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三鷹の雹

昼を過ぎてしばらくした頃、部屋の窓から外を見ると、空が真っ暗。遠雷が次第に近づいてきて、雨粒が窓ガラスや外の生け垣を激しく叩きはじめた。

それでもまあ、夏によく降る夕立のようなものかなと思っていたし、実際1、2時間ほどで小止みになったのだが、ネットで流れてきたニュースを見て、驚いた。うちからほんの少し南、三鷹から調布にかけての一帯で、大粒の雹が降りまくって、あたり一面が銀世界になるほど積もってしまったのだという。その気になればすぐ歩いていけるくらいの距離なのに、何という落差だ。

心配なのは、あのあたり一帯の農地で栽培されている野菜や果物。かなりのダメージを受けているのは想像に難くない。よりによって、なぜそこに‥‥。自然は時に、残酷な仕打ちをする。

見習いガール

今日は朝から忙しかった。電話にメールに、返事をしたらそのまた返事が来て、何もかもが入り乱れて、わやくちゃ。自炊をする余裕もなかったので、夕方、サンダルをつっかけて、近所のココイチへ。

店の中には、高校生か、大学生になりたてくらいの、明らかにバイト始めたての初々しい見習いガールがいた。その見習いガール、初々しいというか、初々しすぎて、ほんとに立ち尽くしてるだけで、何もできない。客にお茶を運ぼうとして、お盆にお茶を載せ忘れるというミラクルとか(笑)。周囲の先輩店員さんたちも、はらはらしながら、手取り足取り指導中。それにしても、営業時間中の実戦投入には早すぎたんじゃあるまいか。

そんなココイチ内の人間模様を眺めつつ、インドチキンカレーを食べるのも、まあ、悪くない。

再校出稿

昼、デザイナーさんから、今作っている本の再校のPDFが届く。きれいに仕上げていただけて、本当に感謝。そこからさらに詰めていく作業に、これから没頭するわけだが。

その後は、関係各所へのメールや電話での連絡や、本に使う用紙についての最終打ち合わせなどに追われる。夕方はちょっと外に出て、まほろばさんでコーヒー豆を補充し、晩飯の食材の買い足し。今日はラタトゥイユと、キュウリと刻みショウガとゴマ油で浅漬けのようなものを作ってみた。夏野菜を食べると、身体の血の巡りがよくなって、じめじめした気分を吹き飛ばしてくれる気がする。

さて、ここからだ。

十周年

今夜、外でごはんを食べるとしたら、リトスタしか考えられなかった。今日、六月一日は、リトスタが開店して十周年の日。

この季節に似合うヒマワリの花を買って、夕方お店に行くと、店内のカウンターの上は、すでに色とりどりのお祝いの花々でいっぱい。十周年記念に作られた刺繍入りの白いシャツや、それを着たお店のスタッフさんたちの写真パネルと相まって、ずいぶん華やいだ雰囲気になっていた。でも、予約札の置かれたテーブルが次々と常連さんで埋まっていくと、やっぱりいつもの、リトスタらしいリトスタ‥‥誰もが何も気にせずおいしいごはんを食べて、お酒を飲み、朗らかに笑い合える場所になっていった。

同じ街の同じ場所で、お店を十年続ける。簡単なことではないと思う。三鷹南口の商店街だけでも、この十年でどれだけたくさんの店が生まれては消えていったか。そんな中でリトスタのスタッフのみなさんは、おいしいものを作って、心を込めて出す、という日々を、丁寧に十年間積み重ねていった。そういう日々の積み重ねでしか、得られないもの、届けられないものが、この世界にはある。今夜のリトスタの店内には、確かにそれがあったように思えた。

おめでとう。ありがとう。そして、これからもよろしくお願いします。

夏のはじまり

まるで真夏のような暑さ。まあ、今日で五月も終わりだから、それなりの時期だとはいうものの‥‥。2014年がすでに150日以上経ってしまったというのも、それはそれで衝撃だけど。

Tシャツに短パン姿で、扇風機に当たりながら、ゲラチェックに取り組む。だいぶ先の見通しがついてきた。あとは、とんでもないポカミスをやらかさないように、慎重に進めていかなければ。

夕方、サンダルをつっかけて、まほろばさんへコーヒー豆の補充に行く。隣のこいけ菓子店さんも通常営業中。売れ行き好調らしく、ショーケースはほとんど空になりかけていた。夜のおやつ用に、スパイスクッキーを何枚か。やっぱこの並びだと、両方買わずにいられない。危険(笑)。

帰り道、暮れていく空を見上げる。夏のはじまり。僕自身にとっても、いろんなことが待ち構えている夏でもある。がんばろ。