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「テレビ未来遺産 地球絶景ミステリー」

テレビ未来遺産|TBSテレビ11月23日(月祝)20時からTBSで放映される3時間の特別番組「テレビ未来遺産 地球絶景ミステリー」の中で、インド北部のチベット文化圏、スピティの映像が約30分にわたって紹介されます。この映像を撮影するための事前手配と、現地へ同行してのコーディネート業務のお手伝いをさせていただきました。

スピティの現地レポートのナビゲーターを務められたのは、昨年刊行した「撮り・旅! 地球を撮り歩く旅人たち」でもご協力いただいた、写真家の竹沢うるまさん。満月の夜のキー・ゴンパのタイムラプス撮影への挑戦のほか、通常は撮影禁止のタボ・ゴンパ内部を特別許可を得て撮った貴重な映像や、コミック・ゴンパでのチャム(仮面舞踊)と砂曼荼羅の一部始終など、盛りだくさんの内容を凝縮した映像が放映される予定です。よかったらぜひご覧ください。

憎しみの理由

昨日はこまごました仕事で夜更かしして、今日は昼頃まで寝ていた。のっそり起きてMacを開き、パリで起きた無差別テロのニュースを知って、いきなりぶん殴られたかのように愕然とする。仕事で現地入りしていた知人は幸い無事だったが、それにしても、しかし‥‥。

「卑劣なテロにはけっして屈しない」「テロリストとは断固として戦う」と、各国首脳は口を揃える。確かに、テロはけっして容認されるべきではない行為だ。でも、テロはどんなに力ずくで抑え込もうとしても、ただそれだけではけっして根絶やしにはできない行為でもある。なぜ、何の関係もない無辜の人々を巻き込んでまで、テロリストは攻撃を仕掛けるのか。歩み寄るとか妥協するとかいう意味ではなく、彼らが憎しみを抱く理由にきちんと向き合おうとしなければ、テロの連鎖は永久に止まらない。

日本も、そうしたテロの連鎖と無縁ではないと思う。海の向こうの他人事などでは、けっしてない。

Thailand 2015

旅と家と料理

東京に戻ってきてから、身辺もだいぶ落ち着いてきたので、徐々に自炊を再開。昨日はほうれん草のピリ辛あんかけ、今日はカブとえのき茸の鶏そぼろ煮を作った。

今年は6月下旬からインドに行っていたのだが、出発の2週間くらい前から食材の新規購入を止めて、冷蔵庫の中身を徐々に減らしていた。それから約4カ月間、ほぼすっからかんだった冷蔵庫も、今は牛乳や卵や野菜で満たされつつある。切れてた調味料も買い直したし。

僕の知り合いの旅好きな人たちには、自分で料理をするのを厭わないというか、料理好きな人が結構多い気がする。旅先では基本的に、自分自身で料理をする機会はあまり多くないわけで、いろんな国でいろんな人が作ってくれた料理をいただくことになる。それはそれで悪くないというかありがたいことだけれど、そういう日々がずーっと長く続いた後に自分の家に戻ると、自分で好きなように料理をして食べて、どこかでバランスを取りたくなるのかもしれない。少なくとも僕自身はそんな気がしている。自分でいれたコーヒーってこんなにうまいものなのか、とか(笑)。

さて、明日は何を作ろうかな。

あの日、あの場所

lampang
ここ数日、先月のタイ取材で撮ってきた写真のセレクト作業に、黙々と取り組んでいる。今回の写真の用途はガイドブックだから、グラビアページの構成に合わせて、内容の説明に必要なものや、わかりやすいキャッチーな絵柄のものを選んでいく。だから、写真としてはいい出来でも、用途にそぐわないので選ばれない写真も出てくる。

昨日のセレクト作業の中でも、本当に何気ないスナップショットで、場所や内容的にもガイドブックへの掲載用にはたぶん選ばれない一枚に出会った。タイ北部の小さな町、ラムパーン。週末のナイトマーケットが始まる少し前、西の地平線から射す光の中を、母親と三人の子供たちが歩いている。ほとんど何も考えず、反射的にシャッターボタンを押した。地味な写真かもしれない。でも、少なくとも僕にとっては、今見返すと、胸のあたりにじんわりとしたものがこみあげる、いろんな思いをめぐらせたくなる写真だった。

あの日、あの場所に、彼らがいて、僕がいた。