Tag: Editing

頑張るだけでは

別のインド関係の本の編集作業を予定よりも早く始められることになったので、この数日間は自分の本の執筆を一時中断して、ゲラとにらめっこする日々を送っていた。

妙な言い方になってしまうが、正直、ちょっとほっとした。編集作業は、本の原稿を書くよりも、精神的には楽だ。無心で黙々と集中して頑張っていけば、何とかなる。でも、本を書く作業は、僕の場合、無心で黙々と集中して頑張るだけでは、どうにもならない部分がある。

暗闇の中で、これか? 違う、そうじゃない、じゃあそれか? それともあれか? と、延々と手探りしてるような感覚。これでいい、と判断できるのは、自分自身だけ。あってないような正解を探して、ひたすら喘いでいる。

明日からは、またその只中に戻る。頑張るだけではどうにもならないけど、でも、頑張るしかない。

リフレッシュ

今年から請け負うことになって、5月中はその執筆作業にほぼかかりきりだった仕事が、どうにか一区切りついた。まあ、初校が出たらまた別の種類の作業が発生するのだが、とりあえず少しだけ肩の荷が下りた。

午後、渋谷で打ち合わせ。新しい本について。いい本を作りたい、とあらためて思う。それが実現できるかどうかは、これから僕が自分自身をどれだけ追い込めるかにかかっているのだけれど。

打ち合わせの後、ひさしぶりに公園通りのマメヒコに行き、アイスコーヒーとフルーツサンドをいただきながら、しばし読書。読みかけの分厚いハードカバー、ようやく半分くらいまで読めた。その後は、キャットストリートをぷらぷら歩いて原宿まで行き、電車で西荻まで戻る。晩ごはんはフレンチカレースプーンで、Wトロ肉増しフレンチカレー。

何というか、いろいろ解き放たれて、リフレッシュできた気がする。ふう。

[15min.#04]本をつくることについて15分話す/山本高樹

かれこれ十数年前、とある雑誌の編集部で一緒に働いていた友人のライター、木村早苗さんに、最近の自分についていろいろとインタビューしていただきました。収録は吉祥寺にあるスコティッシュバー、ウィグタウンにて。

[15min.#04]本をつくることについて15分話す/山本高樹

ここ最近受けたインタビュー取材の中では、抜群に良いクオリティの原稿でした。よかったらご一読ください。

エディトリアル・ライティング

最近は、自宅に籠って書き仕事をしていることが多い。先日、来年の出版が決まった自分の本の原稿ではなく、その前に片付けなくてはならない、インド関係の本の原稿。僕一人で書くわけではないので、著作と呼べる類の本ではないけれど。

この本の原稿には、写真やら地図やら、いろんなパーツが各ページに挿入されるので、1ページずつレイアウトラフを描いて、それぞれのパーツをどこに入れるのかを決め、それによって本文の文字数の上限がどのくらいになるのかを計算する。で、計算した文字数に合わせて文章を書く。編集と執筆の両方を同時進行で進めているような書き方。こういうのをエディトリアル・ライティングと呼ぶのだろうか。

こういう作業をしてると人に話すと、たいてい「よくそんな細かいことやりますねえ」みたいに呆れられるのだが、僕は地味で単調で細かい作業が好きなのだ(笑)。資料を突き合わせて情報を照合しながら、決めておいた文字数に合わせつつ、現地の事情をちゃんと理解している人間が情報を咀嚼して書いている、とわかってもらえるような文章に仕上げていく。読者には、制作の裏で僕が何を考えながら書いているか伝わらないとは思うけど、それでもやっぱり、書くのは、編集するのは、愉しい。本づくりを仕事に選んで、よかったなあと思う。

「手際良さ」の正体

二人暮らしの晩飯の支度を主に担当するようになって、自炊の頻度が上がったからか、最近、料理の手際が少し良くなった、ような気がしている。

「ような気がしている」というのは、別に包丁さばきやフライパンさばきが上達したわけではないと思うから。ただ、飯炊き、主菜、副菜、汁物など、それぞれの準備をある程度同時進行で進めて、最終的に全部の料理をほぼ同時に食卓に並べられるようにはなった。並行して合間に洗い物も片付けたりして。

そんなことを考えていたら、「これって、雑誌の編集作業とほぼ同じじゃね?」ということにはたと気づいた。特集や連載など、いろんな担当ページの制作の進行管理をして、校了日までにぴしっと全ページ揃える、みたいな。それだ。完全に一致。少なくとも僕の中では(笑)。

編集者という仕事は、特に何かのスペシャリストになることが必須というわけではない。餅は餅屋というか、文章はライターに、写真はカメラマンに、イラストはイラストレーターに、デザインはデザイナーにお任せすればいい。ただ、最初にどういう青写真を描いて、必要な仕事を誰にどう割り振り、それぞれの作業をどうコントロールして、最終的な仕上がり目標にどこまで近づけられるか。それは編集者の果たすべき仕事なのだろうと思う。

話を戻すと、料理の手際が良くなったとか、自分はやっぱりまだまだそんなこと全然言えるレベルじゃない、ってことです。