Tag: Travel

トークイベント

今日はいよいよ、写真展の会場に旅音の林澄里さんをお招きしてのトークイベント。途中で頭が真っ白に飛ばないように、午前中のうちに家でトークのイメトレをしてから、支度をして、十二時に会場入り。ちょこっとトラブルがあったものの、事なきを得て、どうにか準備完了。

開場時間になると同時に、お客さんがどっと入ってくる。自分で呼びかけておいて何だが、すごい人数だ‥‥。大丈夫か俺。写真をスライドで見せながらのトークイベントは去年二回ほどやらせてもらった経験があるが、ゲストを迎えてのトークは初めてだし。こうなったら、当たって砕けろの覚悟でいくしかない。

一時過ぎから、トーク開始。どんな感じのトークになったのかは‥‥あんまりよく憶えていない(苦笑)。自分がしゃべることと、林さんが話しやすいように話題を振ることにとにかく必死で、記憶が断片的にしか残っていない‥‥。はたしてうまくいったのだろうか。でも、ミヤザキ店長が用意してくれたリトスタ特製お弁当は期待を裏切らないおいしさだったようで、お客さんたちがおいしそうに食べていたのは憶えている。お弁当に助けられた(笑)。

二時半にトークを終え、本を購入してくださった方々にサインを進呈したり、質問に答えたりしているうちに、閉場の時間に。長かったような、あっという間だったような。撤収作業を終え、林さんやイベントを手伝ってくれた人たちと一緒にお弁当をいただく。肩の荷が一気に下りて、腑抜けたような気分。

夜は吉祥寺でジュレーラダックの関係者さんたちと合流して、アムリタ食堂で打ち上げ。長居したのにいろいろサービスしてもらってしまった。林さんやみんなと別れ、ほろ酔いで帰宅。しかし、明日の取材の準備をしなければ‥‥。

ともあれ、イベントにお越しいただいたみなさん、本当にありがとうございました。

写真展「ラダック、僕が戻る場所」

ラダック洪水被害復興支援企画/山本高樹 写真展
「ラダック、僕が戻る場所」

行きたい、と思える場所がある。会いたい、と思える人がいる。
ラダックの風息」の著者が二年ぶりに訪れた、空果つる地、ラダック。
崇高なまでに美しく、そして苛烈な自然。そこで心穏やかに暮らす人々との邂逅。
私たちにとって大切な何かを思い起こさせる、ラダックの情景の数々をご覧ください。

期間:2010年10月15日(金)〜11月28日(日)
会場:リトルスターレストラン
   東京都三鷹市下連雀3-33-6 三京ユニオンビル3F
   TEL&FAX 0422-45-3331 http://www.little-star.ws/
時間:11:30〜24:00(土日祝12:00開店/日祝23:00閉店)
定休:月曜日(臨時休業や貸切の日もあるため、お店のサイトをご確認ください)
料金:無料(会場が飲食店なので、1品以上のオーダーをお願いします)

※会場では、2010年8月に発生したラダック洪水被害の復興を支援するための義援金の受付も行います。

旅音「インドホリック」

ラダックから日本に帰ってきた時、旅音の新刊「インドホリック」が、僕のいない間に発売されていたことを知った。しかも、「ラダックの風息」と同じ出版社から。そこから不思議な縁がつながって、11月3日に開催するトークイベントのゲストとしてお招きすることになったのだが、それはまた別の話。

旅音とは鎌倉在住のご夫婦で、ご主人の林澄里さんが写真とWebを、奥さんの加奈子さんが文章を担当されている。中南米を一年かけて旅した日々を描いた前作「中南米スイッチ」もそうだったが、この「インドホリック」も、瀟酒でとても美しい本だ。鮮やかな色彩のインドの情景を、みずみずしい感性で切り取った写真の数々。インド各地を約半年かけて旅した日々を綴る文章は、感動した出来事があった時も、困ったトラブルに遭遇した時も、きちんと抑制が効いていて、ニュートラルな視線に好感が持てる。

旅行記というと、自分の行為に陶酔してしまったり、妙にカッコつけてしまったり、あるいは面白おかしくウケを狙ったりしてしまいがちだが、旅音による二冊の本は、本当に自然体で、いい案配のバランス感覚でまとめられている。それはたぶん、彼ら自身が、旅というものに対する自分たちなりのスタンスを確立しているからだろう。

長い旅を経験した人の中には、疲弊して擦り切れてしまったり、何かが変質してしまう人も少なからずいる。でも、旅音の二人は、異国に対するフレッシュな好奇心と敬意を抱きながら、実にのびのびと旅を楽しんでいる。それでいて、自分たちらしさも忘れていない。「旅の達人」といった類の人たちとは違う。「旅を楽しむことがうまい人たち」なのだと思う。そして、そういう人たちが作った本というのは、読んでいても気分がいい。

できれば、せめてあと1折(16ページ)はページ数に余裕を持たせて、その分、見開きや1ページ断ち落としでズバッとレイアウトされた写真をもっと見たかった‥‥というのは、贅沢すぎる注文か。フルカラーの本でこれ以上ページ数を増やすのは、採算面でかなり厳しくなるのはわかっているけれど。

カイラスからウイグルへ

昼、綱島にあるPOINTWEATHERというお店に行く。旅の気配がそこはかとなく漂っていて、いい雰囲気。来月初旬にラダック写真展会場で開催するトークイベントにお招きするゲストの方と打ち合わせ。初対面だったが、柔和でとても感じのいい方で、時間を忘れて話し込んでしまった。いいトークイベントになるかも。

夕方、綱島から小川町に移動して、旧知の編集者さんと世間話的な打ち合わせ。何だか、明らかに疲れているように見える。結局、僕たちは、自分が面白いと思えるものを信じて作っていくしかないのだけれど。

夜、同じく小川町で、風の旅行社主催のイベントに顔を出す。チベットの聖山カイラスをテーマにしたスライドトークイベント。カイラスやグゲはずっと憧れの場所だったから、写真を見ていると心が沸き立つ。でも、ラサからペッカペカに舗装した道路が敷設されていたり、漢民族やインド人観光客がわらわらと押し寄せる一方、チベット人の巡礼者は規制されつつあるという話を聞くと、僕はもうすでに機を逸してしまったのかな、という気もする。

帰り道、新宿で途中下車して、シルクロード・タリムウイグルレストランに行く。今年の春に新宿にウイグル料理の店ができたと友達から聞いて、気になっていたのだ。ひさびさに食べた、ラグメンの味。学生の頃、初めての海外一人旅で訪れたトルファンでの日々を懐かしく思い出す。お店の人にそのことを話すと、「あの頃に比べると、トルファンはすっかり変わってしまいましたよ‥‥」と寂しそうに笑っていた。

日比谷公園で世界一周

今日と明日は、日比谷公園でグローバルフェスタという国際協力をテーマにしたイベントが開催される。いつもお世話になっているジュレーラダックも物販ブースと飲食ブースに出展するので、僕も朝から出かけて、ラダックの洪水被害についての説明をしつつ、物販ブースの店番を手伝うことにした。

不安定に見えた空模様もどうにか持ちこたえて、会場には大勢の来場者が訪れていた。とはいえ、先週のナマステインディアに比べると、物販ブースの広さは半分程度だし、売れ筋商品の大半は先週の段階で売れてしまったので、僕らは割とのんびりとした営業。交代でおひるやおやつを食べに行っては、世界各国の味に舌鼓を打っていた。

中米やパレスチナ、アフリカなど、どちらかというとマイナーな国々の民芸品や食べ物を、公園をぶらぶら一周しながら楽しめてしまうというのは、このイベントならではだ。加えて、各国が抱えている課題とそれを解決するための努力について知ることができるのも、貴重な機会だと思う。人間はまだ捨てたもんじゃないな、と、ちょっぴり前向きになれた。そして、旅心がちょっぴり刺激された(笑)。