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アクセルをゆるめて

世間で言うところのゴールデンウイークも、今日で終わりらしい。今年は隙間の平日にうまく休みが取れれば大型連休にできたので、海外に行った知り合いも多かった。

僕はというと、途中で里山歩きを少ししたり、ジャイルスのフェスに行ったりはしていたものの、結局、ほぼずっと仕事の続きだった。6日に取材が入っていたし、連休前までの取材分の原稿、Web連載の原稿、十日後のトークイベントの準備など、いろいろあったのだ。まあそれは仕方ない。むしろ、連休の影響で外から余計な電話やメールが来なくて静かだったので、作業がはかどって助かったくらいだった。

これからしばらくは、僕自身が進行をコントロールできる仕事の割合が増えるので、かなりほっとしてもいる。それで今になってあらためて感じているのは、俺、疲れてたんだな、ということ(苦笑)。文字を目で追うのが気持ち悪くなるくらい短期間で大量の原稿を書いていたし、取材であちこち長時間出歩いて身体も気力も消耗していたし、正直どうでもいいアホらしいことに振り回されたりもしてたから、当然の結果とも言える。

ちょっとアクセルをゆるめて、しっかり休もう。ちゃんと寝て、自分でメシ作って食って、好きな音楽を聴いて、好きな本を読む。たとえほんのかりそめでも、そういう時間が必要だ。でないと、心がぱさぱさになる。

目が回るほど忙しかった理由

ここしばらく、ブログを更新する時間的余裕もろくに持てないくらい、忙しい日々がずっと続いていた。2016年になるかならないかのうちから、ずっとこんな調子だったような気がする。そんな目が回りそうなほどせわしない状態にも、今日でほんのちょっとひと息つけそうだ。世間的に連休に突入するから、外部から余計な連絡が来ないというのが主な理由だけど。

文字通りリアルに目が回るほど忙しかったのには、今思うと、理由がある。あっちこっちからぶんぶん振り回されまくっていたから、心の準備ができずに、余計にしんどいと感じていたのだ。企画段階から自分で仕切ることのできる仕事であれば、責任を全部一人で背負う代わりに、自分で隅々まで気を配って進行管理できる。僕にはやっぱり、そういうアプローチの仕事の方が性に合ってるのだと思う。

何でもかんでもお人好しにホイホイ引き受ける前に、ちょっと立ち止まって冷静に考えてみるべきなのかな。まあいいや、今夜は何もかもとりあえず忘れて、目覚ましもかけず、前後不覚にどっぷり寝よう。

最高の勲章

ラダックの風息[新装版]」の発売以来、トークイベントに出演したり、写真展を開いて在廊したり、先週末はアースデイ東京にも顔を出したりしていて、たくさんの読者の方々に直接お会いする機会が増えた。会う人ごとにいろんな感想をいただいて、それぞれとてもありがたいし、参考にもなるのだが、以前から今に至るまでずっと、言ってもらえると一番うれしい感想がある。

「ヤマモトさんの本を本屋さんでたまたま手に取って、読んで、それでラダックに行っちゃいました!」

こういう方が、一人や二人ではないのだ。本当にびっくりである。だって、ハワイや台湾とはわけが違う。インドの中でもとりわけ奥地のラダックなのだ。飛行機代だって安くはないし、時間もかかるし、気力も体力も使う。そんな場所にわざわざ行ってもらうような背中の後押しを、自分の書いた本がさせてもらっているなんて。

世間で権威のある人たちがくれる賞よりも、本の売り上げがただ単に伸びるよりも、僕にとっては、自分の本を読んでラダックに行ったと言ってもらえるのが、何物にも代えがたい、最高の勲章だと思っている。誰かの背中を、ほんのちょっと後押しするための本。そういう本を、力が尽き果てるまで、ずっと作り続けたいと思う。

本当に、ありがとうございます。これからもがんばります。

「ラダック」と「渋イケメン」〜それでも僕たちが旅に出る理由〜

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ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]」の発売に合わせて、5月18日(水)の夜、代官山蔦屋書店でトークイベントが開催されます。今回のお相手は、同じ雷鳥社から昨年「渋イケメンの国」を刊行された写真家の三井昌志さん。この二人ならではの、ディープな旅のトークになると思います。お申し込み、お待ちしています。

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三井昌志×山本高樹 スライドトークイベント
「ラダック」と「渋イケメン」〜それでも僕たちが旅に出る理由〜

アジアの辺境をバイクで自由に旅しながら新鮮な出会いと感動を写真に撮り続ける、三井昌志。インド北部の山岳地帯ラダックにひたすらこだわって通い続けて本を作る、山本高樹。

旅に対して対照的なアプローチを持つ二人は、一年のうち数カ月を仕事で、あるいは個人的な動機で旅をして過ごします。日本から海外へ旅に出る人がめっきり少なくなったとも言われる昨今、二人はなぜそれぞれの流儀で旅を続けるのでしょうか。写真や文章を通じて、二人が伝えようとしていることは何なのでしょうか。

二人のこれまでの旅と作品をふりかえりながら、人が旅に出る理由についてじっくり考えてみるトークイベントです。

会期 2016年5月18日(水)
定員 50名
時間 19:30〜21:00
場所 代官山 蔦屋書店1号館 2階 イベントスペース
主催 代官山 蔦屋書店
共催・協力 雷鳥社
問い合わせ先 03-3770-2525
http://real.tsite.jp/daikanyama/event/2016/04/post-114.html

【参加条件】
代官山 蔦屋書店にて参加券(税込1,500円)のご購入もしくは、対象書籍をご購入いただいた先着50名様に参加券をお渡しいたします。
1:参加券(税込1,500円)
2:対象書籍
『渋イケメンの国』(三井昌志著 雷鳥社 税抜1,600円)
『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』(山本高樹著 雷鳥社 税抜1,800円)

【お申込み方法】
以下の方法でお申込みいただけます。
1:代官山 蔦屋書店 店頭(3号館1階レジ)
2:代官山 蔦屋書店 オンラインストア
3:電話(03-3770-2525)

【対象商品】
『渋イケメンの国』(三井昌志著 雷鳥社 税抜1,600円)
『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』(山本高樹著 雷鳥社 税抜1,800円)

【ご注意事項】
*参加券1枚でお一人様にご参加いただけます。
*当日の座席は、先着順でお座りいただきます。
*参加券の再発行・キャンセル・払い戻しはお受けできませんのでご了承ください。
*止むを得ずイベントが中止、内容変更になる場合があります。

【プロフィール】
三井昌志(みつい・まさし)
1974年京都市生まれ。 写真家。アジアの辺境を旅しながら、「笑顔」と「働く人」をテーマに写真を撮り続けている。著書に『渋イケメンの国 〜無駄にかっこいい男たち〜』『写真を撮るって、誰かに小さく恋することだと思う。』(ともに雷鳥社)など多数。主なフィールドはインド、バングラデシュ、ネパール、ミャンマー、カンボジアなど。
たびそら http://www.tabisora.com/

山本高樹(やまもと・たかき)
1969年岡山県生まれ。 著述家・編集者・写真家。 2007年から2008年にかけて、インド北部のラダックに長期滞在して取材を敢行。以来、かの地での取材活動をライフワークとしている。 著書に『ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]』(雷鳥社)『ラダック ザンスカール トラベルガイド インドの中の小さなチベット』(ダイヤモンド・ビッグ社)など。
Days in Ladakh http://ymtk.jp/ladakh/

旅費交通費

昨日は十日市場、今日は船橋日大前。今年はやけに遠い場所での取材が多い気がする。予定が合わなくて断った取材の中にも、秦野とか、高崎(!)とか、いろいろあったし。

それでも気のせいかなと思って、月末に依頼元に送る予定の旅費交通費の請求書のファイルを見てみたら、入力済みの項目だけで、1万7000円を超えている(苦笑)。去年の4月も2万円を超えていたのだが、去年は最後の最後に茨城での取材1件だけで8000円以上かかっているので、それを差し引いて考えると、今年の遠隔地への飛ばされっぷりが際立っている。

在来線やスクールバスを乗り継いで時間のかかる行程を行き来するのって、地味に消耗するんだよな‥‥。むしろ、海外にLCCでない飛行機で行く方がラクなくらいだ。そして明日も朝5時半起き。嗚呼。