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神戸元町中華街

この間の週末は、用事があって、一泊二日で神戸に行ってきた。

神戸では、元町というところで宿を取った。元町はほんのりと潮の匂いのする町で、広々とした商店街を、人々がのんびりと行き来していた。「神戸ビーフ」を謳う看板があちこちにあり、それと同じくらいの数のスパイダーマンの等身大人形が、なぜかあちこちに貼り付いている。元町にはこぢんまりとした中華街もあって、大勢の若者たちがわいわい騒ぎながら、小さな椀で売られている400円くらいの麺を道端ですすっていた。

宿はその中華街のすぐ近くにあった。シンプルで小綺麗な宿で、Wi-Fiはもちろん、フリーのドリンクバーもある。海外からの宿泊客も多いから、このくらいの設備はあって当然なのだろう。夕方に少し散歩した後、お茶でも飲もうと思ってそのドリンクバーに行くと、むっちゃ見覚えのあるパッケージの烏龍茶のティーバッグが置いてあった。海外の中華圏を旅すると、いろんなところで遭遇する、どこにでもあるありふれた烏龍茶。ありふれてるのに、これがまた、うまいのだ。

ティーバッグをお湯に浸して、ひと口すすったとたん、どこかの国の見知らぬ宿にいるような気分になった。

カフェマメヒコ宇田川町店

午後、渋谷へ。モンベルまで旅先に着て行く少し厚手のロンTを探しに行ったのだが、一番の目的は、マメヒコの宇田川町店に行くこと。7月2日で、閉店してしまうのだという。以前、週末に行こうとしたら長蛇の列ができてて入れなかったので、そのリベンジに。

さすがに平日の午後は空いていて、ゆったり座れた。中央の大きなテーブルの一番端の席に座り、アイスコーヒーとフルーツサンドのハーフサイズ。どちらも王道のうまさ。本を1時間ほど読む。

宇田川町にこの店ができたのは11年前だというから、僕が時々立ち寄りはじめたのは、その数年後からだと思う。その後できた公園通り店と併せて、渋谷がアウェイな僕にとっては本当に数少ない、ほっと落ち着ける店だった。半地下の薄暗い店内、大きなテーブルとランプの明かり、丁寧で感じのいい店員さんたち。

そこに行けばいつも必ずあるはずだ、と思い込んでいた場所が、なくなる。近場に移転するという噂も聞いたけれど、あの場所は、なくなってしまうのだなあ。

あともう一、二回行って、今度はカツサンドを食べておかねば。

酔うために飲むのではなく

世間では最近、「安くてすぐ酔える酒」が人気らしい。アルコール度数がかなり高めのチューハイなどがそれだ。そういえば海外、たとえばブータンにも、アルコール度数がやたら高いビールがあって、地元のガイドさんに聞いたら「安くてすぐ酔えるから人気がある」と言われた。

僕自身はそういう「安くてすぐ酔える酒」を自分で買って飲んだことがないから、味とかの評価はできないのだが、たぶんこれからも「安くてすぐ酔えるから」という理由で酒を選ぶことはないだろうな、とは思う。

僕は基本的に、酔うために酒を飲んだりはしない。そもそも、結構な量を飲んでも酔っ払ったり性格が変わったりしないというのもあるが、僕は酒が「おいしい」と思うから飲む。完全に酔っ払ったら、酒の味がわからなくなってもったいないし。

なので、せっかく飲むなら、何よりもまず「おいしい」と思える酒を選びたい。その選択肢の中にハードリカーが入っていれば、無茶でない範囲で飲む。それでいいんじゃないかと思う。最初から「酔うために飲む」というのは、やっぱりもったいない。酒は、味を楽しまなきゃ。

「どぶ汁」堪能

昨日の夜は、新刊「ラダック ザンスカール スピティ[増補改訂版]」の制作チームでの打ち上げ。八丁堀の出版社の近くにある海鮮居酒屋にて。

供されたのは、北茨城の漁港から直送されるという魚介の数々。かれいその他の刺身盛り合わせ、平目のえんがわの煮付け、あんこうの刺身、あん肝の天ぷら。そして〆はあんこう鍋。現地では「どぶ汁」と呼ばれる漁師料理だそうで、具は大根とネギ以外、あんこうの各部位とあん肝だけ。水はいっさい入れないそうだ。ものすごく濃厚に見えて、すすってみると意外とさっぱりとした旨み。残りの汁で仕立ててもらった雑炊がまた絶品だった。

生まれてこのかた、これだけ一度にあんこうを食べたのは初めてだったのだが、何だかくせになりそうだ。いつかまた、一冊いい本を作り終えることができたなら、また「どぶ汁」を食べに行こうと思う。

シュラスコの夜

今日は新宿に、シュラスコを食べに行った。

シュラスコというのは南米を中心によく食べられている肉料理で、長い鉄串に刺して焼いたいろんな種類の肉の塊を、ギャルソンがその場でナイフで削ぎ切ってサーブしてくれるというもの。今回行った店は2時間制で、時間内は肉とサラダバーが食べ放題。本の完成を自ら祝うべく、ぱーっとやるか、と乗り込んだ次第。

南アフリカでゲームミートをシュラスコスタイルで食べたのを除くと、シュラスコを食べるのは人生で2回目。前回はシュラスコのシステムを把握しきれないうちにはらぱんになって玉砕してしまったので、今回はいろいろ作戦を考えて臨むことにした。

まず、サラダバーの野菜類は肉の合間の口直し用と割り切って、温野菜とマリネを中心に最小限に。ビールも炭酸で腹が膨れてしまうので飲みすぎないように。肉の運ばれてくるペースが早すぎると感じたら、いったん断る時間帯を作って、自分のペースで皿にある肉を食べ続けられるようにする。

がんばった。ものすごくがんばった。作戦もうまくいったと思う。ほぼ全種類の肉を味わうことができたし、1時間半くらいは食べ続けることができた。まあ、最終的には、やっぱりはらぱんになったけども。

家に帰って体重計に乗ったら、今朝計った時より、1.4キロ増えていた(苦笑)