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バナナの重鎮

午前中から、原宿にある知人の事務所へ。暑い。もうすっかり夏だ。言うまでもなくアウェイな竹下通りを、ホットパンツに生足の女の子たちが、ガシガシと闊歩している。

事務所で仕事をしていると、スタッフの女性の一人が、取材を申し込むための電話をかけはじめた。聞くところによると、とある仕事でバナナの歴史について調べているそうで、バナナの歴史に詳しい人にインタビューするのだという。

「はい、それで今、バナナの‥‥重鎮の方々に、お話を伺えればと‥‥」

重鎮かー(笑)。キーボードを叩きながら、思わず笑ってしまったが、もし、実際にバナナ界における重鎮というポジションの方々がいるのなら、何かすごいというか、楽しいというか。いいなあ、バナナの重鎮。

アンラッキーパンチ

昨日は、昼間のうちに仕事を進めておいて、夕方から綱島のPOINTWEATHERへ。旅音の林さんご一家にお誘いいただいた、旅人たちの飲み会に参加してきた。林さんの息子さんのチビオト君(もうすぐ一歳)も来ていて、ぷくぷくした笑顔でみんなに愛嬌を振りまいていた。

飲み会に集まったのは、みなさん一風変わった経歴の持ち主ばかりだったのだが、特にすごいなあと思ったのは、今も現役で活動中のキックボクサーの方。数年前に二年間ほどタイでムエタイの修業をしていたそうなのだが、現地でムエタイの試合に出た時、試合の賭博に絡んでいるらしいマフィアっぽい男が、試合前の彼の背中に銃を突きつけて、「わかってるな? 負けろよ!」と脅してきたのだという。何だそれは‥‥(怖)。

そんな風に脅された彼は、言われた通り負けようかどうしようかと考えながらリングに上がったところ、うっかりいいパンチが相手にヒット。で、「このまま倒しちゃっていいのかな‥‥」と躊躇しつつも、そのまま相手を倒してしまった。その後も、マフィアからは結局、何もされなかったそうなのだが。

世の中、いろんな人がいるものだ。ほんとに。

祈りと元気と

昼、電車に乗って護国寺へ。来日中のダライ・ラマ法王による東日本大震災の四十九日法要に参加する。

セキュリティチェックを終えて階段を上ると、本堂の前の広い境内は、三千人もの人々でぎっしりと埋まっていた。四基の大型スクリーンに、法王のご様子が映し出される。読経の声を聞きながら、家から持ってきた数珠を手にかけ、しばらくの間、じっと手を合わせて、震災で亡くなった方々や、被災地で不自由な暮らしを余儀なくされている方々のことを想った。

僕が祈ったからといって、苦しんでいる方々が救われるわけではないけれど、自分自身の心に祈りを刻むことで、何か変わるものがあるかもしれない。こういう機会に立ち会うことができて、よかったと思う。

夕方、新宿に移動して、新宿眼科画廊で今日から始まるたかしまてつをさんの個展のオープニングパーティーに行く。たかしまさんの作品は以前からいろんな場所で何度か拝見してきたけど、今回の展示は圧巻。白い壁一面にびっしり貼られているのは、キャンバスやダンボール、手帳のページ、レシート、文庫本のカバーなど、ありとあらゆるものに描かれた絵たち。奥の小部屋には、四枚のふすまにどーんと描かれた、文字通りのふすま絵もあるのだ。

パーティーの間も壁のあちこちをずっと眺めて回っていたのだが、見ていて感じたのは、たかしまさんは本当に、骨の髄まで絵を描くことが好きな人なのだなあ、ということ。見る人に元気を与えられる絵というのはすごいと思う。

祈りと元気とで、心が少し軽くなったような気がした。

開き直り

昼、国立へ。同じ停電グループの友人たちと、夏の家という和食屋さんのお座敷で会食。停電で仕事ができない時間に会おうと集まったのだ。結局、今日は停電にはならなかったのだが。

ひさびさに友人たちと話をしていて感じたのは、今回の一連の災害で、みんな少なからず不安と焦燥を抱えているのだな、ということ。ストレスで体調を崩して、一時帰省していた人もいた(それはそれで、全然ありだとは思うけど)。それに比べて、自分ときたら‥‥開き直りすぎてやしないか? と思わないでもない(苦笑)。

自己分析すると、僕自身は別に度胸があるわけではなく、間違いなくヘタレの部類に属する人間なのだが、ここ数年、インドの山奥で突拍子もない経験を重ねてきたせいで、いつのまにか、自分の中で危険信号が発動する基準がえらく高いところに設定されてしまったらしい。「去年の夏は洪水で死にかけたけど、今の東京は別に‥‥」という感じで、東京で自分が置かれている状況が危険だとは、あんまり思えないのだ。

逃げたくても逃げられない人が被災地には大勢いるのに、東京でおたおたしても始まらない。開き直っていこう。

ルンバ

夕方、吉祥寺へ。井の頭公園の近くに引っ越したばかりの友人宅に集まって新年会。といっても今回は(珍しく)アルコール抜きで、友人が用意してくれた中国茶を楽しみながらの飲茶パーティーと相成った。甘い香りの凍頂烏龍茶も、二十年ものの普洱茶もおいしかったし、同年代の男四人でのうだ話も愉しかった。

友人宅は引越前にかなりのリフォームを施したそうで、床暖房も入っていてすこぶる快適。だが、ある意味一番びっくりしたのは、ルンバ。最近話題の自動お掃除ロボットだ。

友人がスイッチを入れると、ういーん、と音を立てて、ルンバは床の上をまめまめしく行ったり来たりしはじめた。友人は、ルンバが段差にはまったり、電源コードに絡まったりしないような環境作りにいそしんでいるという。リフォームを計画する時に一番念頭に置いたのが「ルンバがパーフェクトに動けるようにする」ことだったとか(笑)。

うちは‥‥まあ、3200円の掃除機でいいかな(笑)。