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ばったばた

終日、部屋で仕事。先日のノルウェー取材の原稿の執筆。

プロットを決め、写真を選んでフォトショで調整し、原稿を書き、推敲し、写真とのマッチングを確認し‥‥。金曜からはしばらくインドに行くので、それまでにできるだけ進めておかなきゃならない。インドの仕事の方も、スケジュールや予算のチェック、空港までの足や携行品保険の手配、現地の状況の確認、荷造りの準備など、やることは山ほどある。もちろん、それ以外の仕事だって気がかりだし‥‥。

なんつーかもう、ばったばたすぎて、いろいろやばい。ほっとひと息つけるのは、いつの日か。

「フェラーリの運ぶ夢」

ferrari
昨日は、千葉にあるイオンシネマ市川妙典まで遠征して、インド映画「フェラーリの運ぶ夢」を観た。日本でもヒットした「きっと、うまくいく」のスタッフががっつり関わっているこの作品、面白くないはずがないのだけれど、どういう大人の事情か、都内での上映館がないのである。公開初日だった昨日、館内はのんびりとした雰囲気だったが(苦笑)、観終わった後は「なんで? こんなにいい映画なのに!」と思わずにいられなかった。

交通局に勤めるルーシーは、バカがつくほど正直な男で、信号無視をしたのをわざわざ警官を見つけて自己申告するほど。早くに妻を亡くした彼は、気難しい父のベーラムと、一人息子のカヨと三人で、つつましく暮らしていた。クリケットで素晴らしい才能を持つカヨは、ロンドンで行われる強化合宿のセレクションを受けることになるが、その遠征には15万ルピーもの大金が必要だった。頭を抱えるルーシーのもとに、突拍子もない話が持ちかけられる。インドのクリケット界のスーパースター、サチン・テンドゥルカルのフェラーリを借りてきてくれたら、15万ルピーを払うというのだ‥‥。

この映画、話の展開だけを見ればかなりぶっ飛んでいるのだが、脚本がとにかくよくできていて、すんなりと楽しく観続けることができる。どうなるんだろう?と思っていた各登場人物の行動が最後にしゅるるっと収斂していって、細かい伏線まで見事に回収されていくのが気持ちいい。「きっと、うまくいく」でも好演したシャルマン・ジョシとボーマン・イラニも役にハマっていたし、カヨ役のリトウィク・サホレは、ショッピングモールで家族で食事していたところをスカウトされた、まったく普通の男の子だったそうなのだが、そうとはとても信じられない、みずみずしい演技をしていた。

笑って泣いて驚いての起伏を何度もくりかえして、観終わった後に感じる何とも言えない多幸感は、「きっと、うまくいく」の系譜に連なる作品ならではのもの。それにつけても思うのは、「なんで? こんなにいい映画なのに!」。良い映画は、みんなで映画館に足を運んで、スクリーンで観ることで応援してあげるしかないのかなと思う。

いろいろギリギリ

明日からノルウェーに出発するのだが、いろんなことが出発直前まで整わないというのは、まあ、世の中ではよくあること。

まずは月末からのインド取材に備えて、何が何でも今日中にインドに詳しい手配内容を一式まとめたメールを送信しなければならなかったのだが、依頼元からの指示を受けてすべてを整えてメールを送信し終えたのは、夜の8時半。で、明日からのノルウェー取材関連でも、飛行機内でのオーロラなどの撮影許可証が送られてきたのが夜7時で、最終的な日程表が送られてきたのが夜の8時。それを受けて自分の取材計画表を修正し終えたのがついさっき。一昨日のうちに、さくっと荷造りを終わらせておいて、ほんとによかった。

まあでも、いろいろギリギリになっても、最後にはきっちり帳尻を合わせてくれるのは、みなさんすごいなあと思う。

そんなわけで、明日からしばらく、留守にします。帰国は18日(水)の予定です。

良い知らせ

雪がちらつく、冷え冷えとした一日。出かける用事がなくて助かった。ずっと家に引き籠って過ごす。

今日は一つ、良い知らせが来た。今月末から、ある取材企画に裏方として協力するためにインドに行く可能性があったのだが、その取材許可がインド大使館から下りたのだという。現地での手配に必要な時間を考えるとギリギリのタイミングだったのだが、どうやら予定通りに行けることになりそうで、ほっとした。

‥‥まあ、行くなら行くで、あの国のことだから、いろいろ大変なことも待ち受けてるだろうし、インド行きによって他の仕事のスケジュールが一気に厳しくなるから、しんどいのは間違いなさそうだけど。ともあれ、これ以上無駄にインドに振り回される恐れはもうなくなったので、それだけは気が楽になったかな。

とりあえず、来週末からもいろいろあるので、うっかり体調を崩したりしないように、気をつけねば。

「ミルカ」

milkha
僕は映画を観ても、めったに泣いたりしない。でも、この「ミルカ」では、途中で三回、眼鏡を外して、滲んだ涙を拭わなければならなかった。どんな内容の映画なのか、あらすじは結構わかっていたつもりだったのに。

ミルカ・シンは、陸上の400メートル走の世界記録樹立をはじめ、数々の国際大会で栄光を勝ち取ってきた天才スプリンター。インドでは国民的英雄で、1960年のローマ・オリンピックでも金メダル獲得を期待されていた。ところがミルカは、400メートル決勝のゴール直前で背後をふりかえってしまい、メダルを逃してしまう。彼はなぜふりかえったのか。世界記録やオリンピックの金メダルよりも、彼にとってつらく困難な戦いとは何だったのか。