プリータムのライブ

昨日の夜は、有明の東京ガーデンシアターへ、プリータムのライブを観に行った。インド食材の輸入販売会社のアンビカコーポレーションが、創立25周年を記念して企画したライブだ。アンビカのアプリで応募すれば無料で観覧できるという、とんでもない太っ腹の企画で、これは行かねば、と応募したのだった。

三時間のうち最初の一時間はアンビカ創立記念関連のセレモニーだったのだが、後の二時間は、何というか……超絶幸福空間というか……凄かった。プリータムの作品でおなじみのプレイバックシンガーたちが勢揃いして、圧倒的な歌唱力で名曲の数々を歌い上げていく。多彩な楽器を奏でるバンドメンバーの技術も素晴らしくて、もう、ただただ圧倒された。昔から好きでよく聴いていた「Balam Pichkari」や「Dilliwaali Girlfriend」が、本家の生演奏で聴けるなんて、ほんと夢のようだった……プリータムありがとう……アンビカありがとう……。

……さっそく今日、アンビカ新大久保店で、バスマティ米とジャスミン米とシナモンを買わせてもらった(笑)。

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アーシュラ・K・ル・グィン『世界の誕生日』読了。文庫版で600ページ近い、分厚い短篇集。最初の六篇は、ル・グィンが創出したハイニッシュ・ユニバースに含まれる幾つかの惑星を舞台にしたもの。いずれも地球とはかなりかけ離れた設定でのジェンダーや恋愛のありようを巡る物語で、多分に実験的な要素を含んでいる印象だった。表題作の『世界の誕生日』はインカ帝国をモチーフにしたクラシックなファンタジーで、最後の中編『失われた楽園』は、世代交代型の巨大宇宙移民船での物語。個人的には最後の二篇がとりわけ心に残った。

三年ぶりの機種変

iPhoneを機種変した。12 miniから15 Plusに。ほぼ三年ぶりの買い替えになる。

画面が小型の機種から大型のものに一足飛びに替えた理由は、現行モデルでは小型の機種がないこともあるが、ひとえに、老眼の進行によるものだ(苦笑)。ほんの三年の間に、ずいぶん見えづらくなってしまって……。大型画面の機種は以前しばらく使っていたのだが、ひさしぶりに手にしてみると、あらまあ見やすい(苦笑)。なんだかそれだけでほっとしてしまう。

今日の午前中に届いたので、環境移行をした後、銀行系のアプリなど、認証の必要なアプリを一つずつ確認してセットアップ。昔に比べると格段にラクになったが、それでもそれなりに手間はかかる。夕方頃までに、どうにか完了。最新機種だけあって、さくさくきびきび、快適に動く。

今まで常に装着していたアップル純正のレザーケースが、環境負荷削減のためとかで廃番になってしまったので、時流に抗うレザー愛好家として(苦笑)、NOMADのModern Leather Caseを購入。かっちりした安心感のある造りで、とても気に入った。この後、国立商店さんのレザースリーブが出たらそれも併用する予定。

ささやかなことではあるけれど、ひさしぶりの機種変、やっぱり気分が上がる。

原稿執筆ぼっち合宿 2023


先週の月曜から土曜まで、安曇野に行っていた。原稿執筆ぼっち合宿、約一年ぶりの実施。

合宿の目的は、先月から始まった金子書房のnoteでの連載「流離人(さすらいびと)のノート」の次回以降の原稿を書きためるため。年末に出る予定の新刊の編集作業がこれから本格化するのと、それ以外の仕事もいろいろ予測できないタイミングで入ってきそう(実際、合宿中に複数の相談メールが入ってきた)なので、少し余裕のあるうちにまとまった時間を作って、集中できる環境で、何篇か書き溜めておきたかったのだ。

到着日の月曜と出立日の土曜を除くと、完全に執筆に集中できたのは火、水、木、金曜の四日間だったのだが、一日一篇のペースで書き上げていくことができたのは、我ながら頑張った方だと思う。日に日に疲労がたまっていくのは実感していて、帰京した昨日の夜は、ほっとしたのか、前後不覚に十時間以上も爆睡してしまった。

先週は台風などの影響で雨の降った日が多かったし、晴れたら晴れたで日射しがめちゃめちゃ暑くて、自転車を乗り回すのもしんどかったので、滞在中は近所のコンビニまで一日一往復する以外、まったくどこにも行かなかった。それでもまあ、山に近いだけあって、朝晩は涼しかったし、日中も窓を網戸にして扇風機を回せば、どうにかしのげる程度だった。食事は普段ほとんど食べないインスタント食品やレトルトカレーばかりだったが、それはそれで気分が変わって新鮮だったので、楽しくはあった。

今年のうちにあと数回分は書き溜めておくとして、その後、連載終了までの間に……たぶんまた、どこかのタイミングで、合宿せざるを得なくなりそうな予感はする。来年の春以降かな。さて。

「PATHAAN/パターン」

仕事がほんの少し落ち着いたので、公開初日の「PATHAAN/パターン」を観に行った。インド本土では2023年1月の共和国記念日に公開された話題作で、ボリウッド発の作品としては乾坤一擲の大ヒットを記録した。主演はシャー・ルク・カーン、ヒロインはディーピカー・パードゥコーン、敵役はジョン・エイブラハム。「YRFスパイ・ユニバース」の作品ということで、YRFの以前のヒット作「タイガー 伝説のスパイ」で主演を務めたサルマーン・カーンもカメオ出演する(「タイガー」や「ウォー」の次回作にシャー・ルクが出演する可能性も、大いにありそうだ)。

物語は、2019年のインドのジャンムー・カシミール州解体に反発したパキスタンの将軍の一人が、国際テロ組織にインドへの報復を依頼し、その企みに対してシャー・ルク演じるパターンが立ち向かっていく……という、スパイアクションものの王道路線。贅沢かつ丁寧に作り込まれた迫力の映像とサウンドを、最初から最後までどっぷりと堪能できる。シャー・ルク・カーンという唯一無二の存在の魅力と強みを監督やスタッフが熟知していることがありありと伝わってくる、シンプルに面白い作品だった。

「パターン」(パシュトーン人)という主人公のコードネームは、かつてアフガニスタンでの作戦中、身を挺して現地の人々を救った出来事に由来していると劇中では語られている。その一方で、この物語の発端に位置付けられているジャンムー・カシミール州の解体の際には、スリナガルを中心に多くのイスラーム教徒がインド政府によって弾圧されている。娯楽大作にこのような話を結びつけるのは野暮なのだろうが、カシミールに暮らすイスラーム教徒たちに対し、パターンはどう感じているのか、個人的には知りたいと思う。

「流離人(さすらいびと)のノート」

金子書房のnoteで、旅にまつわるエッセイの新連載が始まりました。連載のタイトルは「流離人(さすらいびと)のノート」。毎月25日に1編ずつ公開されていきます。

【連載】「流離人(さすらいびと)のノート」 山本高樹(金子書房)

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