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カオニャオ太り

約2週間のラオスの旅で、とにかく毎日最高に楽しめたのは、食事だった。

ラオスのレストランでは、隣国タイの料理とよく似たメニューも結構あるのだが、タイは取材で毎年行ってるし(苦笑)、できるだけラオスらしい料理を食べようと思っていた。すると、しぜんとほぼ毎晩、ラープとカオニャオを選ぶようになった。

ラープというのは、肉や魚を粗みじんにして炒め、香草やライムと和えた料理だ。カオニャオはもち米のこと。食べる時は、カオニャオを適当な大きさで手に取り、ラープと一緒に指で挟み込むようにして口に入れる。これがもう、抜群にうまい。それと一緒に飲むビアラオ・ダークもたまらない。ラープ、カオニャオ、ビアラオ・ダーク。毎晩どころか、毎食この3つの組み合わせでもいいくらいだった。

そんなこんなでラオスの食をエンジョイして、日本に戻ってきてみたら、2キロ近くも太っていた(苦笑)。そりゃそうだ。毎日たらふくもち米を食らって、暑くなった旅の後半はビールもがばがば飲んでたんだから。

さすがにちょっとまずいので、この3日間ほど節制して、ほぼ元の体重まで戻した。でもまあ、幸せな太り方だったなあ。カオニャオ太り(笑)。

気温乱高下

ラオスでの約2週間の滞在を終え、今朝、東京に戻ってきた。

今回のラオスへの旅、まず想定外だったのは、現地の気温だった。東南アジアの南国に行くつもりで服装や着替えを準備しておいたのに、ルアンパバーンに着いてみたら曇りがちの寒空で、気温は最高でも15℃くらい。朝晩は10℃前後まで冷え込んだ。日本を出る時に着ていたノースフェイスの中綿入りジャケットがそのまま大活躍。ルアンパバーンからムアン・シンに北上すると、山岳地帯ということもあって冷え込みはさらに続いた。

ところが、ムアン・シンから再びルアンパバーンまで南下してくると、最高気温は30℃越え。1週間前とはうってかわって、Tシャツ短パンサンダルで過ごせるほどになった。以降、バンビエン、ヴィエンチャンでも、からっとはしているものの、暑い日々。さらに帰国便に乗り継ぐためにバンコクまで飛ぶと、冬だというのにうんざりするような蒸し暑さが待っていた。

で、今日。東京の最低気温は、マイナス4℃だという。……気温差35℃くらい? たった2週間の間で、乱高下にもほどがある(苦笑)。とりあえず、うっかり風邪とかひかないように、用心しなければ……。

深夜発の便で

今日からまた、2週間ほど、旅に出る。行き先はラオス。深夜に羽田を発つ飛行機でバンコクまで飛び、そこからエアアジアでラオス北部の古都ルアンパバーンへ。その先は、うっすら考えてはいるのだが、実はほぼノープラン(笑)。最初のルアンパバーンの宿以外、現地では何の予約も入れてなくて、最後に首都ヴィエンチャンからバンコク経由で帰国する便しか取っていない。まあ、それが本来の自分の旅のやり方なのだが。

深夜発の便で日本を離れるのはたぶん初めてのはずなのだが、意外といいかも、と思う。早起きしなくていいから寝坊のプレッシャーはほぼないし、昼のうちに最後の洗濯と乾燥もできるし、家を留守にする準備も余裕を持ってできる。成田からデリー行きのエアインディアに乗る時とか、朝の4時には起きなきゃならないから、本当にしんどいのだ。まあ、機内で一晩寝て過ごして、翌朝から現地でフル稼働するというのも、それはそれできついかもしれないけど。

ともあれ、道中油断しないように、いってきます。帰国は1月25日(木)の予定です。

年末年始

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

年末年始は去年と同様、安曇野で過ごしてきた。岡山から来た実家方面の人間たちと合流して、二泊三日。相手をするのが大変な子供が一番下の甥っ子に絞られてきたので、危惧していたほどには大変でもなかった。まあ、いろんな意味で疲れたのは疲れたけど(苦笑)。

それでも、安曇野のそばを二回食べられたし、村営の温泉の露天風呂にも二日間、ゆっくり浸かることができたので、メンタルのガス抜きにはなったような気もする。冷え冷えと澄み切った安曇野の空気は、散歩をしていても、本当に心地よかった。

そんなわけで、今年もぼちぼち、がんばります。

ちっぽけな思いから

最初に、自分一人だけで一冊の本を書こう、と思い立った時、心に決めていたのは、自分という人間の存在ができるだけ表に出ないようにしよう、ということだった。

自分の目の前で起こる出来事の一つひとつを丹念に見定めて、文章と写真で、それらをできるだけ忠実に描写する。個人的な感傷や思い入れで邪魔しないように気を配りながら、言葉を選ぶ。自分という人間が何者なのか、読者にはまったく気にされなくて構わない。そう思いながら、本を書き上げた。

そうして完成した本を読んだ僕の知り合いの何人かは、異口同音にこう言った。この本は、まぎれもなく、あなたの本だ。この本には、あなたの思い入れが、これ以上ないほどあふれている、と。そんな感想が返ってくるとは想像もしていなかったので、僕はすっかり面食らってしまった。

世界のとある場所とそこで暮らす人々のことを、徹底的に追いかけて、ただひたすらにそれを伝えようとしていたら、そこに立ち現れたのは、僕という一人のちっぽけな人間の姿だったのだ。

だったら、その逆は、あるのだろうか。

僕という一人の人間の、本当に個人的な、ちっぽけな思いから、遥か彼方への旅を始めたら、その先は、どこにつながっていくのだろうか。この世界の、底の見えない深淵につながっていくのだろうか。何かの理が、目の前に現れたりするのだろうか。

その旅は、もう始まっている。