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今頃になって

昨日は夕方から、綱島のポイントウェザーで、今日から始まるラダック写真展の設営。すぐに終わるだろうとたかをくくっていたのだが、予想よりずっと大変で、お店の近所から手伝いに来てくれた友人たちがいてくれなかったら、たぶん全然終わらなかったと思う。本当に助かった。おかげで今日から、無事にスタート。

で、今日は午前中のうちに市役所に(制度的には非常に不本意ながら)マイナンバーカードを受け取りに出向いた。で、家に帰ってきて、仕事を……と思ったのだが、急にものすごく身体がだるくなってしまった。ベッドに横になって、夕方まで3、4時間寝る。

今頃になって、ここしばらくの疲れが出てきたのかな。来月からはまた、タイ取材が始まるんだけど。

現世にて

午後、原宿で取材。竹沢うるまさんへのインタビュー。今回も面白いお話を聞くことができた。写真家としての意思の強さとしなやかさ。素晴らしいなあと思う。

終わった後、代々木八幡までてくてく歩いて、かくたみほさんの写真展。フィンランドの沈まない真夜中の太陽。光が本当に綺麗。その一方で、逆に極夜ってどんななんだろう、と興味を持っている自分もいる。

夕方まで時間をつぶし、関さんと合流して、モンベル渋谷店さんの担当者さんにイベントの件でご挨拶。今回もいいイベントにしなければ、と思う。

帰国早々、ばたばたした一日だった。渋谷の喧騒の中に巻き込まれて、現世に戻ってきたのかな……いや、まだ何かを置き去りにしたままだな。まだ、そんな風に感じている。

出発前の嵐

台風9号の首都圏上陸で、朝から天気は大荒れ。幸い、特に出かけなければならない用事もなかったので、旅の荷造りの仕上げをして、あとは部屋で雨と風の音を聞きながら、おとなしく過ごす。

元々は今日から出発する日程を考えていたのだが、お盆明けの平日に1日東京にいることで、仕事関係の連絡がつきやすいようにした方がいいと思い直して、明日の出発に変えたのだった。今となっては、本当に運が良かったと思う。もし出発予定が今日だったら、飛行機の遅延や欠航で、現地の細かい事前手配が危うくパーになるところだった。

まあ、明日からの2週間、何もかも予定通りにうまく運ぶとはまったく思ってないけれど、まずは五体満足無事に戻ってくることを目標に、新鮮な気持でアラスカを楽しんでこようと思う。

帰国は9月5日の予定。ではまた。

服の断捨離

今日は激しい雨やら雷やら、何だか不穏な空模様。夕方になってちょっと安定してきたようだったので、吉祥寺まで歩いて行って、いくつか買い物。来週からの旅に必要なものと、無印良品でポリの衣類収納ケース。

家に戻って、買ってきた衣類収納ケースを追加セットし、一念発起、クローゼットの整理を始める。僕は服に関しては未練がましくて、下着や靴下はノビノビになってすりきれて最終的に穴が開いても捨てるかどうか躊躇してしまう。逆に言えば単に横着かつ無頓着なのだろうが、そんなわけで年々、クローゼットの中がひどくカオスな状態になってしまっていたのだ。

大きめのビニール袋を用意して、ばっさばっさといらない服を放り込む。穴の開いたトランクス、ゴムの伸びきった靴下、首まわりが元の倍くらいだるだるになったスウェット、しみのできたTシャツ……なんでこんなのキープしてたんだろ、と我ながら呆れる。

旅から旅へという日々を続けていると、とかく、ベースとなる生活がおろそかになってしまう。自炊とかがままならないのは仕方ないけど、ちょっとずつでも、生活を整えるのを忘れないようにしなければ、と思う。

……しかしまあ、今回の断捨離に関しては、今までが横着すぎただけなんだよな(苦笑)。

「Tamasha」

tamasha今年の夏のラダック滞在、成田からデリーまで往復したエア・インディアの機内では、例によってインド映画三昧だった。機内でラインナップされていた中で一番観たかったのは、「Tamasha」。監督はイムティアーズ・アリー、主演は「若さは向こう見ず」に続いての共演となるランビールとディーピカ。東京で密かにロケが行われた作品という点でも気になっていた。

コルシカ島を旅していてパスポートとお金をなくして困っていたターラーは、芝居がかった嘘ばかり話す、ドンと名乗る男と出会う。二人は「コルシカにいる間は、お互いのことは嘘しか言わない。コルシカで起こった出来事はコルシカに置いていこう」と誓い合い、ターラーのパスポートとお金が届くまでの短い時間を二人で過ごす。別れの日が来た時、ターラーは本当の名前も知らない彼に惹かれていることに気づく。

数年後、二人はデリーで再会する。ドンことヴェードは、コルシカを旅していた時の彼とは別人のように実直なエンジニアとなっていた。やがて二人はつきあい始めるが、コルシカでの彼の記憶が忘れられないターラーは……。そして、本当の自分自身とは何なのか、子供の頃から引きずる苦悩と向き合うヴェードは……。

シンプルに若さはじけるボーイ・ミーツ・ガールのラブストーリーなのかと思いきや、それだけではなく、自分自身の弱さと向き合いながら道を探すヴェードの成長物語でもあり、冒頭から織り込まれている謎めいた劇中劇もきっちり伏線となって最後に収斂されているあたり、予想よりも凝った作りで、観ていて楽しかった。ただ、前半のコルシカ島での二人の物語がとても鮮やかで魅力的だった分、二人のすれ違いとヴェードの葛藤を描く後半はややパワーダウンした印象になったのは否めない。ターラーには後半ももっと物語に絡んでほしかった。

ラスト直前には東京で撮影された場面。重要なシーンに東京を選んでもらえたのは、ちょっとうれしい。そんな縁もあるのだから、この映画、日本で、日本語字幕付きで公開されるといいなあ……と希望的観測を書いてみたり。面白い作品だったので、ぜひに。