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旅というより

夜、来週火曜からのアラスカへの旅の荷造りに、ようやく着手。

今回の目的地は、南東アラスカ。二年前のようにキャンプをするわけではないのでテント関連は不要なのだが、無人島にある丸太小屋に数日間泊まるので、厳寒期用寝袋とマットレス、炊事道具、フリーズドライの食料、海から上陸する際の長靴など、それなりにいろいろ持って行かなければならない。グレゴリーの95リットルのダッフルバッグが、みるみるうちに満杯になっていく。

おまけに撮影機材も、カメラボディ2台にレンズ4本(うち1本は80−400mmという横綱級)という一番大がかりなセットだし、パソコンとハードディスクもあるしで、ダッフルバッグと同時に全部背負ったら鎖骨が砕けそうなレベルである。何というか、旅の準備というより、引っ越しか夜逃げでもするみたいな気分になってきた。

毎度のことながら、アラスカ、いろいろしんどい。

「カメラ目線」についての考察

たとえば、旅先で現地の人々のポートレートなどを撮影させてもらう時、「カメラ目線」で撮るべきかどうかというのは、意見の分かれるところだと思う。僕の知り合いのプロのフォトグラファーの方々にも、「カメラ目線」が苦手という人もいれば、逆に「カメラ目線」を作風の一つとして前面に出している人もいる。

結局のところ、「カメラ目線」で撮るかどうかは撮り手それぞれの好みの問題であって、「カメラ目線」だから写真作品として良いか悪いかが決まるという次元の話ではないのだと思う。「カメラ目線」であるからこそ意味を持つ場面もあれば、逆に目線がカメラに向けられていないからこそ意味を持つ場面もある。

僕の撮ったポートレート写真で世間に知られている作品には、「カメラ目線」の写真が比較的多い。ただ、それは意図的にそう撮ろうとして撮ったのではなく、自分のアプローチとして結果的かつ必然的にそうなったのだ。相手の人と近い距離で向き合い、言葉とか身振り手振りとかいろんなことで互いの気持をやりとりし、その結果として撮らせてもらった(撮らせてもらえない、あるいは僕はあえて撮らないこともある)写真なのだと思う。

その人がレンズとカメラを透かして撮り手自身を見つめていることに、意味があるのかどうか。撮り手がレンズとカメラを透かしてその人を見つめていることに、意味があるのかどうか。「カメラ目線」の場合、それを持ち合わせているのが、たぶん良い写真なのだと思う。

写真展「Summertime in Ladakh」


9月9日(金)から30日(金)まで、綱島にある旅カフェ、ポイントウェザーにて、ラダックの小さな写真展を開催させていただくことになりました。今年の夏にラダック各地で撮影してきたばかりの、未公開作品のみを展示します。ぜひお越しください。

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山本高樹 写真展「Summertime in Ladakh」

異国から来た仏師の末裔が暮らす村。9年ぶりに再会した花の民の女性。遊牧民の暮らす標高4500メートルの世界。ヒマラヤのさいはての地ラダックを見つめ続けてきた写真家、山本高樹が、2016年夏に撮影した未発表作品を展示する最新写真展。

会期:2016年9月9日(金)〜9月30日(金)
会場:POINT WEATHER
神奈川県横浜市港北区綱島西1-14-18 http://www.pointweather.net/
火曜〜日曜11:00〜21:00 月曜休
※写真展会場では「ラダックの風息 空の果てで暮らした日々[新装版]」に未収録エピソード小冊子とポストカード2種をセットにした「ラダックの風息[新装版]限定特典セット」の販売も行います。

期せずして

昨日は昼から、都心を中心に写真展行脚。広尾で開催されていた吉田亮人さんの写真展と、青山で開催されていた角田明子さんの写真展。どちらも会期が終了する前に間に合ってよかった。その展示空間に行くことでしか感じられないものはあると思うから。

夕方、ひさしぶりにポイントウェザーに行くと、結構な大入満員でちょっと焦ったが、無事にカレーセットとビールにありつく。実はこの日、「近場の人で誰か来れます?」みたいなことをFacebookにちらっと書いていたのだが、思いの外たくさん人が来てくれて、営業終了後はお店のスタッフの方も加わっての大宴会みたいな感じになってしまった。

期せずして、びっくりするような展開になってしまったけど、何だか楽しかったな。ちなみにポイントウェザーでは、9月に小さな写真展をやります。お楽しみに。

回る回るよ

昨日と今日は、ラダックで撮ってきた写真の整理と、RAWからの現像作業。

ただでさえデリーより暑いほどの東京なのに、D800のバカでかいRAWファイルを扱わなければならないので、作業を始めてしばらくすると、MacBook Proも外付ハードディスクも熱くなって、放熱ファンがキュイーンと回りはじめてしまう。うるさいし、熱気で暑いし、作業中に落ちないか気が気じゃないしで、困ったものだ。

今日中に終わると思っていた作業はまったく終わらず、明日以降も継続。回る回るよ、放熱ファンは回る。