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おでんの終焉

昨日あたりから、またえらく冷え込む。今夜はおでんを作ろう。そう思って、午後、近所のスーパーに買い出しに行くと、ちょっとした異変が。

おでん種売場に行くと、いつも買っている手作りおでん種セットが姿を消し、その半額くらいの大手メーカーのセットだけが残っていた。売り切れたのかな? でも、少し離れた別のスーパーに行ってみても、あるのは大手メーカのものだけ。これはあれか、スーパーがはやばやとおでんの季節の幕引きを図ろうとしているのか?

思い起こしてみると、スーパーは結構季節の幕引きをするのが早い。以前、まだ残暑が厳しい九月中旬頃、そうめんを食べようと思ってスーパーに行ったら、そうめんつゆが忽然と姿を消していてびっくりしたことがある。もうちょっと粘ってもいいんじゃないかと思うのだが。

大手メーカーのもので作ったおでんは、おいしいけど、ちょっと物足りなかった。

「南極料理人」

「南極料理人」たぶん三年くらい前に公開されてたのだが、見たいと思いつつ見逃してしまっていた映画「南極料理人」を、Apple TVで借りて観た。

南極観測越冬隊の調理担当として、南極のドームふじ観測拠点に赴任していた方の実話を基にした映画。この基地、南極の中でも標高3800メートルのひときわ寒冷な場所にあり、平均気温はマイナス50度、寒い時はマイナス70度まで下がるという。あまりに寒すぎて、生物もウイルスも生存していないそうだ。この極限の地を舞台に、八人のむさ苦しい男たちが、なんてことない日々を過ごすという物語(笑)。そのギャップが面白いのだけど。

この映画のテーマはとてもシンプルで、「みんなで食べるごはんはおいしい」ということに尽きる。長く単調な観測生活でささくれた心も、一緒にごはんを食べていると、少しずつときほぐれていく。一つのおにぎり、一杯のラーメン。それが与えてくれる力は、ものすごく大きい。東京で暮らしていると、ちょっとコンビニに走ればいつでも何でも食べられるけれど、時として、食べ物のありがたみを忘れてしまいがちになる。そういえば、今くらいの季節にラダックで暮らしていた時、手に入らない新鮮な青い野菜が食べたくて食べたくて、野菜の夢を見たもんなあ(笑)。

ごはんを食べるのは、大事だ、ほんと。

気合を抜く日

昨日の夜は、取材先から家に帰り、風呂に入ってほっとした途端、どっと疲れが噴き出した。身体の背中側の筋肉が、ゴリゴリと音を立てて軋むような感じ。取材で気合が入ってる間は持ちこたえていたが、だいぶ疲れが溜まっていたのだろう。もう若くないな(苦笑)。

今日は朝から、何もせず。おひるにうどんを作り、先週ディモンシュで買ったキューバ産の豆でコーヒーを淹れ、夜は寸胴に白菜の酒蒸しをたっぷり作った。〆切もあるので、原稿を少し進めようかな、とも思ったが、やっぱり今日は、すっかり気合を抜いて休養して、心身ともに切り替えた方がいい気がする。

やるべきことはいろいろあるけど、明日から、明日から。

うどんにハマる

凝り性というほどではないと思うのだが、僕は一度何かを気に入ると、割ととことんハマるタイプ。で、最近ハマってるのが、自分の家で作るうどん。麺から打つわけではないが(笑)。

もともとうどんは好きだったけど、家で食べる機会はあまりなかった。乾麺は茹でるのに時間がかかるし、食感も生麺の方が個人的には好み。でも、生麺はあまり日もちしないのでは‥‥というイメージがあった。ところが、(ほんとに今さらながら)最近知ったのだが、生麺タイプのうどんでも、半月くらい日もちするものが結構あるのだ。シマダヤあたりだと、1パック3玉入りで100円くらい。安っ。熱湯で3分茹でればOKだし、味もなかなか悪くない。

そんなわけで、件の3玉100円のうどんは、うちの冷蔵庫に常備されるようになった。二日に一度、おひるはうどん。作るのはもっぱら、かまたま。うどんを茹でてざるで湯切りしたら、溶き卵をほぐしておいた丼にうどんを入れてよくからめ、刻みネギを散らし、醤油を回しがけるだけ。あとは、その日の気分で納豆やキムチをトッピングしたり。

何しろ単純でうまいので、なかなか飽きる気配がない。しばらくはうどんにハマり続けそう。

やかんを磨く

去年の暮れに新しいコーヒーミルを手に入れてから、家でコーヒーを淹れるのが一段と愉しくなった。で、あらためて自分のコーヒー道具を見渡してみると、「こりゃ何とかした方がいいな」というものが目に入った。それは、やかん。

うちで使っているやかんは、柳宗理のステンレスケトル。もう思い出せないくらい前に買ったものだが、とても使いやすいのでずっと愛用し続けてきた。しかし今、やかんの外側は、油がこびりついて焼き付いた長年の汚れで、ひどいあばた面。買い替えようかとも思ったのだが、その前にとりあえず、できる範囲でリカバーしてみようと一念発起。

まず、油汚れ落とし用の洗剤で、油分をできるだけ浮かすように試みる。しばらく時間をおいて洗い流した後、フロッシュのオレンジクリームクレンザーをつけ、たわしで根気よくゴシゴシ。すると、思いのほか効果があって、ほぼ元通りのピカピカな姿にまで復活した。好きなやかんだっただけに、買い替えるよりも数倍うれしい。

すっかり気分がよくなった僕は、シンクからコンロの周囲まで、台所をかたっぱしから磨きまくったのだった。