確か一年くらい前に、「フリーライターを目指す人への8つのアドバイス」という記事をこのブログで書いた。自分自身、ライターとしてのスキルは未だにまだまだだし、文章術などについてわかったようなことは何も言えないのだが、フリーの編集者・ライターとしてかろうじて生き延びてきた経験上、仕事の中で自分の身を守る術については、多少の蓄積はあるかもしれない。思い当たることを、いくつか書いてみる。
Tag: Editing
何気にいろいろと
この春の取材ラッシュのピークは過ぎたが、かといって暇になったかといえば、まったくそうではない。時間的に切迫したきつい作業はとりあえず片付いたけど、細々とした、でもそう悠長に構えてもいられないミッションが、何気にいろいろと待ち構えている。
今日は一日家にいたのだが、昼からずっと、あちらこちらに電話をかけたりメールを送ったり、返事が来たらその返事を書いてるうちに別のメールが来たりして、結局夜になるまで、取材原稿にまったく着手できなかった。これからしばらくはこの調子で、無数の細かいミッションに追われながら、その合間を縫って原稿を書いたり、ゲラをチェックしたりということになるのだろう。
とにもかくにも、せわしない。いつになったら、解脱できるのだろう‥‥。眠い。
こだわりと独りよがりの間
三日間、ほぼずっと家にいられたからか、身体の疲れもだいぶ取れてきた。身体がしゃっきりしてくると、仕事の効率も上がる。
一冊の本の企画を思いつき、それを作っている間には、周囲の人々から、いろんなことを言われる。ここはこうした方が、あそこはああした方が、それはちょっと違うんじゃないか‥‥などなど。その本のことを深く理解した上で意見してくれている人もいれば、そうでもない感じで割と好き放題に言う人もいる。
もちろん、すべての意見を受け入れる必要はない。でも、時には聞く耳も持たなければ、ただの独りよがりになってしまう。その見極めをどうするか。大事なのは、自分がどれだけその本に対して確固たる信念を持てているか。こだわらなければならないところは徹底的にこだわって、雑音から本を守り抜かねばならない。でも、信念を歪めることなく本のクオリティを上げられるような意見であれば、素直に受け入れる度量を持つべきだろう。
こだわりと独りよがりの間で揺れながら、細いロープにすがりつくようにして、僕は本を作っている。
中間地点
11時間か12時間、ひたすら眠り続けた。昼過ぎにようやく寝床から起き上がると、身体の後ろ半分が、バッキバキに凝っていて痛い。シャワーで身体を温め、コーヒーをすすると、少しずつ人心地がついてくる。
昨日の取材を終えて、この春でフィジカル的に一番きつい時期はどうにか乗り越えた。もちろん、取材をしたら書かなければならないわけだが、〆切を先に延ばしてもらうようにあらかじめ交渉しておいたので、そこまでスケジュールが切迫しているわけでもない。もちろん、ゴールデンウイークも普通に家で仕事をするという前提での話だが(苦笑)。
今作っている新しい本の作業も、全体のスケジュールで言えば中間地点というところ。掲載する素材がほぼ出揃い、これから編集作業が本格化する。当面の目標は、6月20日に予定している印刷所へのデータ入稿までに、すべてのページの制作を間に合わせること。
気が抜けない日々が続くが、ここからが編集者の仕事だ。
修羅場でマイペース
午後、神保町で取材。今日は比較的近場だし、取材も一件だけだったので、若干楽だった。とはいえ、二月末にバングラから戻ってきて以来、ほぼ常に取材と原稿に追いまくられてるので、疲労もかなりピーク。
こういう修羅場の時、なるべく心がけるようにしていることが三つある。一つ目は、睡眠時間をちゃんと確保して、削らないようにすること。二つ目は、たとえ外食が多くなっても、メシは栄養がありそうなものをがっつり食べておくこと。そして三つ目は、その日にやるべきノルマをあらかじめ決めて、その達成を目指しつつ、必要以上の無理はしないこと。今回に限らず、特に書籍の執筆作業に入った時などは、こういうマイペースな心がけで臨まないと、長丁場の苦行を乗り切れないと思う。
しかし、今回の修羅場は、かなり長い上にきつい‥‥。何とか乗り切らねば。