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東京の雪

朝、何かうるさいなあと思って起きたら、マンションの窓のすぐ外で、また道路工事をやっている。ダダダダダ、と部屋の中のものが震えるくらいの振動で、ラジオの音もまともに聴こえない。こりゃダメだ、と思って、駅前までいくつか用事を片付けに出かける。帰りにスーパーで食材を仕入れ、晩飯に豚汁をたっぷり仕込む。寸胴にいっぱい作ったから、たぶん、あと二食は豚汁でいけるだろう(笑)。

晩飯の後、机に向かって仕事をしていると、暖房をつけているのに、部屋の中が底冷えしてきた。Twitterでみんなが「雪だ!」とつぶやいている。窓を開けると、直径五センチくらいの大きなぼた雪が、ぼたぼた、ぼたぼたと降っていた。地面が、生け垣が、向かいの屋根が、みるみる白くなっていく。

積もりそうだな、これは‥‥。どうなるんだろ、明日。

卒業論文

今の時期、大学四年生の人はそろそろ卒論を提出する頃なのだろうか。自分が卒論を提出した時のことを、今でも時々思い出す。

大学時代、僕は本当に不真面目な学生で、授業もろくすっぽ出ず、評価も「可」に相当する「C」や「D」ばかり。スレスレで単位を取っているような状態だった。西洋史専攻だったので、卒論も何か歴史に関すること(当たり前だ)を書かなければならなかったのだが、思案した挙句、選んだテーマは「グラフ・ジャーナリズムの歴史的展開」。20世紀初頭、新聞や雑誌に写真が使われはじめた頃からの流れを、フォトジャーナリストたちの人生とともにまとめるという目論見だった。歴史といえば歴史だが‥‥(苦笑)。

とりあえず、書かなければ絶対卒業できないということで、資料をあれこれ突き合わせながら、どうにかこうにか3万字ほど書き上げ、年末の〆切までに提出。で、その少し後に、卒論の担当教授との面接審査が行われることになり、僕はなぜか、いの一番に呼び出された。問題児は最初に呼ばれるということか‥‥と、僕はすっかり観念して、研究室のドアをノックした。

ところが、担当教授は思いのほか上機嫌だった。

「山本君、これ、面白かったよ! 特にこの章のこの部分の表現が、洒落てていいね! それからここも‥‥」

え? これ、卒論の審査じゃ‥‥?

「でもね、面白かったんだけど、これにいい評価はあげられないなあ。これは論文というより‥‥読み物だよね!」

僕は椅子からずり落ちそうになった。そっか、論文じゃないのか‥‥(苦笑)。

「まあでも、読み物としては面白かったから、この論文は返却せずに研究室にキープさせてもらうよ。いいかね?」

そんなわけで、僕の「読み物」は無事に単位をもらって、研究室に保管されることになったのだった。今でも、あそこにあるのかな?

二十歳の頃

終日、部屋で仕事。‥‥そうか、今日は成人の日か。

自分が二十歳の頃は‥‥もう本当に何もできない、何の役にも立たないデクノボーで、どれくらいダメかというと、自分のダメさ加減を自分でわかってないくらいにダメなやつだった(苦笑)。それに比べれば、僕が今知ってる二十歳くらいの人たちは、性格もものの考え方もすごくしっかりしてるなあと思う。ちゃんとしてる、本当に。

一方、二十歳から長い年月を経た今の自分はというと‥‥あいかわらず、ミンナニデクノボートヨバレ、ホメラレモセズ、クニモサレズ、という感じ。とりあえず、人様に迷惑だけはかけないようにしなきゃ。仕事、がんばろ。

小さなプレゼント

昨日まで降っていた雨も止んで、今日はすっきりと澄み切った青空。それにつられて、十日ぶりくらいに電車に乗って都心へ。神宮外苑の銀杏並木でも見物に行こうかと思った次第。晴れていても風は冷たく、ピーコートを着ていてちょうどいいくらい。もうすっかり冬だな。

銀杏並木の黄葉は、冷たい雨に散ってしまったのか、すでに盛りを過ぎた感じで、ちょっぴり残念。でも、ひさびさに寄ったCAFE246でうまいタコライスを食べ、隣のBOOK246で旅の本たちをゆっくり見られたのは楽しかった。旅の本ではないけど、岡山にいる姪っ子と甥っ子へのクリスマスプレゼントに、もうひとつの研究所のパラパラブックスを買う。単語帳くらいのかわいいサイズで、びっくりするくらい緻密で愉快なパラパラマンガが楽しめる。僕自身、店頭のサンプルで、しばらく素で遊んでしまった(笑)。

ぶっちゃけ、たとえば甥っ子の場合、仮面ライダーや戦隊モノのグッズなら100パーセント喜ぶとは思うのだが、それはもう岡山でさんざん与えられているから‥‥。まあ、こんな天の邪鬼な叔父がいてもいいんじゃないかな(笑)。

ハロウィン

夕方、近所のココイチでカレーでも食べてこようと思って、出かける。からっと晴れてはいるけれど、スウェット一枚ではちょっと肌寒い。

ささみカツカレーをがっつり食べて、満足して家に戻る途中、井の頭通りの交差点で信号待ちをしていると、道の反対側に妙な人たちがいるのを見つけた。海賊だったり、魔女だったり、なんかよくわからない扮装をした男女が何人かいる。あー、あれか。ハロウィンか。東京の街の中で、お店の呼び込みの人以外にガチでハロウィンの仮装をしてる人、初めて見た。ある意味新鮮。

日本でハロウィンだからと浮かれてる人のうち、何割がハロウィンの意味を知っているのかわからないけど、ま、いいか。明日は僕もリトスタで、かぼちゃプリンを食べてこようかな。