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また会えると思っていた

終日、部屋で仕事。夜までかかったが、とりあえず最後のページまで、一通り目を通し終えた。あとは関係各所からのフィードバックを待ちつつ、もう一度見直しをすれば、初校は問題なく戻せるだろう。今のところ、さほど大きな問題もなさそうだ。

……と、ちょっとほっとしたのもつかの間、Facebook経由で、年上の知人の方の訃報が。ご高齢だったので意外とまでは思わなかったが、それでも去年お会いした時は溌剌と元気にしておられたので、やっぱり、愕然としてしまう。あと3カ月ほど経てば、またお会いして、いつものように近況報告や雑談ができると思い込んでいた。

今度の新しい本を、お見せしたかったなあ……。

ちっぽけな思いから

最初に、自分一人だけで一冊の本を書こう、と思い立った時、心に決めていたのは、自分という人間の存在ができるだけ表に出ないようにしよう、ということだった。

自分の目の前で起こる出来事の一つひとつを丹念に見定めて、文章と写真で、それらをできるだけ忠実に描写する。個人的な感傷や思い入れで邪魔しないように気を配りながら、言葉を選ぶ。自分という人間が何者なのか、読者にはまったく気にされなくて構わない。そう思いながら、本を書き上げた。

そうして完成した本を読んだ僕の知り合いの何人かは、異口同音にこう言った。この本は、まぎれもなく、あなたの本だ。この本には、あなたの思い入れが、これ以上ないほどあふれている、と。そんな感想が返ってくるとは想像もしていなかったので、僕はすっかり面食らってしまった。

世界のとある場所とそこで暮らす人々のことを、徹底的に追いかけて、ただひたすらにそれを伝えようとしていたら、そこに立ち現れたのは、僕という一人のちっぽけな人間の姿だったのだ。

だったら、その逆は、あるのだろうか。

僕という一人の人間の、本当に個人的な、ちっぽけな思いから、遥か彼方への旅を始めたら、その先は、どこにつながっていくのだろうか。この世界の、底の見えない深淵につながっていくのだろうか。何かの理が、目の前に現れたりするのだろうか。

その旅は、もう始まっている。

はかどる日

今日は家で仕事。夕方、近所の歯医者に歯石除去をしてもらいに行ったが、その前後に、大学案件の原稿を結構順調に書き進めることができた。それでいて、夜はちゃんと米を炊いて、白菜と豚バラの酒蒸しを作ったし。我ながらよくがんばったと言える。

こういう、何もかもはかどる日というのもあるんだな、と思いつつ、ちょっといい気になっていたら、急に情報が入ってきて、新しい本に追加するためのデータ作成に急遽突入。結局、今日の仕事が終わったのは、真夜中過ぎだった。

世の中、そういうものである。

師走の足音

この三日間は、執筆作業に集中。たまに資料探しや食材の買い出しに行ったりはしたものの、ほぼずっと家に引き籠っていた。

ほんの一週間くらい前には、そろそろ先行きが見えてきたかな……と思っていたのだが、甘かった。それから怒涛のように取材予定やら何やらが追加されて、わずかな私用の時間まで取られてしまい、王手、王手の連続状態に。詰んだ。まじで詰んだ。とにかく今は、前倒しできる作業は少しでも早く進めていくしかない。

何度も書いているけれど、フリーランスの仕事というのは、来ない時は全然来ないのに、来る時は信じられないくらい一気に集中する。もうちょっと、なだらかなペースでオファーしてもらえないかなあ……。まあ、師走の足音が近づいてきてる今ならではの現象なんだろうけど。

胸突き八丁

ここ半月ほどの間、新しい本の執筆・編集作業にひたすら没頭していた。一時はかなり焦っていたのだが、どうにか遅れを取り戻し、今日までに、約8割のページの準備作業が終わった。8割……ページ数だけで言えば。

ここから先、残りの数十ページは、半分以上が新規の書き下ろしで、残り半分もかなり手間のかかる作業が絡んでくる。文字通り、胸突き八丁。しんどい日々が続くのは間違いない。それもまあ、楽しいのだけども。

他にもタイ案件や大学案件もこれから作業や取材が入ってくるし、うっかり風邪とか引いたらそれこそスケジュール的に大変なので、いろいろ油断しないように、ぼちぼち、やっていきます。