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餃子の日

今日は、ひさしぶりに家にいられる平日。ゆっくり寝て起きて、コーヒーをいれて脳にカフェインをキメ、大事なメールを書いたり、先週からたまってる取材原稿のノルマに取り組んだりする。

原稿の構成に悩みつつ、夕方、近所の中華料理屋へ。何にしようかとカウンターの前に貼られたメニューをふと見ると、「今日は餃子の日! 餃子セットが割引価格!」というポップが上にくっついている。今日は餃子の日なのか、4月15日で餃子‥‥どういう語呂合わせなんだろう‥‥と首をひねっていると、横っちょの方に、「毎月15日は、餃子の日!」と書かれた別の大きなポップが。何だ、この店オリジナルの餃子の日だったのか。

「餃子の日!」を告知するその大きなポップには、いったい誰の発案なのか、扇子を持ったチャイナドレス姿の二次元美少女キャラが、いささか残念な画力で描かれていた。まあ、味は普通にうまいんだけどね、とフォローしておく。

いつものように

今朝はなかなかベッドから起き上がれなかった。ここ数週間、日中は取材、夜は執筆という日々がずっと続いて、疲労がたまっていたのだろう。身体が「ノー!」とダメ出ししてるような感じだった(苦笑)。

それでもどうにか昼過ぎには起きて、コーヒーを飲み、近所のコンビニで買ったエクレアで糖分を脳に補給し、原稿に取り組む。半歩ずつでも進まなければ、いつまでたっても終わらないし、終わらせないとまずいし。

でも、今のように疲れてたり、しんどい出来事があったりする時は、きりのいいところですぱっと切り替えた方がいいのも確か。なので、夜は仕事を切り上げて、リトスタに行った。今日の店内は満席で、ヘルプに来た顔なじみの元スタッフさんたちがちゃきちゃきと行き来していて、にぎやかでなごやかな雰囲気だった。たけのこの木の芽フライ、たけのこチャーハン、いちごババロア。いつものように、笑いながらごはんを食べられることの幸せ。

ごちそうさまでした。明日からまた、半歩ずつでも、がんばろう。

唐揚げの男

昨日は夕方から綱島のポイントウェザーで、「撮り・旅!」つながりのみなさんを中心にした、ゆるい飲み会。営業終了後の店内をお借りして、各自何か一品、食べ物か飲み物を持ち寄る形での宴だった。

先週は忙しすぎて、宴に何を持っていくか考える余裕もなかったので、行きしなに吉祥寺のアトレの食品売り場をうろうろしていると、こぢんまりとした唐揚げ屋さんを発見。「これが嫌いな人はまあそういないだろう」と思い、唐揚げを買うことに。宴には10人くらい集まりそうだったので、20個入りのセットを注文してみた。

すると、この唐揚げ、一個々々が思いのほかでかい。透明なプラスチックのふたの中に、みっちり唐揚げの詰まった大きなケースを渡される。それを手に持ってるビジュアルだけで、何か必要以上に浮かれた感じの人になってしまったのだが、さらに、まあ当たり前のことだけど、ものすごくうまそうな匂いがぷんぷんするのだ(苦笑)。

井の頭線と東横線、それなりにたくさん人が乗ってる中で、おなかのすく匂いを車内いっぱいに漂わせながら、大量の唐揚げが詰まったケースを膝の上に抱えていた、僕なのであった。

無粋な人

やたらに強い風が吹き荒れる日。取材のため、朝から電車に乗って、金町へ。

取材が終わった後、午後の別の場所での取材まで少し時間があったので、駅の近くでおひるを食べることにした。この界隈は餃子屋さんが多いらしく、その中でも一番老舗っぽい店へ。水餃子定食が460円。安いし、うまい。

僕がほふほふと水餃子を堪能していると、突然、店内に罵声が。

「入口のドアが開いてるから、埃がどんどん入ってきて、餃子も、ラーメンも、まずくなるんだよ!」

ふりかえると、カウンターで初老のおっさんが、腰の曲がった店のおばあさんをどやしつけている。同じことを、二度、三度、四度。おばあさんはさらに身を屈めて、入口の方に歩いていってドアを閉じた。なんというか‥‥ほんの2メートル、自分で入口まで歩いていって、黙ってドアを閉めればいいだけの話なのに。

おっさんがどうでもいいことをデカイ声でどなるから、みんなの餃子やラーメンがまずくなるんだよ。

折れない心で

三鷹北口界隈には、何軒かのラーメン屋がある。うちから一番近いのは、チェーン店を除くと、たぶんその中でも一番後発の店だ。

その店がオープンしたばかりの頃は、割と大勢のお客さんが来ていて、外で待たなければならない時もあるほどだった。でも、去年あたりからは、だんだんそういうことも少なくなって、夕方にふらっと行くと、他に誰も客がいないことも珍しくなくなった。まだ若くて愛想のいいご夫婦がやっている店なのだが、そんな風にがらんとした時に店に入ると、二人はしんどさを押し殺すようにして笑顔を見せるのだった。

味はけっして悪くないし、むしろなかなかうまい。店のしつらえからメニューまで、丁寧に気を配っていると思う。ベストを尽くしているはずなのに、うまくいかないもどかしさ。そういう思いは、場所や仕事は違えど、今の世の中でたくさんの人が抱えているものなのかもしれない。僕自身も含めて。

今日の夕方も、その店の暖簾をくぐった時は他に誰もいなかったのだが、その後、とととっと立て続けにお客さんが入ってきたので、少しほっとした。ちょっとなれなれしい感じの二人連れの女性客の一人が店のご主人に「おいしいラーメン屋さんがあるからって、この子を連れてきたんですよ!」と話しかけると、ご主人は「ありがとうございます。これからも続けていけるように、がんばります!」と頭を下げていた。

「ごちそうさま」と言って席を立つと、「いつもありがとうございます! またよろしくお願いします!」という二人の声が背中を追いかけてきた。

お互い、がんばりましょうね。ベストを尽くして。折れない心で。