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風景を撮るのも、人を撮るのも

「旅先で人の写真を撮る時は、どんな風にして撮ってるんですか?」という質問をされることが、割とよくある。人の写真がどうもうまく撮れない、何かいい方法があるのではないか、と思っている人が多いらしいのだ。

僕も写真で駆け出しの頃は(まあ今も駆け出しみたいなものだけど)、人を撮る時には、それ以外と何か違うアプローチがあるのでは、と手探りしていた時期があった。でも最近は、風景を撮るのも、人を撮るのも、自分にとっては同じことだな、と思うようになった。

こう書くと、「風景はその場にいれば誰でも同じように撮れるから、人を撮る方が難しくて技術が必要なのに決まってる」とか、あるいは「人を風景と同じようにモノ扱いして撮っているのか」と受け止める人もいるかもしれない。でも、僕にとっては、どちらもそうではない。人を撮るのに使う技術と同じくらい、風景を撮るのにもいろんな技術が必要になる(僕はそれらのごく一部しか使えていない)。そして僕は、特にここ数年、風景を撮る時にも、人を撮る時と同じように、その場面に気持を注ぎ込もうと考えながらカメラを構えている。気持を注ぎ込めば山や海が微笑んでくれるわけではないとは思うけど、何というか‥‥そこには何かの差が生まれるような気がするのだ。気持を注ぎ込んだ自分ならではの。

何だか雲をつかむような話になってしまったけど、風景を撮るのも、動物を撮るのも、人を撮るのも、僕にとってはやっぱり同じだなと思う。

本場の味

夜、吉祥寺へ。駅の近くのラオス料理店で、食事をしながらの打ち合わせ。ビアラオを飲みつつ、黒米入りのカオニャオと一緒にラープやガイヤーンをいただく。

その味が悪かったというわけではまったくないのだけれど、食べながら思い出していたのは、この間のタイ取材の時に、行く先々の安食堂や屋台で食べていた料理の味だった。ガイヤーン、パッタイ、ソムタム、カオマンガイ、センレックナーム‥‥安くて、さりげなく、それでいて鮮烈で、何とも言えずうまい。気候などにもかなり影響されていたとは思うが、あれらは文字通り、本場ならではの味だったのだろう。

そう考えると、僕はとてもぜいたくな経験をさせてもらえていたのだと思う。まあ、取材はほんとにきつかったけどね(苦笑)。

思い出して、笑って

午後、編集さんと待ち合わせて、代官山蔦屋書店へ。九月に森本さんが亡くなった後、タイ取材のためにずっとお店に行けないでいたのだが、ようやく今日、書店員の方に時間を取っていただいて、おくやみのご挨拶に。

二階のラウンジで一時間ほど、来月上旬に予定されているお別れの会の話や、森本さんや本やお店のよもやま話をしたのだけれど、不思議としめっぽい感じにはならなくて、あれやこれやを思い出しては結構笑っていたような気がする。きっとそれは、森本さんのお人柄もあるのだろう。

僕も、この世から立ち去った後、誰かに笑って思い出してもらえるような人になれたら、と思う。まあ、どっちかというと「あいつ、つくづく無茶ばっかやってたよね」と、あきれ笑いで思い出される方だと思うけど。

ラムパーンの象

この間のタイ取材で、ラムパーン近郊の象保護センターに行った時、ショーに出ていた一頭の象の様子をたまたま連写で撮っていたので、それをたわむれにアニメーションGIFにしてみた(笑)。なにせGIFなので画質が荒くて申し訳ないんだけど、畳んだ先に貼っておくので、よかったらどうぞ。

自撮りにトライ

世間では最近、「自撮り」が流行っているらしい。英語圏では「セルフィー」と呼ぶのかな。要するにスマホとかで自分の写真を撮って、それをSNSにアップしたりすること。

この間、取材で旅していたタイでも、現地の若い子たちが至るところで自撮りをしていた。観光地ではもちろん、なんでそこで?というような突拍子もない場所とタイミングでも。棒の先にスマホを取り付けて使う「自撮り棒」なるアイテムも大人気で、どこに行っても使っている人を見かけた。

僕自身は、もともと自分自身を写真に撮ることにはまったく興味がなかったのだが、これだけタイで自撮りが流行ってるのを目の当たりにして、何か面白いと思える要素があるのかもしれない、と、とりあえず試してみることにした。タイのチェンマイのホテルで、これから取材に出かけるという時に、鏡に映った自分の姿をiPhoneで撮ってみたのだ。

‥‥まったく何にも面白くなかった。写真に写っていたのは、Tシャツ短パン姿のひょろい身体にボロいカメラバッグをぶらさげた、どこからどう見てもただのしょぼくれたおっさんでしかなかった。当たり前だけど。

自撮りはどうぞ、自分に自信のある方々でおやりになってください。僕はもういいです(苦笑)。