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1文字の価値は何円であるべきなのか

しばらく前に、巷で言うところのビジネスSNSというサイトに、自分の情報を登録してみた。それにプロフィールを登録しておくと、自分の特性や環境に合う仕事の募集情報を得られたり、企業から打診のメッセージが届いたりする。僕のところにも、いくつかの企業から問い合わせの連絡が来た。

で、当然ながら原稿料や報酬の金額についてもやりとりするのだが、よく聞かれるのが「目安となる単価感のようなものはありますか? 1文字につき何円とか?」という質問。最近の書き仕事、特にWeb関係の案件は、1文字につき何円、というやり方で算出されているらしい。

現時点で自分が担当している仕事のうち、Web関連の一番安い案件で計算してみると、1文字10〜20円くらい。これでもかなり安い。しかし、件のビジネスSNSなどで問い合わせの来る案件だと、その10分の1かそれ以下。つまり、1文字につき1円かそこらということになる。1万字書いても1万円。怖ろしい。執筆にかかる時間から時間給に換算したら、いったいいくらになってしまうんだろう(苦笑)。

正直に言えば、単に所定の文字数を埋めるためだけに書けと言われれば、僕は、いくらでも速く書くことはできる。ただ文字数を稼ぐためだけならば。でも、そんな風にして量産された文章に、何の存在価値があるだろうか。そんなものを書いてしまったら、僕は、読んでくれる人(もしいるならば)に申し訳ないという気持しか出てこない。

そもそも文章の価値は、1文字につき何円、といったやり方で計算できるものではないし、計算すべきでもないと思う。同じ文字数でも、専門知識や豊富な経験が要求される文章、取材や調査の手間がかかる文章、執筆や編集のテクニックが必要な文章、何よりその人にしか書けない文章。少なくともそういう仕事には、内容や難易度に応じて、それに見合うだけの真っ当な対価がきちんと払われるべきだ。

1文字につき何円というやり方でしか文章の価値を測れない人や企業は、結局その程度のものさししか、自分たちの中に持ち合わせていないのだと思う。

その後のインディア

数週間前に書いた、インドのシムラーという街のホテルをBooking.comで予約したら「デポジットで1泊分の全料金をこの口座に入金しなさい、でなければキャンセル扱いにします」と、インド国内のパンジャブ銀行の口座情報がメールで送られてきた件の、その後。

とりあえずこちらからは「こっちは日本だし、銀行に送金するのは無理。もしそちらの都合でキャンセルするなら連絡してください」というメールを、間を置きながら数回送った。その間、Booking.comの方でも空室情報をウォッチしていたのだが、僕が予約していたらしき部屋が空室になり、やがてそれが埋まった頃、ホテルからメールが来た。「デポジットが払えないなら部屋をキープできないので、そちらでBooking.comからキャンセルしてください」と。案の定である。

で、こちらからBooking.comでそのままキャンセルすると、ややもするとキャンセル料がかかってしまうので、Booking.comにある「キャンセル料の交渉」という項目から再度連絡し、「ホテル側からキャンセルしてくれと言われたので減額してください」とディスカウントを交渉。結果、キャンセル料は無料になった。まあ、当たり前といえば当たり前なのだが。

交渉に時間がある程度かかることを予想して、アゴダの方からシムラーの別のホテルを予約しておいたので、ことなきを得た。6月から7月にかけて、シムラーの宿は本当に混み合うし、高くなるので、危ないところだった。

しかし、この夏のインドとの戦いは、まだまだ序の口だ……。

さすがインディア

昨日と今日は、国分台の方で取材。三鷹から片道丸1時間。何だかんだでやっぱり疲れる。

家に戻ってきて、Macを開くと、ぽん、とメールが届いた。インドからだ。今年の夏、6月の終わりから取材でインドに行くので、旅の序盤、シムラーという街で泊まる宿をBooking.comでこの間予約したのだが、そのホテルからのメール。明日までにデポジットで1泊分の全料金をこの口座に入金しろ、でなければキャンセル扱いにする、と、パンジャブ銀行の口座情報が送られてきたのだ。

まったくもって、そんなの知らんがな、だし、予約保証にVISAカードの情報もBooking.com経由で入力してるのに、なんでわざわざ日本からインドの口座に送金させようとするのか。普通の旅行者にはまず無理だし、送料を考えたらまったく割にも合わないし。突拍子なさすぎて、かえって笑えてきた。

とりあえず、「いや、こっちは日本だし、送金するのは無理ですよ。でも、シムラーまでの鉄道は予約済みなんで、安心してください。宿に着いたら直接払います。もしそっちの都合でキャンセルするなら、また連絡してね」とだけ、メールを返しておいた。さて、どうなることやら。

さすが、インディア。出発前から、すでに戦いは始まっている。

#東北でよかった

「東日本大震災が起こったのがまだ東北でよかった。首都圏に近かったら甚大な被害になっていた」という意味の発言を咎められ、今村復興大臣が辞任した。その前後の発言を見ても、言葉の選び方をうっかり間違えたというより、完全に本音が露呈した形での失言で、辞任は当然だと思う。まあ、今の内閣には、これと同じレベルの失言をやらかしたり、国会で虚偽答弁をくりかえしたりしてもしらばっくれてる大臣が、他にもうようよいるが。

それはさておき、今日の昼、Twitterを見ていたら、「#東北でよかった」というハッシュタグがトレンドに流れてきた。見てみると、今村前復興相の失言を逆手に取って、「東北に生まれてよかった」「東北に来てよかった」と、東北ならではの魅力をポジティブに伝えるツイートが、本当にたくさん投稿されていたのだ。見ていて、心が温かくなるのを感じた。

今の政府の驕りと不誠実さを鮮やかに切り返して、僕たちにとって大切なものは何なのかを示してくれたハッシュタグ。TwitterというSNSだからこそ生まれた、素晴らしい現象だったと思う。

ランダム表示

このサイトのヘッダに表示される写真を、アクセスのたびにランダムに表示が切り替わる形に変更してみた。特に深い理由はなく、単なる気まぐれで。

写真は今のところ、合計で6枚。いずれもアラスカで撮影した写真。気が向けば、また何の前触れもなく、しれっと追加するかもしれない。それもまた、気まぐれで。

アラスカの写真と、そして文章。いつか、納得のできる形で、まとめられるといいなと思っている。それがいつになるのか、今はまだ皆目見当もつかないけれど。