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Aside

今年の秋に発売されたボーズの新型イヤフォンMIE2i mobile headsetには、羽根が付いたような形をしたStayHearチップというシリコンイヤーチップが採用されている。このイヤーチップは取付部分のサイズや形状は変更されていないらしく、旧モデルにもそのまま装着できるという情報を知った。

さっそく別売のStayHearチップを入手して試してみると、なかなかいい感触。旧モデルのイヤーチップは頭を動かすと耳の中でポジションがずれてしまうことがあったけど、新しいイヤーチップは頭を左右に振ったりしてもぴしっと安定していて、常に最適なポジションで音が聴こえる。ネット通販で簡単に買えるし、旧モデルを手軽にチューンナップできる方法として、かなりおすすめ。

USTREAM生中継

先週末に納品した原稿のゲラが届いたので、最終チェック。どうにか明日の入稿に間に合いそう。一時はどうなるかと思ったが、よかった。編集者さんもほっとしていることだろう。

夜、巷で話題になっていた、宇多田ヒカルの横浜アリーナライブ「WILD LIFE」のUSTREAM生中継を観る。画質も音質も、思っていた以上にクリアでびっくり。すごい時代になったものだなあと感心していたら‥‥落ちた。どうやら、メインとサブのチャンネルで合わせて十万人もの人がアクセスしていたらしい。そりゃ想定外だわな。

後半にさしかかってからはだんだん繋がるようになってきて、ライブを堪能させてもらうことができた。僕は彼女の楽曲についてあまり詳しくないけど、「Automatic」「First Love」「Flavor of Life」「Beautiful World」といったあたりの流れは聴いていてもグッときた。さすが。

回線の安定性という課題は残ったが、今回のUSTREAMによるライブ生中継はとてもいい試みだったのではないかと思う。これをきっかけに、他のアーティストも太っ腹なライブ生中継をしてくれるようになればいいのに。

インディアン・サマー

雲一つない、気持のいい秋空。窓を開け放って、部屋に風を通す。オーディオのボリュームを少し絞って、羊毛とおはなの新譜「LIVE IN LIVING ’10」を聴く。窓の外で鳴いている秋虫の声や、生け垣の向こうを自転車が走り抜けていく音が、スピーカーから流れる音楽に不思議にシンクロしていく。

午後、身支度をして、吉祥寺までぶらぶらと歩いていく。日射しが降り注いで、長袖だと暑いくらいだ。こういう天気をインディアン・サマー(小春日和)というのだろう。

吉祥寺に近づくにつれ、人が増える、増える、増える‥‥。すごい人出だ。これではもう、渋谷や新宿と大差ない。伊勢丹の跡地にはジュンク堂やユナイテッドアローズが入るらしいし、これからますます人口密度が増すのだろう。それにしても、みんなどんだけさとうのメンチカツが好きなのか(苦笑)。

セール中の無印良品でこまごましたものを買い、リトルスパイスでキーマカレーを食べる。昨日のエントリーで書いたように三鷹にはたくさんの名店があるが、カレー専門店に関しては、吉祥寺にはかなわない。このリトルスパイスのほかにも、まめ蔵momo curryといった新旧の名店がひしめいているので、吉祥寺で何かごはんを食べようとすると、僕の場合、たいていカレーになる(笑)。別に、インディアン・サマーにひっかけたわけではないのだが。

奥華子「うたかた」

僕が日本を留守にしている間に、奥華子の新しいアルバム「うたかた」が発売されていた。インディーズ時代の作品を除くと、彼女の五枚目のフルアルバムということになる。

帰国した翌日に新宿のタワレコで買ってきて、最初に聴いた時の正直な印象は、「あれっ? こんなもん?」という感じ。今年の春にスマッシュヒットを記録した「初恋」も収録されているものの、キャッチーでインパクトのある曲はあまり多くなく、どちらかというと控えめで、後ろ向きな印象の曲が中心になっている。アレンジもそれに合わせて抑制を効かせている感じで、それがちょっと拍子抜けするような第一印象に繋がったのだろう。

でも、二度目を聴き、三度目を聴き、iPhoneに曲を入れて電車での移動中に聴き‥‥と、くりかえし聴いているうちに、次第にこの「うたかた」の魅力がじんわりと伝わってくるようになった。何度くりかえしても聴き飽きることのないメロディ。それまで何気なく聴き流していたのに、ふいに心にするっと入り込んでくる歌詞。たとえは悪いかもしれないが、噛めば噛むほど旨味が出てくる、スルメのようなアルバム。特に、終盤に収録されている「元気でいてね」は、自身のライブに足を運んでくれるお客さんのことを思って作った曲だと思うのだが、作り手の素直な気持がこもっていて、いい曲だなと思う。