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雲間から射す光

朝から夕方まで、南大沢で取材。今日は三人の方に、合計で六本分の原稿を書くための取材をした。本数もそうだが、ジャンルの振れ幅も相当大きかったので、文字通り脳みそが煮えたぎるような状態(苦笑)。すべてを終えて帰りの電車に乗る頃には、もうよれよれだった。

イヤホンで音楽を聴くともなく聴きながら、席にもたれて呆然としていたら、ふいに窓の外の景色がひらけて、明るくなった。多摩川の河川敷にかかる鉄橋を渡る電車。西の空の雲間から、淡い光が射し込む。そのやさしさに、何だか少しだけほっとした気分になった。

まあでも、取材したら、その分、書かなきゃならないしな‥‥。先は長い。

ばっさり断ち切る

昼、南大沢で取材。今週は三日で五人に取材するが、一人につき原稿を二本作らなければならないので、十本分の取材ということになる。なかなかきつい。

実はというか何というか、再来週明けには飛行機でデリーに飛ぶことになっているのだが、少なくとも今のところ、そうした実感というか高まりみたいなものは、まったくない。完全に今までの日々の生活のリズムにはまったまま、あくせくといろんなことに追われている。

そういう惰性みたいなものにのっかっている日々も、普段はそんなに悪くないと思うのだが、それをばっさり断ち切って旅に出てしまう時間もまた、僕にとってはすごく大切なものだと感じている。あの、ひとりぼっちの、心細い時間。そこから始まる何か。そういうインプットがなければ生み出せないものもあるから。

まあでも、とりあえず、目の前の取材、そして原稿だ。

「感じ」をつかむ

終日、部屋で仕事。一昨日の取材二件分の原稿を書く。

仕事で依頼された原稿を書く時、割と大事だなあと思うのは、「感じ」をつかむということ。依頼内容に相応しく、自分の感覚的にも違和感のない、「こんな感じで書く」の「感じ」。具体的には文体や言葉の選び方、句読点の打ち方など、いろんな要素が絡むのだろうけど、自分の場合はそういうのをひっくるめて「感じ」をつかむことがまず必要だと思っている。

書き手が「感じ」をつかめていれば、その文章には統一されたトーンが生まれるし、たいていの場合、読みやすく、引き込まれやすくなる。書き手が「感じ」をうまくつかめずに手探り状態で書いた文章は、トーンがバラバラで、読みにくくなってしまう場合が多いと思う。

その「感じ」をどうやってつかむのか、自分の中ではまだうまく整理できていないのだけれど‥‥。書く前に頭の中でぐるぐる考えて、「感じ」のイメージを作るしかないのかな。

新しい仕事

午後、高尾と八王子で取材。先日顔合わせした新しい依頼主からの最初の仕事。

新しい仕事で特に取材が絡む時は、要領をつかむまで、かなり慎重に行動するように心がけている。たとえば、ある人にインタビューする時、自分としては原稿を書くのに十分な数の質問をしたと思っていても、依頼主はまだ聞きたい質問が残っていたりすることが結構多い。最初のうちは、そういった細かい部分もいちいち確認してすり合わせながら、要領をつかんでいく必要がある。

昨日書いたエントリーにも通じることなのだが、最近は新しい依頼主も、従来からの依頼主も、割とこっちを信用してくれて、いろいろ任せてくれようとするケースが増えてきた。とてもありがたいのだけれど、それで勘違いして自惚れと過信から油断して、手痛いミスを犯したりしないように気をつけなければ、と思う。

今日はとりあえず、慣れないことだらけで、疲れた。ビール飲も。

過信という油断

午後、相模原で取材二件。どちらも先方が取材対応の準備をしてくださっていたので、やりやすかった。片道二時間近くかかる道程は疲れるけど、どうにかやり遂げる。

先日、タイ取材に加えてミャンマー取材の可能性を打診してきてくれた方から、具体的なスケジュール案が届く。これは‥‥かなりきつい。9月頭からほぼ一カ月半、行きっぱなし。最初からそれだけなら何とかなるが、今年はその前にインドくんだりに行っているので、全部引き受けると、体力的にかなり厳しくなる。あと、八月下旬には雑誌絡みの仕事が発生する可能性があるのだが、その作業に充てる時間もほとんどない。しばらく悩んだのだけれど、電話で先方とも相談した結果、今回はミャンマー取材はお断りして、タイ取材のみ引き受けることにした。

今回の仕事は、今までに引き受けたことのない調査取材だから、取材先と帰国後にどのくらいの労力と時間がかかるのか、読み切れない部分が多い。たぶん大丈夫だろう、と自分の力を過信して引き受けてしまうのは油断ではないかという思いも、どうしようかと迷っている時に頭をよぎった。まずは、確実に捌けるであろう範囲で請け負うのが、結局はお互いのためにもなる。守備範囲を広げるのは、要領をきっちりつかめてからでいい。

まあでも、行けるものなら、全部行きたかったけど(笑)。