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夜間飛行

宵の口、仕事の合間に缶コーヒーを買いに家の外に出たら、一機の飛行機が、澄んだ夜空に翼端灯を瞬かせながら飛んでいくのが見えた。

今の時代のテクノロジーをもってすれば、飛行機が夜でも飛べるなんて、当たり前のように思えるかもしれない。でも、それは場所による。ラダックでは、夜の間、飛行機は飛べない。民間と軍が共用しているレーの飛行場でも、山の端がとても近いので、夜間飛行は危険なのだという。

そんなラダックでも、夜、ブォーン、と飛行機のエンジン音が響いてくることがある。それは間違いなく、満月の夜だ。標高3500メートルの高地を照らす満月の光はとても明るいので、夜でも軍用機は有視界飛行が可能なのだそうだ。

東京の夜空を横切っていく飛行機を見ながら、そんなことを思い出した。

産毛の変化

昨日、ひさしぶりに髪を切ってもらいに近所の理髪店に行った。カットとシャンプーが終わり、顔を剃ってもらう段になって、いつも担当してくれている理容師さんが僕の頰を軽く触りながら、「ああ、元に戻りましたね」と言った。

「戻ったって、何がですか?」と聞くと、「夏の終わりに、インドからお戻りになった後にうちにいらした時に気づいて、でもその時は言わなかったんですけど……あの時はすごかったんですよ、お顔の産毛が、ごわっとしてて。でも今はいたって普通ですね」

スピティやラダック、ザンスカールで約2カ月を過ごした後、僕の顔の皮膚は、理容師さんが剃刀を当ててびっくりするくらい、産毛でごわごわになっていたのだそうだ。高地で極度の乾燥と紫外線に晒されるうちに、身体がしぜんと防衛体制を取っていたのだろう。かたや、ふんだんに湿気のあるタイでは、そこまで防御する必要はなかったということか。

しかし、「元に戻った」か……どっちが「元」なんだろうな、僕にとっては。

胸突き八丁

ここ半月ほどの間、新しい本の執筆・編集作業にひたすら没頭していた。一時はかなり焦っていたのだが、どうにか遅れを取り戻し、今日までに、約8割のページの準備作業が終わった。8割……ページ数だけで言えば。

ここから先、残りの数十ページは、半分以上が新規の書き下ろしで、残り半分もかなり手間のかかる作業が絡んでくる。文字通り、胸突き八丁。しんどい日々が続くのは間違いない。それもまあ、楽しいのだけども。

他にもタイ案件や大学案件もこれから作業や取材が入ってくるし、うっかり風邪とか引いたらそれこそスケジュール的に大変なので、いろいろ油断しないように、ぼちぼち、やっていきます。

Days in Ladakh

ビューティフル・ドリーマー

終日、部屋で仕事。新しく作る本の執筆・編集。細かい作業を一つひとつ、ちまちまと積み重ねていく。

いつかも書いたように、本づくりの作業は僕にとって、この世で一番楽しい仕事だ。但し書きをつけるとすれば、〆切というものがなければ、もっと楽しい(笑)。まあ、〆切がなければ、いつまでたっても何も形にはならないだろうけど。

子供の頃、「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」という長編アニメ映画を観た。細かい展開はあまり覚えていないのだが、ヒロインのラムの夢の中で、学園祭の前日がいつまでもいつまでもくりかえされるという物語だったと思う。本づくりの仕事も、いつまでもいつまでも〆切前日のままなら、ある意味楽しいのかもしれない……いや、やっぱりそれはしんどいか(笑)。

完成した本を、読者の方に手に取って読んでいただくまでが、本づくりの仕事。なので、しばらく辛抱して、がんばります。