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ふたりのルーツ・ショー

昨日の夜は、恵比寿で開催された、アン・サリー&畠山美由紀「ふたりのルーツ・ショー」を観に行った。

同い年で誕生日も一日違いという仲良しの二人によるこのライブも、今年で三回目。僕は初参加だったのだが、二人とも大人の余裕というか、茶目っ気たっぷりのゆったりした雰囲気のライブで、本当に楽しかった。渋いチョイスの曲はもちろん、松田聖子やシュガーの懐かしの曲、さらにはアンさんの「矢切の渡し」に美由紀さんの「好きになった人」という演歌セクションもあり、会場も大盛り上がりだった。あれだけ振れ幅の大きい曲たちを、超シンプルな編成でさらりと演奏してしまう笹子重治さんたちにも脱帽。

個人的にうれしかったのは、今まで一度も生で聴いたことがなかったアンさんの「時間旅行」を聴けたことだった。この曲、何かの拍子にふと思い出してiPhoneで聴くことが多くて、この間のタイ取材の時にも、バスでの移動中に外の景色を眺めながらよく聴いていた。果てなき旅へ、という最後のフレーズの余韻が、今も耳に残る。

ライブなんだけど、何だか「宴」と呼びたくなるような、本当にいい夜だった。来年もまた行けるといいな。

冬の嵐

朝から荒れ模様の天気。昼から都心に打ち合わせに行かなければならないのに、困ったな‥‥と思ってたら、幸い出かける頃には雨も止んでくれた。東西線が竜巻を警戒して徐行運転だったので、遅刻するかもとちょっと焦ったけど。

今日の打ち合わせは、みっちり二時間、新しい企画の進め方についての話し合い。本づくりの実作業そのものは大変でも楽しくもある時間だけど、それを実現するための助走期間は、とにかくただただ大変で、自分の力ではどうにもできない部分も多くて、精神的にもしんどい。まあでも、それも自分が選んだ道だから。

帰りは東京駅まで歩いて、中央線で。中野を過ぎたあたりで、どんよりとした雲が突然裂けて、眩い光がこぼれ出てきた。冬の嵐は、いつかは過ぎ去る。

人に会うこと

昨日の夜は、綱島のポイントウェザーで、旅音の林さんたちとの旅人飲み会。僕は、あまりにも大人数な飲み会は人見知りがしてしまって正直得意ではないのだが、昨日は少人数でしっぽりと、異国のビールを飲みながらののんびりとした宴。いつもの交遊範囲では話せないような旅のあれこれを話すことができて、とても楽しかった。

そして今日は、昼に三鷹で庄司康治さんとお会いした。デイリーズでおひるをご一緒して、これまた他の人にはまったく通じないような濃い話(たとえば、チャダルの行程上にある洞窟の名前について、とか)をさせていただく。庄司さんはアラスカでの経験も豊富にお持ちなので、この機会にとあれこれ質問させていただいた。お会いするたびに思うのだが、庄司さんの経験値は本当にすごいなあと思う。僕など足元にも及ばない。

ここ数日、気分的にはあまり調子がよくなかったというか、正直かなりしんどい部分もあったのだが、昨日今日とこうした方々にお会いしていろいろ話せたおかげで、だいぶ楽になった気がする。人に会うことは、時にとても力強い後押しを与えてくれる。がんばらねば。

今川焼

昼、電車で都心へ。青山一丁目のCAFE 246でおひるを食べ、ぶらぶら歩いて神宮外苑へ。

神宮外苑の銀杏並木はだいぶ散ってしまっていたけれど、まだ黄葉が残っている木も結構あって、澄み切った空の下、早々と傾いた日射しに黄金色に輝いていた。今までたくさんの人が見にきたのだろう、足元の落ち葉はすっかり踏みしだかれて、黄色い粉末になってしまっていた。

B級グルメの屋台もたくさん出ていたので、何か買い食いしようかとも思ったのだが、どれも結構高い上にボリュームもでかくて、おひるを食べた直後の腹にはちょっときつい。その後、外苑前方面に歩いていると、但馬屋という豆の専門店があって、その店頭で今川焼を売っていたので、それを一つ。豆専門店らしく、中のあんはピーナッツペースト。これがまた存外にうまかった。

そういえば、今川焼を食べたのって、ずいぶんひさしぶりだな。たまにはいいもんだ。

長い付き合い

昼の間、家でタイ関連のゲラチェック。夕方までに一区切りつけて、新宿へ。ラダックの研究をしている文化人類学者の友人、宮坂さんと会う。ひさしぶりに入った陶玄房で、寒ブリの炙り刺や、あん肝ポン酢和え、牛もつと豆腐の味噌煮込などをつつきつつ、よもやま話というか、ほぼ誰にもわからないラダックのマニアックな話で盛り上がる。

宮坂さんとは、かれこれ七年もの付き合いになる。仕事や住んでいる場所の関係で、会うのはほんのたまにだけど、ラダックという大事なものを互いに共有しているという点でも、代え難い友人だ(と僕は勝手に思っている)。考えてみたら、宮坂さんが紹介してくれなかったら、僕はレーのノルブリンカ・ゲストハウスと出会うこともなかったし、僕がラダックで過ごした日々もまったく違ったものになっていただろう。本当に感謝してもしきれないとあらためて思う。

宮坂さんは来年の春から、愛知県にある大学で教鞭を取ることになった。住む場所はさらに離れてしまうけど、そのうち、日本かラダックでまた会えるといいな。