Tag: Music

総選挙

終日、部屋で仕事。地道に、少しずつ、コツコツと。

—–

昨日、TwitterのTLがやけに「選挙、選挙」と騒がしかったので、何の選挙だったかなと思ったら、AKBの選抜総選挙だった(笑)。投票券入りのCDを買った人が、自分が推す女の子に投票できるらしい。あざとい商売といえばそれまでだけど、そういう芸能界の魑魅魍魎な部分を差し引いても、当の女の子たちはそれぞれのプライドと人生を賭け金にしているわけだし、あれはあれで別にいいんじゃないかと思う。140万枚(だっけ?)もCDが売れたんだから、それなりに経済波及効果もあっただろうし。

でも、Twitterで「前田敦子13万9892票、菅直人16万3446票、総理大臣まであと2万3554票!」というのを見た時は、ちょっと笑ってしまった。もうすぐ政権交代だな、これは(笑)。

ジャンゴ・ラインハルト

この間、WordPress 3.1がリリースされたので、このブログのシステムをアップデート。テーマファイルも古いテンプレートと突き合わせつつ、ちまちまと修正する。

WordPressの各バージョンには、ジャズ・ミュージシャンにちなんだニックネームがつけられている。バージョン3.1の名前は「Reinhardt(ラインハルト)」。僕も大好きなギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトにちなんだ名前だ。

彼が生み出したマヌーシュ・スウィングと呼ばれる奏法には、時にうきうきと、時に物悲しい、ぎゅっと心をつかまれるような魅力がある。そういえば、以前、このマヌーシュ・スウィングを題材にした「僕のスウィング」という映画も観たことがあったっけ。甘酸っぱくて、どうにもならないほどせつない終わり方をする映画だった。

そんなわけで今、ひさびさにジャンゴのCDを引っ張り出して聴きながら、WordPress 3.1をいじっている。

浮き沈み

昼、電車に乗って、ゲートシティ大崎で開催された奥華子のフリーライブに行く。彼女のライブを観るのはひさしぶりだったが、やっぱり生歌はいい。「届く」ものが全然違う気がする。特に、去年からずっと続いている全国ツアーで歌い込まれている「初恋」という曲の演奏は素晴らしかった。ラストの曲で、観客たちに歌と手拍子を預けたまま、会場中をターッと走り回っていたのにも笑ったけど。

いい気分のまま三鷹まで戻ってきたものの、夕方からは歯医者。今日は治療ではなく、歯石除去とクリーニング。ちゅいーん、と甲高い音を立てる機械で歯を擦られ続け、別に痛くはないものの、すっかり意気消沈(苦笑)。来週、もう一回これをやらなければならない‥‥。

夜は気分を取り直してリトスタへ。通常のディナータイムに来たのはひさびさ。はま子さん入魂のいわしの梅しそ巻き揚げなどなど、ビールと一緒においしくいただく。下がっていたテンションが、だいぶ持ち直した。今日は浮き沈みの多い日だ(笑)。

アン・サリー「fo:rest」

去年の暮れ、アン・サリーが三年ぶりに新譜「fo:rest」をリリースしたことを知った。今のところ、コンサート会場とレーベルのWebサイトだけでの限定販売だという。さっそく注文して取り寄せてみた。

歌い手であると同時に、医師であり、二児の母でもあるアン・サリー。彼女の歌声には、その時々の彼女の人生が色濃く反映されている。クリスタルのように透き通る歌声が鮮烈だった初期の作品群。ニューオリンズでの三年間の体験から作られた「Brand-New Orieans」。母性愛が惜しみなく注ぎ込まれた「こころうた」。今回の「fo:rest」でのアン・サリーの歌声は、以前よりもさらにしっとりと深みを増した印象を受ける。さまざまな「命」と向き合う彼女の日々の生活が、そうした深化に繋がっているのかもしれない。

自身の作詞・作曲によるオリジナル曲をはじめ、ジョニ・ミッチェルやキャロル・キング、リンダ・ルイス、果ては松田聖子(!)の曲までカバー。ボサノヴァの定番が二曲収録されているのも個人的にはうれしい。わかりやすい華々しさは微塵もないけれど、何度でも、いつまでも聴き続けられるような、愛すべき小品に仕上がっていると思う。

このアルバムを聴いていると、冬の安曇野の森の中を一人で歩いていた時のことを思い出した。誰もいない、残雪が白く残る木立の間を、吹き抜けていった風。「fo:rest」というタイトルが意味するものは、「森」であると同時に「安らぎ」でもあるのだろう。

フェアーグラウンド・アトラクション「Kawasaki Live in Japan」

冬になると、フェアーグラウンド・アトラクションが無性に聴きたくなる。

彼らが活動していたのは、もう二十年以上も前だ。最初のシングルとアルバムがともに全英チャートで一位を獲得し、とてつもないバンドが出てきたと思ったら、二年後には解散してしまった。エリオット・アーウィットが撮影した有名な写真をジャケットにあしらった「The First of a Million Kisses」は、僕も学生の頃によく聴いていた。当時、学生寮で一緒だった先輩や友達や後輩たちが、入れ替わり立ち替わりやってきては、「これ、ダビングしたいから借りていい?」と言ってたっけ。

2003年になって突如発売されたこの「Kawasaki Live in Japan」は、1989年にクラブチッタ川崎で行われたライブを収録したものだ。このアルバムは本当に奇跡のような出来で、エディ・リーダーの歌声も、ギターやギタロン、ドラムの演奏も、何もかもが神がかっている。こんな凄いバンドがたった二年で解散してしまったなんて、本当に惜しいと今でも思わずにいられない。

寒い日の午後、彼らの「Allelujah」を聴くと、自分もふと、遠い昔のあの頃に引き戻されるような気がする。