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通過点

今日も一日、家にいられた。メールでの連絡業務や明日の取材の準備などを、ぼちぼちと。夜はひさびさに本腰を入れて自炊。納豆入り豚キムチをどっさり作って、炊きたてごはんと一緒にもりもり食べた。

正気の沙汰とは思えないほど忙しかった先月に比べると、さすがに最近は仕事のペースが落ちついてきた。本を一冊作り終えて、やっとこれからのことに考えを巡らせる余裕が出てきたように思う。自分がやりたいこと。やるべきこと。やってほしいと言われていること。いろいろと。

すべて終わったからこそ言えるけど、今回のラダックガイドブックは、僕にとってはゴールではなく、いくつかある通過点の一つだ。今、このタイミングでこの本を作ったことには、狙いも理由もあるし、それは間違っていないと思う。この本を作ったからこそ、その次に活かせるものもあるし。

次の通過点は‥‥タイミングはまだ見定めきれていないけど、それがどこにあるのかは、ほぼわかっている。その通過点まで、いつ、どうやって辿り着くか。焦らず、じっくり、考えたいと思う。

嵐の記憶

昼頃までは日も射して暑いくらいだったが、急に空が暗くなったと思ったら、風、雨、雷。激しい嵐になった。

こういう嵐に出くわすと、いつも、あの夜のことを思い出す。2010年の夏、トレッキングで分け入っていたラダックの標高五千メートルの山の中で、真夜中に激しい嵐に見舞われた時。テントが吹き飛ばされそうになるほどの風と、叩きつける雹混じりの雨と、空を覆う凄まじい稲妻。あの嵐の数時間の間に感じた恐怖は、たぶん一生忘れられないだろう。同じ時、ラダック各地で起こった土石流災害の死者・行方不明者は、600人以上に達した。

あの時の僕は、神様の気まぐれで、たまたま生き残っただけなのだ。いつ、どんな形になるかわからないけど、いつかは必ず、自分の番が来る。だからこそ、その順番が来るまで、自分にできること、やるべきことを、精一杯やっていかなければならない。嵐の記憶は、僕にそんなことを思い起こさせる。

30秒前の攻防

僕は麺類が好きで、家ではパスタやラーメンをよく作る。工夫らしい工夫は何もしてないけど、茹で時間には妙なこだわりがある。

たとえば、茹で時間11分のパスタなら、キッチンタイマーを11分にセットして寸胴で茹ではじめ、10分30秒になったら火を止め、湯を捨てる。ラーメンも同じで、茹で時間が3分なら、キッチンタイマーを3分にセットして茹ではじめ、2分30秒になったら火を止める。というのも、指定通りの時間で茹でたら、火を止めてコンロから鍋を移動させたりしてるうちに麺に余熱が通り過ぎてしまうんじゃないか、という疑問がずっとあって、ならば火を止めてからの余熱の時間も見越して早めに火を止めよう、と考えた次第。

だったら、最初から10分30秒とか2分30秒とかにタイマーをセットすればいいのに、と思う人もいるだろうが、僕としては、それでは意味がない。セットした時間の30秒前に作業を始め、麺を湯切りして器によそい終わるかどうかというタイミングで、チャララ〜♪とタイマーが鳴り響く。これが大変気持いいのだ(笑)。

‥‥何だろう。自分で書いてて、すげーバカっぽい(笑)。

夢と対価と覚悟

最近、ぼんやりと思うこと。

人が夢や目標を目指す時、自分一人の力だけでは実現できないことがほとんどだ。たいてい、誰かの力を借りることになる。それはけっして悪いことではない。ただ、最初からあまりにも他人の力やお金をあてにしすぎると、それは夢でなく、ただのおねだりでしかない、と思う。

たとえば、出版社から自分が書いた本を出したい、と思い立ったとする。その夢を実現するには、出版社をはじめ、たくさんの人の力を借りなければならない。力を借りるには、それに見合う対価を支払う必要がある。その本の内容にどんな価値があるのか、出版するに値するものなのか、どのくらいの売上が見込めるのか。そういったことを一つずつ明らかにして、対価が支払えるのだと説得しなければならない。そして、自分自身の覚悟も示す——己の時間と労力のすべてを注ぎ込み、文字通り骨身を削って取り組み、果たせなかった時にはすべての責任を背負う、という覚悟を。

夢を実現するには、対価と覚悟が必要なのだ。

小休止

昨日からの予定通り、今日は何もしない日。

昼頃までどっぷり寝て、おひるにラーメンを作って食べる。ひさしぶりに部屋中に掃除機をかけ、届いたメールにいくつか返事を書き、だらだらネットを見ていると、もう夕方。スーパーに買い出しに出かけ、ビールと食糧を調達。夜はこれまたひさしぶりにまともに自炊して、大根と豚肉のみぞれ煮を作った。さっき風呂に入って、これからビール。

‥‥数え上げてみると、それなりにいろんな行動してるけど(当たり前か)、まあ、とりあえず、のんびりできた。明日は午前中から遠くに出かけて取材。がんばろ。