終日、部屋で仕事。黙々と原稿を書き、データを揃えて、サーバにアップロード。今日明日で片付けなければならなかった作業が、夜中までかかったものの、どうにか終わったので、ほっとする。
今日は冬至らしいのだが、一年で一番日照時間が短い日という割には、妙にぬくいというか、空気がぬるい。明日明後日はさらに最高気温が上がるみたいだ。異常気象という言葉もすっかり耳慣れてしまった感があるが、それにしても変な天気である。
明日からは、日の射す時間が、少しずつ長くなっていく。そう思うと、ちょっと気分が軽くなる。
終日、部屋で仕事。黙々と原稿を書き、データを揃えて、サーバにアップロード。今日明日で片付けなければならなかった作業が、夜中までかかったものの、どうにか終わったので、ほっとする。
今日は冬至らしいのだが、一年で一番日照時間が短い日という割には、妙にぬくいというか、空気がぬるい。明日明後日はさらに最高気温が上がるみたいだ。異常気象という言葉もすっかり耳慣れてしまった感があるが、それにしても変な天気である。
明日からは、日の射す時間が、少しずつ長くなっていく。そう思うと、ちょっと気分が軽くなる。
「誰もいない原野の真っ只中で、たった一人でいることが、嬉しくて、嬉しくて、仕方なかった」
20年以上前、ある人が、ある人と、ある人について話した言葉。当時、それを耳にした僕は、その意味がまったく理解できなかった。でも、今はたぶん、ほんの少しだけ、その真の意味が理解できるような気がしている。
危険をかえりみずに冒険をしたことを後で人に自慢しようとか、そんな薄っぺらい気持では断じてない。他の人間と関わるのが嫌で一人になりたかったというのとも違う。たった一人で、誰もいない原野にいる。でも、つらくはないし、寂しくもない。完全な孤独の中に身を置くからこそ、理解できる感覚。世界のすべての存在の中で、自分はそのほんの一部分に過ぎないということ。
あの感覚を、人に説明するのは、とても難しい。
妙に生暖かい天気。昼、八王子方面で大学案件の取材。どうにかこうにか対応した後、立川から中央線で一気に都心へ。夕方から有楽町で、吉田亮人さんの写真展示のレセプションがあったので。
ちょっと早く有楽町に着きすぎてしまって、腹も空いているしと、ひさしぶりに、紅鹿舎へ。ここはピザトースト発祥の店なのだそうで、僕もここに来たらたいていピザトーストとコーヒーのセットを注文する。店内は空いていて、楽しげにおしゃべりしてる韓国人の女の子たちや、音楽談義に花を咲かせるご婦人方などで、くつろいだ雰囲気。
夏の終わりから読みかけのままだった、ハードカバーの本を読む。サイフォンでいれたコーヒーと、とろっとろのチーズのピザトーストをおともに。ほおばるたび、ピザトーストの影の主役はピーマンだよなあ、などと思いつつ、コーヒーを一口すすり、また本のページに目を落とす。
しばらくすると、仕切りを挟んで隣の席に割と年配のおじさんが来て、クリームがこってり山盛りの大きなベイクドパイを注文し、そんなに急いで大丈夫かと心配になるほどのスピードで、パリパリ、むしゃむしゃ、パリパリ、と無我夢中でほおばっていた。ちょっと申し訳ないけど、夏にラダックで見た遊牧民のヤギを思い出してしまった(苦笑)。
喫茶店で、本とコーヒーとピザトースト。いいもんである。
ライターの仕事で取材に臨む時、僕はノートに手書きでメモをとる。ノートパソコンでメモをとるライターの方も大勢いると思うが、それだと相手との間にノートパソコンのモニタが挟まるのが「壁」っぽく感じられて、個人的にはどうもしっくりこない。常にノートパソコンを開いてキーボードを叩ける環境で取材できるとも限らないし。なので、いまだに紙のノート派だ。
今までいろんなメーカーや種類のノートを試してきたのだが、ここ数年はすっかり、コクヨのキャンパスノート A5 B罫 70枚の一択。大きすぎず小さすぎず、罫も太すぎず細すぎず、ページ数も十分。70枚のノートは町の文具店はそれほど見かけないのだが、うちの近所の文具店では常に置いてあるので助かっている。何より値段が安い。
世界一周旅行の間に日記を書くためとか、そういう用途にはもっとお洒落なノートを使えばいいと思うのだが、なにしろ僕の取材ノートはひたすらミミズがのたくったような殴り書きのオンパレードなので(苦笑)、何も気にせず、雑にがしがし使えるキャンパスノートが、僕には一番合っている。
この間、新しいキャンパスノートをおろしたばかりなのだが、たぶん数カ月後にはボロボロになっているだろう。悪いけど、よろしくね。
最近、巷で話題になっている、DeNAのキュレーションメディアの問題。きっかけは、医療情報サイト「WELQ」が日々大量にアップロードし続けていた信頼性に乏しい粗悪なクオリティの記事の数々が、「医療デマ」の流布にあたるのではという批判が相次いだことだった。
DeNA側は専門家による監修や通報フォームの設置を実施すると表明したものの、最終的には「WELQ」の記事をすべて非公開状態に。その後には、同社系列のキュレーションメディアのうち、「MERY」以外の8つのサイトの記事もすべて非公開にされた。唯一残った「MERY」も、10万本以上あった記事の大半が非公開状態となっている。「WELQ」の医療デマに対する批判がここまで燃え広がったのは、BuzzFeed Newsの告発記事の影響が大きい。
「DeNAの「WELQ」はどうやって問題記事を大量生産したか 現役社員、ライターが組織的関与を証言」
キュレーションメディアというのは、一般の人が投稿した記事を集めて掲載するサイトという建前になっているのだが、上の記事によると、DeNAは自社系列のキュレーションメディアを運営するにあたり、ランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングサービスを通じて、社名を隠しながら1000人単位でライターを集め、指定した内容の記事を大量生産させていた。報酬は1文字あたり0.5円かそれ以下という極端に安い金額。作業内容も、会社側が指定した複数のサイトからその内容をパクってツギハギにし、写真も同じく適当にパクってきて、記事っぽく仕立てさせるというものだった。コピペだとバレないようにリライトさせるための指示マニュアルまであったのだという。
DeNAに限らず、世間一般のキュレーションメディアと呼ばれているサイトのほとんどは、記事の内容の面白さやオリジナリティは関知していない。とにかく大量の記事を、サーチエンジンの検索結果の上位に来るように細工して投入する。少しでも多くの人間にクリックさせて、広告収入を稼ぐ。彼らの目的はそれだけだ。DeNAのキュレーションメディアはその最大手クラスだが、ほかにも有象無象のキュレーションメディアは山ほど存在する。
ここで問題になるのは、1文字0.5円以下という極端に安い料金の募集でも、それに応募してくる人がいるということだ。その多くはいわゆるプロのライターではなく、お小遣い稼ぎの内職として申し込んでいる素人の人たち。ランサーズやクラウドワークスは、完全に確信犯的にそうした素人ライターを集めてキュレーションメディアに送り込んでいる。DeNAと同様に彼らもまた、一般のサイトからパクってきた内容をバレないようにリライトさせるためのマニュアルを用意して、それを自社サイトで堂々と公開していた。
「初心者にも分かる!リライト作業の具体的な進め方とは?」(元ページは内容が書き換えられたので魚拓から)
「リライトライターでも立派なライターであり、ライターとはまた違う能力が求められていると自覚しましょう」とまで書いてある。正直、読んでいて気持悪くなって、吐き気がした。何? リライトライターって? パクリライターじゃないのか?
文章を書くことに対するモラルや志や愛着をまったく持たないまま、単なる小遣い稼ぎの内職としてこういうリライトライターに応募してくる人は、これからも後を絶たないのかもしれない。最近では、コピペだとバレないかどうかを判定する自動診断ツールや、コピペ元のテキストを入力すれば自動的にリライトした文章を生成するツールまであると聞く。粗悪なパクリ記事を大量投入してそのページビューで広告収入を稼ぐというこの悪辣なビジネスモデルが駆逐されないかぎり、こうした傾向はなくならない気がする。
僕のようなフリーライターは、淡々と、コツコツと、自分自身の言葉で文章を書いていくことしかできない。今までも、これからも、それだけだ。でも僕は、そういう自分の仕事に誇りを持っている。こんな時代だからこそ、なおさらそう思う。