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一歩も外に出ず

約1週間ぶりくらいに、外に出かける予定がない日。一歩も外に出ず、完全に引きこもった。がっつり寝て起きた後、洗濯をし、先週末の取材の原稿を書き、その後は一昨日のロングインタビューの音声起こし。

食事とトイレの時間以外、ほぼずっと机に向かいっぱなしだったので、一区切りついた頃には、身体が冷えてこちこちになっていた。昨日の反省をふまえ、YouTubeで映像を見ながら、ラジオ体操第一。おお、すごい。思いの外、身体がほぐれる。気持ちいい。こんなにいいものだったのか、ラジオ体操第一。子供の頃は、さっぱりありがたみがわからなかったのに。

……この年の瀬に、何やってるんだ俺は(苦笑)。

取材納め

午後、紀尾井町で取材。今日はインタビューだけでなく、その前に撮影の任務もあったから、いつもよりちょっと気疲れした。まあでも、おおむね滞りなく終えられて、ホッとした。帰りに四ッ谷のたけだでカキバター焼き定食。

これで、2017年の取材の仕事はすべて終わった、はず。今週中に突発的な依頼が来ないかぎりは。今年は国内の取材だけで、だいたい70人くらいの方々にインタビューさせていただいたと思う。毎年これくらい場数を踏み続けていればさすがに慣れるだろうと僕自身も思っていたけれど、やっぱり、いつまでたっても、慣れない(苦笑)。そのくらい緊張感を持ち続けていた方がいいんだろうけど。

ともあれ、これにて取材納め。……仕事納めは、まだもうしばらく先だけど。

ちっぽけな思いから

最初に、自分一人だけで一冊の本を書こう、と思い立った時、心に決めていたのは、自分という人間の存在ができるだけ表に出ないようにしよう、ということだった。

自分の目の前で起こる出来事の一つひとつを丹念に見定めて、文章と写真で、それらをできるだけ忠実に描写する。個人的な感傷や思い入れで邪魔しないように気を配りながら、言葉を選ぶ。自分という人間が何者なのか、読者にはまったく気にされなくて構わない。そう思いながら、本を書き上げた。

そうして完成した本を読んだ僕の知り合いの何人かは、異口同音にこう言った。この本は、まぎれもなく、あなたの本だ。この本には、あなたの思い入れが、これ以上ないほどあふれている、と。そんな感想が返ってくるとは想像もしていなかったので、僕はすっかり面食らってしまった。

世界のとある場所とそこで暮らす人々のことを、徹底的に追いかけて、ただひたすらにそれを伝えようとしていたら、そこに立ち現れたのは、僕という一人のちっぽけな人間の姿だったのだ。

だったら、その逆は、あるのだろうか。

僕という一人の人間の、本当に個人的な、ちっぽけな思いから、遥か彼方への旅を始めたら、その先は、どこにつながっていくのだろうか。この世界の、底の見えない深淵につながっていくのだろうか。何かの理が、目の前に現れたりするのだろうか。

その旅は、もう始まっている。

はかどる日

今日は家で仕事。夕方、近所の歯医者に歯石除去をしてもらいに行ったが、その前後に、大学案件の原稿を結構順調に書き進めることができた。それでいて、夜はちゃんと米を炊いて、白菜と豚バラの酒蒸しを作ったし。我ながらよくがんばったと言える。

こういう、何もかもはかどる日というのもあるんだな、と思いつつ、ちょっといい気になっていたら、急に情報が入ってきて、新しい本に追加するためのデータ作成に急遽突入。結局、今日の仕事が終わったのは、真夜中過ぎだった。

世の中、そういうものである。

「地上」2018年1月号 「極奥物語 第七話」


12月1日(金)発売のJA(農協)グループ刊行の雑誌「地上」2018年1月号のカラーグラフに隔月で掲載されているシリーズ「極奥物語」に、ザンスカールについての写真紀行「苛烈の谷の安息」を寄稿しました。

この雑誌は一般の書店では販売されていませんが、下記のページから申し込めば、単月号を1部から購入できます。必要事項をフォームに記入して申し込むと、雑誌と請求書兼払込用紙が送られてくるとのことです。

「地上」購読申し込み|地上|雑誌|一般社団法人家の光協会

写真は1枚を除いてすべて今年の夏に撮影したもので、文章も書き下ろしです。よかったらぜひご一読ください。