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縁は異なもの

どうにか仕事に一区切りつけて、夜、リトスタで飲み会。夏にジュレーラダックのスタディツアーで一緒だった名古屋在住の方と、それとは別にレーで知り合って、一緒にマイナーなゴンパめぐりをした鹿児島出身の女の子がそれぞれ上京してくるということで、東京のラダック組と一緒に飲もうということになったのだ。

三鷹界隈の小さなレストランに、ラダックに行った経験のある人が四人も‥‥と思っていたら、「山本さん?」と声をかけてきた人が。なんと、三年前にダー・ハヌーでボノナーという祭りを一緒に見た年下の友人だった。会うのは去年のナマステ・インディア以来。わざわざラダックの写真展を見にきてくれたのだという。思いがけない再会に、宴も大いに盛り上がった。

この日はリトスタの元スタッフのワコちゃんも来店していたのだが、彼女もラダックに行ったことがあって、去年のラダック写真展に来てくれたのが縁でリトスタで働くようになったのだった。縁は異なもの味なもの。人と人とのつながりは、つくづく不思議だなあと思う。

昔の同僚たち

午後、町田駅で待ち合わせ。友人の一人が目の手術で入院していたので、何人かでお見舞いに行くことにしたのだ。といっても、その友人は予定より早めに退院した後だったので、町田のマーカーズカフェという店でお茶を飲みながら、互いの近況報告をするという感じになったのだが。

彼らは、十年ほど前に働いていた某出版社の元同僚たち。その出版社では、何をやらせたいんだかさっぱりわからない人事にさんざん振り回されたから、正直、あまりいい思い出は残っていない。でも当時、同じフロアで働いていた人たちとは、意外と言っては何だが、未だに緩いつながりが続いている。お互いいろいろあったから(笑)、妙な連帯感が生まれているのだろう。

当時の同僚たちの中には、いろんな事情で、出版の世界から足を洗ってしまった人も少なくない。僕がフリーランスの立場で本作りに携わり続けて、どうにかこうにか生活していけているのは、たぶん、相当にラッキーなのだと思う。

ちなみに、お見舞いで訪ねた友人からは、こんなものをもらった(笑)。

三人目の子供

昼、リトスタでランチを食べながら、相談事を受ける。相手は、以前創刊に関わった雑誌の編集部に在籍していた女性で、後輩といえば後輩にあたる。今では結婚して二児の母となったが、その一方で、フリーランスでの編集の仕事も続けている。

相談の内容は、彼女がこれから作りたいと思っている本の企画について。どの版元に、どのような形で持ち込めば、出版にまでこぎ着けることができるか? 正直、僕には偉そうにアドバイスできるほどの経験も実力もないのだが、自分が本を出した時の経緯などをかいつまんで説明した。

「‥‥どうせこの仕事をしているのなら、自分が本当に作りたいと思える本を作りたくて!」

彼女とはずいぶん長い付き合いになるが、今日ほど目をきらきらと輝かせて、楽しそうに自分の企画の話をしていたのを見たのは初めてかもしれない。自分が本当に作りたいと思える本を作る。僕たちの仕事は、それが始まりであり、すべてでもある。ともすれば、ルーティンワークをこなすことに汲々としてしまいがちなこの業界で、かつての仲間がそんなみずみずしい気持で本作りに取り組もうとしているのを見るのは、僕としてもうれしかった。

彼女の思いが結実した本ができあがった時、きっとそれは、彼女にとって三人目の子供といっていいほどの、かけがえのない存在になると思う。

遅れてきた新年会

昼、家でラーメンを作って食べていると、とんでもなく激しい雷雨が降ってきた。窓越しに空を見上げていると、カルナクでの忌まわしい記憶が甦る(苦笑)。あの時の雨は、もっと凄まじかったけれど。

午後、リトスタでミヤザキ店長と打ち合わせ。来月中旬から始まるラダック写真展の会期中に、ある方をゲストにお招きしてトークイベントができればと思っているのだが、飲食店をイベント会場として一定時間貸し切らなければならないので、経費面でいろいろ難しい部分もある。うまく実現できるといいのだが。

夕方、新宿に出て、東京リスマチックで写真展のパネルを発注。しかし、受付に出てきたのが明らかに不慣れな人で、トンチンカンなことばかり言ってきたり、紙の種類など大事なことを聞き忘れたりで、さんざん待たされてしまって、ほとほと閉口した。必要な知識とスキルをちゃんと身に付けてから客前に出てほしいものだ。

夜は吉祥寺のSOPRAで、中央線沿線在住の友人たちとの「新年会」。今年の初め頃に「新年会をやろう」という話になっていたのだが、もろもろの都合で延期をくりかえしているうちに、僕がラダックに行ってしまったので、こんな時期に開催することになったのだ(笑)。おいしい食事とワインをいただきながら、一癖も二癖もある友人たちと気のおけない会話をするのは愉しい。こんな風に笑い合える同年代の友人がいるというのは、うれしいことだなと思う。

人に会う

雨が降るたびに、めっきり涼しくなっていく。夏ももう終わりだ。

昼、渋谷でラダック生まれのチベット人の友人と会い、チョグラムサルにある彼の実家から預かってきた荷物を渡す。彼は来週、槍ヶ岳を登りに行くのだという。僕も誘ってもらったが、その頃はいろいろバタバタしていそうだったので断念。たまには日本の山も歩いてみたいのだが。

午後、渋谷から原宿まで歩いて、とある編集の仕事の打ち合わせ。この案件、まだラダックにいる頃にメールで打診があったのだが、作業が本格化するのはもう少し先になりそう。先方の事務所は人手が足りなくてかなり忙しそうだったので、来月あたりに別の地方取材の案件をお手伝いすることになった。

夜は、鎌倉在住の文化人類学者の友人と、新宿の陶玄房で飲み会。さんまの天ぷらがうまい。この友人にも、ラダックから預かってきた荷物があったので、それを渡す。ラダックの人々とある程度関わると、こうして運び屋にさせられることが常態化するのだった(笑)。

それにしても、今日はたくさんの人に会った。何だか新鮮(笑)。