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ぽんこつ物書き

本を書いている時の物書きは、脳内が常時、文字で埋まってしまってるので、往々にして、日常生活でぽんこつな振る舞いをしでかす。

たとえば、僕自身がついさっきやらかしたのだが、風呂に入りに行って、洗い場でシャワーを使って身体を洗った後、風呂そのものに浸かるのをすっかり忘れたまま、タオルで身体を拭いて出てきてしまったり。居間に戻ってからハッと気付いて、風呂に浸かり直しに行ったけども。

執筆の方はまだまだ始まったばかりなので、これからもいろいろぽんこつなことをしでかしてしまいそうで、ちょっと怖い。まあ、ぽんこつなのは、今に始まったことじゃないけれど。

留守番初日

相方は今日から二泊三日で、関西の実家方面に帰省。僕は新しい本の原稿に集中するため、東京に一人で残らせてもらうことになった。

考えてみると、僕が東京で一人で留守番をしてるという状況は、かなりレアだ。僕がどこかよその国に出かけて、相方が留守番をしてくれているという場合はよくあるのだが(というか1年のうち3、4カ月はそうなのだが)、逆のケースはほぼ初めてかもしれない。

原稿は原稿で粛々と取り組むとして、一人で過ごす二日半、何をして謳歌しよう……としばし考える。相方は「ちょっといい肉でも買ってきて、ステーキでも焼けばいいじゃない」と提案してくれて、僕も半分その気になってたのだが、中途半端に高い肉を買って焼いて「まあこんなものかな」と一人合点するより、確実にうまくてがっつり満足できる方がいいと思い直し、豚バラ肉を200グラム買って、たっぷり生姜焼きを作って、もりもり食べた。

ステーキ肉に投資するはずだった予算は、ちょっとお高いブルーチーズを買うのに回した。この後、風呂上がりにジントニックを飲む時のつまみにする。そんなこんなで、ささやかに留守番初日を謳歌していたりする。

山あり谷ありの中で

どうも、2019年という年は僕にとって、異様に浮き沈みの激しい、山あり谷ありな年になってしまっている。

年の初めに割と(かなり?)厳しめの取材をして、どうにか無事切り抜けたと思ったら印パ武力衝突でその後の取材を邪魔されて。去年から準備していた企画を春先から着々と発表していって、ここからアゲアゲだと思ってたら、そこから二度三度とひっくり返され、最終的に全部徒労に終わって。何か致命的なミスをやらかしただろうか、と自分で自分を省みてみたが、どう考えても何から何まで外的要因に振り回されての結果のようなので(苦笑)、自分ではお手上げというか、やれやれとため息をつくしかない。

それでも、以前相方に言われた「見てる人は、ちゃんと見てる。わかる人には、必ずわかる」という言葉がまったくもってその通りだったことは、身をもってしみじみ実感している。どうにもならない理由でしんどい思いをしていた時、僕なんぞに、どれだけたくさんの方々が優しい言葉をかけてくれたことか。本当に心の底から、ありがたいなあと思う。

そうした方々の思いにほんの少しでも報いるためにも、僕はこれから己の全力を賭して、新しい本に取り組む。必ず良い本にしてみせる。それが僕の役割だ、と思う。

大人になれない

気がつけば、今日で今年の7月も終わり。明日からは8月だ。ここ数年、この時期には日本にいないことがほとんどなので、今東京でじりじり暑さに耐えているのも、珍しいといえば珍しい。

今年、インドから東京に戻ってきた日は、父の命日でもあった。8年前のことになる。あの時は本当に、いろんな意味でしんどかった。それでもまあ、自分は、どうにかこうにか、今もこうして生きている。

あの頃に比べると、僕はますますおっさん化が進行して、見てくれも所作も、今や紛うことなき普通のおっさんと化している。髪の毛がまだ普通にあるのと、腹が出ていないのだけが救いか。その一方で、精神年齢の方はというと、これがいまだに、なかなか大人になり切れない。ほんのちょっとしたことですぐにいきりたつし、青臭い台詞を吐き散らしては、周囲を面食らわせたりしている。

まあ、これはもう……持って生まれた性格だな。しゃーない。物分かりのいい大人には、一生なれそうにない。

血まみれキムチ

西荻窪に引っ越してきて、かれこれ1年。食材の買い出しは主に僕の役目なので、ほぼ毎日、駅前のスーパーに買い出しに行く。

今日も買い出しメモを片手にスーパーに行って、小ネギやニンニク、油揚げ、オリーブオイルなどを買い、セルフレジで支払いをしていたのだが、エコバッグに品物を詰める段になって、自分の右手のひらがぬらぬらとした液体で真っ赤になっているのに気付いた。どうやら、キムチの入っていたプラボトルから、キムチ液が漏れていたらしい。

「すみませーん、このキムチ、交換してもらえますか?」と、セルフレジの入口にいた店員のおじさんに声をかけると、店員さんはびっくり仰天、飛び上がるほど慌てふためいて、「お、お、お客様、とりあえず、お、お手をこちらに……だ、大丈夫ですか?!」

店員さん、僕が割れた瓶か何かで右手を負傷して、大出血してるのだと思い込んでしまったらしい。確かに……ビジュアル的には紛らわしかった。最初から「このキムチ、液が漏れてるみたいなんですけど」と言えばよかった。すみません(苦笑)。