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最初から最後まで

午後、神保町で取材。春に公開される、とある映画についてのロングインタビュー。楽しく、そして熱く盛り上がって、丸々2時間押さえておいた会議室がタイムアウトになってしまったほどだった。

こういうロングインタビューをまとめるのは大変ではあるけれど、むしろ望むところというか、インタビュアーとして、書き手として、これ以上ないくらいの面白味を感じる。取材に限らずどんな仕事でもそうだと思うけど、最初から自分で企画して、最後まで自分で責任を持てる仕事が、やっぱり一番楽しいし、やりがいがある。

最初から最後まで自分で責任を持つには、それなりのスキルを身につける必要はある。僕はもともと能力不足だったので、必要最低限のスキルを身につけるのに、二十代をほぼ全部費やしてしまったけど(苦笑)。2月21日(火)のトークイベントでは、その頃の話も少しできたら、と思っている。

折り返し下車

昼、松戸で取材。先週からの松戸通いもかれこれ4回目になるが、今日でどうにかすべて終了。原稿を書く作業は残っているけど。

三鷹から松戸までの往復は、とにかく時間がかかる。東西線から千代田線経由の常磐線に乗り換えるか、中央線から東京駅で上野東京ラインに乗り換えるか。今日は往路も復路も東西線を使った。iPhoneで音楽を聴きつつ、時々メールやTwitterをチェック。まだ読んでない本を持ってくればよかった、とちょっと後悔。

……ふと気づくと、とっくに終点の三鷹に着いていたのに、ぼんやり座ってるうちに列車がまた吉祥寺に折り返してしまっていた。疲れてるのかボケてるのか。自分に呆れながらあわてて列車を降り、向かいのホームで三鷹行きを待とうとして……。

ま、いっか。このまま、歩いて帰っちゃおう。

駅を出て、中道通り商店街をぶらぶら歩く。途中でコーヒーを飲んで、ついでに豆を買ったりして。これはこれで、ありだったかも。

トークイベント「あなたの旅を本にしてみませんか?」のお知らせ

「旅の本を作る」というテーマのトークイベントに出演させていただくことになりました。日時は2月21日(火)、会場は文禄堂高円寺店。予約は店頭か電話(03-5373-3371)、Peatixにて受付中です。どんな展開のトークになるか、個人的にもとても楽しみにしている企画です。

終了後には、会場のすぐ近くにあるバー「BnA HOTEL Koenji」にて「旅人BAR」という企画に参加し、にわかバーテンダーを務めさせていただく予定です(苦笑)。ご興味のある方はぜひ。よろしくお願いします。

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「あなたの旅を本にしてみませんか?」
現役編集者に聞く“旅本”の作り方

自分の旅を本にして残せたらいいなあ……と、旅好きなら一度は考えたことがあるのでは? 今回は、“旅の本”で実績を持つ現役編集者2名に、「あなたの旅を本にするには?」を根掘り葉掘り聞いていきます。
・出版社に企画書を持ち込むのか? 自費出版で作るのか?
・本作りに必要なスキルは?
・今求められているテーマは?
など、自身のエピソードを交えてお話しいただきます。

滅びゆく職業

今の僕の仕事、ライターとか、写真家とか、そういう職業は、あと何十年か後には、滅んでいると思う。

つい最近、企業の決算サマリーを1日30本ものペースで自動的に量産できる人工知能「決算サマリー」が稼働し始めた。小説を書く人工知能の開発も進んでいる。少なくとも、昨年暮れに巷を騒がせたキュレーションメディアなどにパクリ記事を書いていたリライトライターの仕事は、あっという間に自動化されてしまうだろう。その方がコスパがいいから。

写真家の仕事の領域はしばらく前から狭まり続けているが、これからカメラの動画機能がさらに向上してくると、撮影という作業は動画がメインになって、写真は後で動画から静止画を切り出して作るもの、という扱いになるかもしれない。そうなると、撮り方も、捉え方も、見せ方も、何もかも変わってくる。撮影自体も、ドローンなどで完全に自動化されるかもしれない。

僕たちは、レッドリスト入りした、絶滅危惧種なのだ。黄昏の侘しさをひしひしと感じながら、それでも、人の書く言葉にしかできないこと、人の撮る写真にしか伝えられないことがあるんじゃないかと、一縷の望みをかけながら、あがいている。じたばたと、なりふり構わず。

三歩で忘れる鳥頭

仕事の関係先から、今時珍しく、CD-Rでデータを郵送してほしいという連絡が来た。部屋の中をあちこちガサゴソ探して、運よく未使用のCD-Rを1枚だけ発掘。データをコピーし、ラベル面に内容を書いておこうと油性マジックのふたを開けると、ぱっさぱさに乾ききっていた。そういえば、本にサインを入れたりするのには、最近はずっとぺんてるの水性サインペンを使っていたんだった。油性のやつを買ってこなければ。

夕方、冷え冷えとした空気の中、近所のコンビニへ。道すがら、そういえば明日は取材で午前中から出かけるから、朝起きてすぐ食べられるものを何か買っておかねば、と思い当たる。店に入り、照り焼きチキンと玉子のサンドイッチと、赤飯おこわのおにぎりをカゴに入れる。飲み物はどうしよう、明日の朝に近所の自販機で缶コーヒーを買う方がいいか、ほかに何か晩酌の肴になるようなものを買っておくか、燻製チーズがいいか、焼き辛子明太子もいいな、いやいや肴は我慢して節制するか……。

……おい。油性マジック。

当初の目的をすっかり忘れて、危うくそのままレジに行ってしまうところだった。鳥頭にもほどがある。