二日連続日帰りで群馬

取材のため、昼から外出。昨日に引き続き、今日も群馬へ。昨日は板倉で、今日は前橋。そういえば、先月は高崎にも行ってたっけ。なんでこんな急に群馬ばっかり行く羽目になっちゃったんだろう。

今日は東京駅から高崎まで新幹線を使えたのだが、それでも家を出てから取材先まで、片道2時間半くらいかかる。群馬自体がどうこうではなく、とりあえず、家から遠いのがつらい。何やってるんだろ俺、と、車窓を流れていく景色を眺めながら、ちょっとたそがれた気分になる。

来週の金曜も、また高崎で取材がある。やれやれである。

天使の梯子

今日は朝から、さんざんだった。

6時起きで身支度をして取材現場の北千住まで行ったのに、取材日が別の日にリスケされていたことが判明。僕にはその連絡が来ていなかった。そのまますぐ家に帰れたならまだよかったのだが、この日は午後半ばから、北千住からさらに北上した群馬県のあたりでもう1件取材があった。つまり、北千住で5時間近くも、一人で時間をつぶさなければならなくなったのだ。

とりあえずおひるを食べ、マクドナルドとクリスピークリームドーナツをコーヒーでハシゴして、あとはルミネやマルイをうろうろ。なんて無意味な時間潰しだろう‥‥家にはたんまり仕事が残っているというのに。身体の疲れもそうだが、精神的にもう、うんざりしてしまった。

ようやく乗った、北へと向かう電車。音楽を聴きつつ、窓の外をぼんやり眺める。ガタンガタン、と、川にかかった鉄橋を渡る。川沿いの土手に、菜の花だろうか、黄色い花が一面に咲いている。空を見上げると、雲の切れ間から、いく筋もの光柱が降り注いでいた。ああいうのを「天使の梯子」と呼ぶのだっけ。

ぐだぐだ悩んでいる時でも、世界は、当たり前のように美しい。

嘘は書かない

取材やインタビューを基に文章を書くことを生業にするライターにとって、何よりも守らなければならないのは、「嘘を書かない」ことだ。賞賛するにせよ、批評するにせよ、取材では誠意を持って話を聞き、きちんとそれに基づいた文章を書かなければならない。事実と異なる話を書いたり、書き手の欲する結論に無理やり歪曲したりするのは、ライターの仕事としては、論外だ。

そんなの当たり前じゃないか、という人は多いとは思うが、実際にライターとして働いていると、嘘を書くことを要求してくる依頼元は、結構あるのだ。依頼元にとって都合のいい結論にしろとか、取材では出ていないけどこういう内容も入れろとか。その場合、ライターはどうすべきか。

僕の考えは、一択だ。絶対に、嘘は書かない。どうしても書けと言われたら、その仕事からは降りる。

そんなことしていたら取引先をなくしてしまう、と心配する人もいるかもしれないが、嘘を書くことを強いてくるような依頼元との取引は、どのみち長続きしない。それよりも、嘘の混じった仕事をなし崩し的に続けてしまうと、どこかで思いもよらない形で、そのライター自身に対する悪評が広まる危険性がある。「あのライターは、取材で話してもいない作り話を勝手に書いた。信用できない」というような。いったん失ってしまった信頼を取り戻すのは、本当に難しい。目先の仕事の本数なんぞよりも、失うものが多すぎる。

「ヤマモトさんは、こっちが話したことをそのまま書いてくれますね。言ってもいないことを書いたりはしない」と、以前取材した人に言われたことがある。逆に言えば、今の世の中には、自分たちの欲しい結論ありきで、取材対象者が言ってもいないことを書いたりするライターが少なからずいるということだ。確かに、ライター稼業は、地べたを這いずるようなきつい仕事だ。きれいごとだけではやっていけないという人もいるかもしれない。それでも僕は、嘘は絶対に書かない。嘘を書かないことで、つながっていく信頼と仕事は、確かにあると思う。

道しるべ

昨日はモンベル御徒町店で、写真家の関健作さんとのトークイベント。昼に会場入りして、椅子やプロジェクターの設営と、書籍販売の準備。会場はほぼ満席。いざ本番……となると、毎度のことながら緊張して、何をしゃべったかあまり覚えてない(苦笑)。関さんの軽妙なトークに助けてもらいながら、どうにかこうにか乗り切った。

終了後は希望者の型に本へのサインなどをさせていただいて、その後はあたふたと撤収作業をして、曙橋へ移動。チベットレストランタシデレでの懇親会。こちらも満席で、みなさん楽しそうに歓談されていて、良かった。しかしまあ、自分で企画しておいて何だが、イベントからサイン対応から懇親会まで、全部ひとつながりのイベントみたいなもので、気を抜く暇がまったくなかったから、さすがに、こてんぱんに疲れた。

お客さんにも、いろんな人がいる。気軽に足を運んでもらってワイワイ楽しんでもらうのも、もちろん嬉しい。自身も写真や文章に携わっていて、何かのヒントをつかみ取ろうとしている人も、もちろん歓迎。時には、何かで思い悩んでいて、心の深いところから取り出してきた質問を投げかけてくる人もいる。そういう質問には、こちらも真剣に応えなければいけない。

僕らが生きてきた中でたくわえてきたものが、誰かが生きていくための道しるべになるのかもしれないなら、喜んで差し出そうと思う。いつかまた、こういう機会があれば。

パン屋と和菓子屋

午前中に駅前の歯医者に行き、帰宅後、連絡業務などもこなしつつ、原稿を書く。今週前半の風邪の影響で進捗が遅れているので、まめに書き進めないといけない。

夕方、Twitterで流れてきたニュース。小学校の道徳の教科書に対する初の検定が行われたらしい。

小学1年生のある教科書では、申請段階では、物語に友達の家のパン屋を登場させていましたが、「国や郷土を愛する態度」などを学ぶという観点で不適切だと意見がつけられ、教科書会社は「パン屋」を「和菓子屋」に修正しました。

心の底から、げんなりした。和菓子屋は国や郷土を愛していて、パン屋は愛してないとでもいうのか。こんな偏屈なものの見方をする人間が、教科書の内容を取り仕切っているのか。国や郷土を愛する前に、人間として忘れてはならない大切なものがあることを、見落としてるんじゃないのか。

僕はパンも和菓子も好きだけど、今の日本という国を動かしている連中には、本当に、うんざりだ。