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三井昌志「写真を撮るって、誰かに小さく恋することだと思う。」

torukoi昨日の昼、銀座のキヤノンギャラリーで開催されていた三井昌志さんの写真展にお邪魔した時、会場で先行販売されていた三井さんの新刊「写真を撮るって、誰かに小さく恋することだと思う。」を買った。たぶん書店の店頭には、八月中旬頃から並びはじめるのだと思う。

三井さんには「撮り・旅!」にもミャンマーの旅の写真と文章を提供していただいているし、それ以前からサイトも拝見していたので、この本に収録されている写真の中には、僕にとって結構なじみ深いものも少なくなかった。でも、小ぶりでかわいらしいこの本を開いてみると、いい意味で、全然違うのだ。ページをめくるたびに、写真とそれに添えられた短い言葉から、ふわっとたちのぼる気配。めくればめくるほどそれは濃くなっていって、懐かしいような、せつないような、そんな気持で胸がいっぱいになる。写真集という形だからこそ伝えられるメッセージが、この本には込められている。

「写真を撮る時は、とても素直に撮っています。奇をてらわずに、被写体となる人の一番いい表情をそのまま撮っているんです」と、「撮り・旅!」のインタビューで三井さんは話していた。たぶん、旅をする時に一番大切なのは、写真を撮っても撮らなくても、その国の土地や文化や人々に無垢な気持で向き合い、好きになっていくことなのだ。そうした無垢な気持を忘れずに旅をしているからこそ、人々は三井さんに心を許して、素晴らしい表情を見せてくれる。まるで、小さな贈り物をさしだすように。

この冬にはまた、三井さんの新しい旅が始まる。今度はどこで、どんな「恋」に落ちるのだろうか。

幸せな時間

昨日の夜は、代官山蔦屋書店で「撮り・旅! 地球を撮り歩く旅人たち」刊行記念のトークイベントだった。前日の朝までは定員の半分くらいの予約状況だったのに、そこから急に申し込みが殺到して、結局、本番ではぎっしり満席。大勢の人の前に出るのはひさしぶりだったので緊張したが、一緒に出演してくださった写真家の三井昌志さんと中田浩資さんのおかげで、会場もかなり盛り上がっていたように思う。自分自身のトークに関しては、いつものごとく、頭の中がまっしろになっていたので、あまりよく憶えてないのだが(苦笑)。

イベントの最中は周囲を見回す余裕も全然なかったけれど、終了後、お客さんたちが買ったばかりの本を両手で胸に抱えて、頬を紅潮させて目を輝かせながら会場を後にするのを見ていると、何というか、ぐっとくるものがあった。何もないまったくのゼロの状態から企画を立ち上げ、苦労して、苦労して、苦労して‥‥何度も心をへし折られそうになって。それでも、みんなから預かった写真を、言葉を、思いを守り抜くと決めて、意固地なまでに信念を通して。そうして生まれてきた本が、自分の目の前で、読者の手に渡っていく。一人の編集者として、書き手として、撮り手として、こんな幸せな時間を味わえることが、一生のうちに何度あるだろうか。こんな時間を味わえる人が、この世界にほかに何人いるだろうか。

僕は本当に、たまたま巡り合わせがよかったのだ。その巡り合わせを、大事にしていかなければ、と思う。

「“旅”が始まったばかりの国、バングラデシュ」

ダイヤモンド・ビッグ社の「地球の歩き方」編集部のサイトで、今年二月に行ったバングラデシュの取材レポートを遅まきながら連載していくことになりました。これから十月頃(「地球の歩き方バングラデシュ」の改訂版が発売される時期)までかけて、全部で四回に分けて掲載されていくそうです。これに合わせて写真を選び直し、文章も新たに書き起こしました。サイトのデザインがやや古いため見づらく感じられるかもしれませんが、写真は一応Retina対応にしてもらっているので、ある程度はディテールも見られると思います。

タイトルは「“旅”が始まったばかりの国、バングラデシュ」。まだ観光というものが未発達な、でも、だからこそ感じることのできるバングラデシュの魅力と奥深さを、門外漢ながら伝えていければと思っています。

海の日の江ノ島

モーターボート乗り場
昨日は海の日だったからというわけではないのだが、長い時間を費やした大仕事も終わったし、いつのまにか夏だし、海でも見に行くか、と思って、ひさしぶりに江ノ島へ。泳いだりしたわけではなく、ただ、ぶらぶらと。

「撮り・旅! 地球を撮り歩く旅人たち」

「撮り・旅!」撮り・旅! 地球を撮り歩く旅人たち
編者:山本高樹
定価:本体1600円+税
発行:ダイヤモンド・ビッグ社
B5判128ページ(オールカラー)
ISBN978-4478046159

「旅」と「写真」という切っても切れない関係にあるものをテーマにした新しい本が、まもなく発売になります。写真を撮らなくても旅はできるかもしれないけれど、旅の中で風景や人々や出来事に出会い、心がふわっと揺れた時にシャッターを切ってゆくと、その人の旅はもっと豊かで深いものになります。今やすっかり手垢のついた「絶景」という言葉などではとうてい括ることのできない、旅人たちが目にしてきた世界のありのままの姿、彼らの「旅」そのものが、凝縮された一冊です。