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気分をアゲる

午後、淵野辺方面で取材。昨日の昼頃に急にメールで依頼されたのだが、依頼元からの指示が二転三転して、相当カオスな状況に陥っていた。だから、家で身支度をしている時もかなり憂鬱だった。

こういう日は、ほんのちょっとでもいいから、気分がアガるようなことをしよう。

少し前にネットで買った、新しい靴をおろす。blueoverのMARCOという、ちょっと変わった革靴。新しい靴を履くこと自体、割とひさしぶりだったから、僕的にはまずこれで気分爆アゲである。

次に、予定より1時間ほど早く家を出て、途中の八王子で途中下車。この街に来たらほぼ必ず立ち寄ってる煮干しラーメンのうまい店で、特製煮干しラーメン。これでさらに気分がアガった。

肝心の取材の方は、取材対象の方にいろいろ助けていただいたこともあって、どうにかつつがなく終了。いや〜、ほっとした。何だかんだで仕事が無事に終わるのが一番だ。さて、晩ごはんは、宝舞の餃子にするか。

帽子のある生活

ここ1、2年くらいだろうか。外出する時に、たいてい帽子をかぶって出かけるようになった。冬はニットキャップ、夏は丸いツバ付きのハット。最近は大ぶりのキャスケットもよくかぶっている。

理由は髪が薄くなったからとかではなく(仮にそうなったとしても気にしないし)、単純に「何か頭にのっかってると安心する」ようになったから。もともと冬の寒さをしのぐためにニットキャップを常用するようになって、夏はハットがあると涼しいのでこれも常用するようになり、今は、外では何かかぶってるのが当たり前みたいな感覚になっている。何もないと、少々、そわそわする(笑)。

メガネと同じようなものかな。メガネをかけはじめた小学生の頃は人と違うのが嫌であまりかけたがらなかったけど、高校から大学にかけては、むしろメガネがないと視力以外の面でも不安でたまらなくなった。素顔の前にメガネがあると何となく安心できるというか。だから僕は、生まれてこのかた一度もコンタクトレンズを使ったことがない。

今度手に入れるとしたら、どんな帽子かな。とりあえず、アラスカやラダックの寒風に耐えられるガチの防寒キャップは入手せねば。

似た者同士

ひさしぶりに、腕時計を買った。

僕は昔から、外出時に腕時計をほぼ必ずつけるたちで、以前はスウォッチやG-SHOCK、ここしばらくは高度計のついたプロトレックを愛用している。今回買ったのは、そういう安くて実用性重視のものではなく、もちろん宝飾品みたいに高価なブランド品でもない(そんなのつけてたら、それだけで気疲れする)。かといって、Apple Watchみたいに今風で多機能なものでもない。時刻と日付だけ表示する、機械式、自動巻きの腕時計だ。

ハミルトンというメーカーのラインナップにあるこの腕時計は、長い上に表記がまちまちで、正式名称がよくわからない名前を持っている。パッと見はとても地味で普通なのだが、よくよく見ると、ケースが左右非対称で、右側のふくらみに竜頭が二つ埋まっている。そのうちの一つは、内側にあるベゼルの目盛りを回転させるための竜頭という、誰がいつ何に使うのかもよくわからない機能。1970年代の英国空軍で使われていた時計が原型らしい。機構のシンプルなクオーツと違って、機械式の腕時計は、高級ブランドでなくてもそれなりの値段がする。この時計も、定価だとちょっと躊躇するような値段だったのだが、ネットで検索すると6割くらいの値段で手に入ることがわかったので、思い切って買うことにした。

今になって機械式の腕時計を初めて買ったのには、いくつか理由がある。フォーマルとまでいかなくても、ある程度きちんとした服装でも、リラックスした服装でも、どちらでもつけられるような時計が一つあると便利だということ。しばらく前からデジタル表示の時計ばかり使っていたので、長針と短針と秒針が回る時計を懐かしく、かつ新鮮に感じていたこと。あとは……自分を取り巻く時間の早い流れに左右されないようなものが、何か一つ、ほしかったのかもしれない。

その腕時計は、昨日の夜、宅配便で届いた。黒の革ベルトを腕に巻いて留めてみると、あつらえたように、ぴたりとはまった。小刻みに震えながら回る秒針。耳を近づけると、ほんのかすかに、チチチチチ、と歯車たちが回る音が聞こえる。

僕は、すっかりこの時計が気に入ってしまった。愛着というより、親近感という感情に近い。何だか似た者同士だな、と思ってしまったのだ。

ぱっと見フツーで、でも実はヘンなところもあって、ブランド品みたいな価値はなく、かといって高性能でも多機能でもなく、ぜんまいを巻かないとすぐ止まってしまうヘナチョコさ。ただ愚直に、不器用に、時刻と日付を示し続けるだけの存在。まるで自分みたいだなあ、と。

似た者同士、これからも、末長く、よろしく。

ジーンズにまつわる回想

あれは高校生の頃だっただろうか。初めて自分で選んで、裾上げしてもらって手に入れたジーンズは、リーバイスの502XXのレプリカだった。フロントがジッパーフライで、陸上をやっててウエストの割に太腿が太かった僕でも、楽に穿けるのが気に入っていた。

大学に入って東京に引っ越してからは、アメ横でリーバイスの501やUS505のレプリカを買った。それからしばらくして、リーバイスからリーに鞍替えした。101Zや101Bのレプリカは、買ってからさんざん穿いて、もう破れまくってどうにもならないくらいまで穿き続けた。全部で3本か4本は買ったと思う。周りがみんなリーバイスだったから自分はリーにしたかったという、アマノジャクな理由もある。あと、リーはレングスがリーバイスより少し短くて、裾上げしなくてもジャストで穿けるのも気に入っていた。

30代に入ってからは、日本のメーカーのジーンズも穿くようになった。フルカウントの1101はだいぶ色落ちしたけど、今も穿いている。少し前に買ったオアスロウの105も穿きやすい(ちょっとレングスの設定が短いので、裾上げで調整できる仕様だともっとよかった)。手持ちの中で一番気に入ってるのは、フェローズの421SW。フロントボタンが全部違うとか、ポケットがネルシャツの生地だとか、いろいろ変態仕様なのだが、シルエットがすとんと綺麗で身体になじむ。日本のメーカー(ファストファッション系以外)のジーンズは、生地に各社のこだわりがあるのと、シルエットが日本人になじみやすいこと、ディテールに手を抜いてないところが魅力だなと思う。

……こんな風に思い返してみたら、今まで穿いてきたジーンズの本数って、思っていたより意外と少ないことに気付いた。人生が終わるまでにあと何本穿けるのかな。一本々々、愛着を持ってしっかり穿き倒していこうと思う。

服の断捨離

今日は激しい雨やら雷やら、何だか不穏な空模様。夕方になってちょっと安定してきたようだったので、吉祥寺まで歩いて行って、いくつか買い物。来週からの旅に必要なものと、無印良品でポリの衣類収納ケース。

家に戻って、買ってきた衣類収納ケースを追加セットし、一念発起、クローゼットの整理を始める。僕は服に関しては未練がましくて、下着や靴下はノビノビになってすりきれて最終的に穴が開いても捨てるかどうか躊躇してしまう。逆に言えば単に横着かつ無頓着なのだろうが、そんなわけで年々、クローゼットの中がひどくカオスな状態になってしまっていたのだ。

大きめのビニール袋を用意して、ばっさばっさといらない服を放り込む。穴の開いたトランクス、ゴムの伸びきった靴下、首まわりが元の倍くらいだるだるになったスウェット、しみのできたTシャツ……なんでこんなのキープしてたんだろ、と我ながら呆れる。

旅から旅へという日々を続けていると、とかく、ベースとなる生活がおろそかになってしまう。自炊とかがままならないのは仕方ないけど、ちょっとずつでも、生活を整えるのを忘れないようにしなければ、と思う。

……しかしまあ、今回の断捨離に関しては、今までが横着すぎただけなんだよな(苦笑)。