先日の南アフリカ取材、東京から香港に向かう飛行機の機内では、例によってインド映画を観た。だって、これから先日本で公開されるかどうかも定かでない(むしろ確率は低い)インド映画が、英語や日本語の字幕付きで観られるのだもの。使える機会は最大限利用しなければ‥‥。今回観たのは「Khoobsurat」。昨年、ディズニーが制作したインド映画だ。
インドのプロクリケットチームでトレーナーを務める理学療法士のミリーは、車椅子生活を送っているラージャスターンの貴族シェーカルの脚を治療するため、彼とその家族が暮らす邸宅に住み込みで働くことになった。しかし、シェーカルは自身のリハビリにまったく興味を示さず、妻のニルマラーは息の詰まるような厳格さで邸宅内を管理。息子のヴィクラムはビジネスのことしか頭になく、娘のディヴィヤは密かな夢を胸の奥に隠したまま。そんな中に飛び込んだ破天荒であけっぴろげなミリーの行動が、少しずつ彼らの心を動かしていく‥‥。
ディズニーの名を冠するにふさわしい、ロマンチックですんなりわかりやすいストーリー。主演のソーナム・カプールにとって、ミリーは彼女の美貌と身体のしなやかさを最大限に活かせるハマり役だと思うし、ヴィクラム役のファワード・アフザル・カーンの風格漂う物腰も見事にハマっている。物語の展開はお約束通りと言えばそれまでだけど、こういう映画は、そのまま素直に観て楽しめばいいと思うのだ。僕自身も、観ていて単純に面白かった。
この作品、日本で一般公開しても、ちゃんと受け入れてもらえるのではと思うのだが。ディズニーだし。ぜひご一考を。