キヤノンマーケティングジャパングループ発行のPR誌「C-magazine」2013年夏号に掲載された特集企画の中で、「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムの青木耕平さんと河野武さんの対談記事などを取材・執筆しました。リンク先のページからPDFで読むこともできます。
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編集者がつける道筋
一口に編集者といっても、いろんなタイプの人がいる。たとえば書籍の編集者なら、著者の企画や原稿をそのまま活かす形で仕上げる人もいれば、著者と侃々諤々やりあって書き直しを重ねながら仕上げていく人もいる。
僕の場合、自分が著者の立場の時に、書き上げた原稿の内容自体に編集者からダメ出しされたことはほとんどない。何でかなと思い返してみると、それはたぶん、「ダメ出しされての書き直し」という無駄な手戻りが起きないように、編集者が各段階に至るまでの道筋をわかりやすく示してくれていたからだと思う。
「どういう本にするか」という完成形のイメージを決め、全体の構成案を丁寧に詰めていって、試し書きをして文体やトーンを調整しながら、少しずつ書き上げていく。その各段階で編集者に細かく確認をしてもらって、イメージを共有するのが、無駄な手戻りを防ぐためには大切だと思う。もちろん、草稿が書き上がってからも、第二稿、第三稿と書き直しをしていく場合もあるが、それは「ダメ出しされての書き直し」ではなく、明らかに目的があって、さらに精度を上げていくための書き直しだ(込み入った表現をわかりやすくする、など)。無駄な手戻りをくりかえしていては、そういう精度の向上を検討する余裕もなくしてしまう。
著者と侃々諤々やりあうタイプの編集者を否定するつもりはないが、個人的には、そういう風になってしまうのは、著者と編集者の間で完成形のイメージをうまく共有できていないからではないか、と思う。著者が完成形のイメージに近づくための作業をスムーズに進められる道筋をつけてあげるのが、僕が理想とする編集者の役割。自分自身が編集者の立場の場合も、そうありたいと思う。‥‥まあ、それでもいろんな事情が絡んでくるので、なかなか一筋縄ではいかないのだけれど(苦笑)。
五月晴れ
午前中から昼過ぎにかけて、都心で二件取材。終わった後、すぐさま最寄り駅までダッシュして、中央線ではるばる終点の高尾へ。そこからさらにバスに乗り、もう一件取材をこなす。終わってからも、家路が遠い(苦笑)。
こんなに忙しい日でも、そんなに疲れを感じなかったのは、天気があまりにもよかったからだと思う。本当に、雲一つないすっきりとした青空で、夏のような日射しが降り注ぎ、風はさらりと心地よかった。まさに五月晴れ。
同じ仕事のノルマでも、一日中雨に降られていたら、それこそぐったりだったろう。でも、来週明けにはもう、梅雨入りしてしまうのかな。時が過ぎるのは早い。
霧雨の日
朝から駒沢で取材。窓から見える雲行きは怪しいが、降ってないのかな、と思って玄関を開けたら、細かい霧雨が音もなく降っていた。
取材先までの電車は軒並み遅延。駅から小走りに駆けて行って、待ち合わせ時間ギリギリにどうにか到着。取材自体はまずまず首尾よくこなせたが、終えてビルの外に出たら、どしゃ降り。こういう日は地味に疲れる‥‥。
帰りに中野で途中下車して用事を片付け、三鷹駅から家までの道程を歩く頃には、雨はまた霧雨に変わっていた。家に着くと、ジーンズから上着やシャツまで、全身、じっとり。やれやれ。
ハードル、無駄に上がる
午後、横須賀で取材。横須賀‥‥遠い(苦笑)。家から駅まで歩く時間も考えると、片道で軽く二時間以上かかる。でも、取材だからしょうがない。
今日の取材は、いつも組んでいる依頼元の担当営業さんの他、入社してまだ一週間という新人さんも一緒だった。取材前に担当さんが新人さんに、「この人が、うちでひっぱりだこの‥‥」と、やたらハードルを上げる形で僕を紹介してしまったので、正直弱った。これから取材なのに、やりにくいったらありゃしない(苦笑)。
取材はまあ、いつもの要領で淡々と進めたのだが、新人さんには「なんだー。この程度か」と思われたかもしれない。まあでも、それがこっちの実力の限界なんだから仕方ない。許してつかあさい。