると、マスクでメガネが曇りやすくなるので、マスクをつけての山歩きはしばらく難しくなる。平地で歩数を稼ぎつつ、自重筋トレも肩の具合を見つつ少しずつ復活させていこうと思う。やっぱり身体は、動ける状態の方がいい。

その時が来たら

昨日は出版社で編集者さんと打ち合わせ。先日他の出版社で承認された企画とは別の、もう一冊の本の企画について。

こちらの企画は、まだ完全に決まったわけではないのだが、首尾よく承認されれば、すでに決まっている企画とある程度並行する形で作業を進めていくことになる。ただ、こちらの企画の本は、最終的には現地での取材もしておかないと、仕上げられない。だから、どんなに早くても、世に出るのは再来年くらいになる。先の長い話だ……。

まあでも、インドでは今月から観光ヴィザの発給を段階的に再開していくようだし、国と国との間を行き来する際の検査や隔離措置などのルールがもう少し軽減されれば、海外に取材に赴くことも、再び現実的になってくるのだろう。ぶっちゃけ、そうなったらそうなったで、今までの仕事柄、いろんな取材案件が一気に押し寄せてきて、しばらくはろくに日本に留まれなくなる可能性もある。そうなると、原稿の執筆時間も満足に確保できなくなってしまうわけで……。どう転んでも、何かしら困ることは起こるのだろう。

ともあれ、もうしばらくは様子見というか、待ち、だな。その時が来たら、きっちり無駄なく動けるように、抜かりなく準備しておこう。

再始動

昨日、出版社から、九月初めに提案していた新しい書籍の企画が採用されたという連絡があった。まずは、一冊確定。もう一つ、別の出版社に別の本の企画を提案しているのだが、それはさらに長丁場の制作になりそうなので、まずは先に決まった今回の本の方を、先行させて書いていくことになる。

発売時期は、たぶん来年。いつになるかはわからないが、あまり早いタイミングではないだろう。何しろ、今回も100パーセント書き下ろしの企画なので、現時点では、この世に原稿は一文字も存在していないのだ(苦笑)。これから数カ月間、自分自身の内側にある言葉の沼に潜り続けるような、しんどい日々が続くことになる。

しんどいことは百も承知だけれど、楽しみではあるし、楽しくもある。でも、まあ、やっぱりしんどい(苦笑)。この、新しい本に取り組む時の得体の知れないプレッシャーには、たぶんいつまでたっても慣れることはないだろう。

ともあれ、再始動だ。がんばります。

「俺だって極道さ」

インディアンムービーウィーク2021で今回最後に観たのは、「俺だって極道さ」。主演はヴィジャイ・セードゥパティ、プロデュースをダヌシュが手がけたという、サスペンス・コメディとでも呼べるような作品。

舞台は南インドの街、ポンディシェリー。警官の母親を持つ青年パーンディは、親の期待とは裏腹に極道の世界に憧れ、仲間たちとチンケな悪さをして日々を過ごしていた。彼はある日、耳に障害を持つ女性カーダンバリに出会い、惹かれていく。カーダンバリは、ある目的のために姿を消し、行方不明となった父親からの連絡を待っていた。父親の目的とは、彼の仇敵であり、彼の妻を殺した張本人であり、カーダンバリが聴覚を失くす原因を作ったギャングの頭領への復讐だった……。

予想できるようで予想が裏切られていくストーリーの組み立てが面白くて、観終えた後に、へーっ!と思わず感心してしまった。コメディシーンが途切れない割には結構な数の人が死んでるし(割と軽めなネタの流れで殺される人もいる)、ヒロインのカーダンバリが抱える苦悩は重すぎるし、そのあたりの対比に戸惑う部分はあったのだが、無敵のヒーローというわけではない主人公を飄々と演じたVJPによって、危ういバランスをうまく保っていたように感じた。

こういう作品を世に送り出していることもまた、南インド映画の懐の深さなのだなあ、と思う。