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踏み外しまくる人生

今までの自分の人生をふりかえって、日本の社会の価値観みたいなものに照らし合わせてみると、何というか、とにかく踏み外しまくってきた人生なんじゃないかなと思う。

大学では自主留年して、卒業するまで六年もかかっている。その後も、正社員として企業に就職することは一度もなく、バイト(肉体労働もやった)や契約社員の仕事を転々としては、ふらっと旅に出ていた。やがて、成り行きでフリーランスというわけのわからない立場になり、それでもそれなりに安定してきたと思ったら、全部放り出してインドの山奥に一年半も行ってしまった。今、受験勉強や就職活動にいそしんでる若い人たちから見れば、たぶん絶対に真似したくない、ちゃらんぽらんな人生だろう。

僕自身、その時その時は何の余裕もなくていっぱいいっぱいだったけれど、今思うと、そうして踏み外しまくってきたからこそ出会えた、かけがえのない体験もたくさんあった。そうした体験の一つひとつが、今の自分を形作ってくれたと感じている。安定しているように見えた道を踏み外してから初めて、本当の意味で自分自身の人生が始まったとさえ思っている。実際、結構いろいろ面白かったし(笑)。

受験に失敗したり、就職活動に行き詰ったり、その後の人生でつまずいたりしても、きっと大丈夫。踏み外した先には、必ず別の道が続いている。他人に迷惑をかけないことを心がけながら歩いていけば、そのうち何とかなると思う。たぶんね。

平々凡々

風の強い、荒れ模様の天気。終日、部屋で仕事。来週末のトークイベントに備え、出演者の方々の写真のスライド制作に取り組む。とにかくみなさんの写真が素晴らしい。お客さんの反応が楽しみだ。

昨日の夜、寸胴に豚汁を大量に仕込んだので、それから三食続けて、豚汁とごはん。意外と飽きないというか、一日経つと味がなじんでうまい。

昨日書いたエントリーが、どこでどう広まったのか、このブログにしては異様な数のページビューを集めている。そんなに大勢の人にご足労いただいて何だか申し訳ないのだが、普段はこんな風に、三食続けて豚汁食べたとか(苦笑)、その程度の話しか書いていない。いち零細ライターが日々適当に書いているだけのブログなので、その辺ご理解いただければと思う。

明日からも、平々凡々、淡々と生きていく。

嘘まみれの人生

先日、同業者の知人から「Twitterのフォロワーが20万人いるという海外ライターの人から、会って情報交換したいと言われたのだが、どうすればいいと思うか」という相談を受けた。

フォロワーが20万人というと芸能人でもかなり有名な人のレベルだが、その人のアカウントを見ても、そういう名前のトラベルライターに心当たりはない。Twitterにも、そこからリンクされているブログ(ちなみにアメブロ)にも、具体的な仕事歴は何も掲載されていない。

その人のブログやTwitterには、海外で撮ってきた街角や高級ホテルの写真がふんだんに掲載されているが、特に内容のないコメントが数行添えられているだけ。場所と時系列もまちまちで、手持ちのストック写真を使いまわしてるのだろうが、どういう意図で更新し続けているのかわからない。ちなみにフォロワーが20万人いるというこの人、フォロー相手も20万人いる(苦笑)。

あまりにも怪しすぎるので、その人の実名でググってみたら、案の定だった。アメブロの旅行ジャンルでトップクラスの人気ブログの内容を、その自称海外ライター(ていうか「海外ライター」って何?)がそのままパクって自分のブログに使っているという、第三者による検証記事がヒットしたのだ。この調子だと、その人のブログやTwitterの内容すべてにも疑念が湧いてくる。知人に接触を試みたのも、フォロワー20万人を見せ球に、何かしらの便宜を図ってもらおうとしたのだろう。

以前も、ソーシャルメディアについて個人的に思うところを書いたことがあるけれど、ソーシャルメディアは結局、今の時代のインフラでしかないのであって、現実を現実以上のものにすることはできないのだと思う。ソーシャルメディア上で有名になる人がいるのは、その人自身にそうなるべき資質や魅力が備わっていたからだ。中身がカラッポで他人のコンテンツをかすめ取るしか能のない人が、どれだけフォロワー集めに汲々としたところで、魅力的な人間になれるわけがない。

そんな嘘まみれの人生を生きて、何が楽しいのかな。20万人のフォロワーの中に、彼が本当に心を許せる人は、いったい何人いるのだろう。フォロワー集めなんて何の意味もないくだらないことに精を出すのをやめて、もっと当たり前の、嘘をつかない人生を生きてみてほしいと思う。

スキップ

冷たい雨の降る朝。7時に起き、コーヒーをいれて、昨日買っておいたパンを食べながら飲む。今日は午前中から、ラジオ番組の収録だ。カフェインで頭をしゃっきりさせておかなければ。

半蔵門にあるラジオ局の前では、併設のホールで何かのアイドルのコンサートが催されるらしく、整理券待ちの長い行列ができている。あまりに雰囲気が違うので、一瞬、場所を間違えたのかと思った(苦笑)。スタジオのあるフロアまで上がり、軽い打ち合わせの後、約一時間半の収録。例によって緊張したけど、パーソナリティのお二人にも助けられて、どうにかこうにか乗り切れたような気が‥‥する。あとは、編集でどうにか‥‥(苦笑)。

今年最後の仕事を終え、ラジオ局の外に出ると、雨は止んでいた。四ツ谷まで歩き、かつれつたけだでカキのバター焼定食を食べる。至福の味。ようやく肩の荷が下りてほっとしたからか、やたらに眠い。

電車で三鷹に戻り、駅から家までの道を歩いていると、少し前を、若いお母さんと女の子が歩いていた。ぴょんぴょんとスキップしながら歩く女の子に合わせて、お母さんも、ぴょんぴょん、と時々スキップ。美しい光景だなあ、と思った。

年の瀬感

終日、部屋で仕事。タイのグラビアのチェックもようやく終わり、あとは年明けに色校で写真の色味を確認すればOKというところまでこぎ着けた。来年以降の仕事の準備はもちろんあるけど、とりあえず、直近で気がかりなことを抱えたまま年を越すことにならずにすんで、ほっとした。

世間では今日が仕事納めという会社が多いらしく(当たり前か)、僕のところにも、仕事関係の方から「よいお年を!」というメールが何通か届いた。そうか、仕事納めか‥‥僕はまだ、納まりそうにない‥‥(苦笑)。

否応なしに、2014年が過ぎ去ろうとしている。もうちょっとだけ、待ってて。まだ、週明けに仕事が一つ残ってるから。