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音楽と牡蠣の夕べ、再び

昨日は、のんびりした休日だった。

昼、前から気になってた中目黒のファイブスターカフェという店に行き、マレー風ブラックカレーのおひる。その向かいにトラベラーズノートの路面店を見つけてぶらついたり、そのまま代官山まで歩いていって、旅行書コンシェルジュの森本さんにご挨拶したり。そこから恵比寿までの道の途中、お気に入りの喫茶店ヴェルデに寄ってコーヒーを飲み、家飲み用に深煎り豆も購入した。

夕方からは、品川グローリア・チャペルで開催された羊毛とおはなのライブへ。教会という会場にふさわしく、ストリングスも加わったバンドでの素晴らしい演奏に聴き惚れた。三年ほど前、恵比寿ガーデンプレイスでのフリーライブで彼らの歌を初めて生で聴いた時のことを、なぜかまざまざと思い出した。

ライブの後は、品川駅のグランドセントラル・オイスターバーで牡蠣三昧。たぶん今季は、これで最後だろうな。牡蠣の季節が終われば、もう春だ。

やかんを磨く

去年の暮れに新しいコーヒーミルを手に入れてから、家でコーヒーを淹れるのが一段と愉しくなった。で、あらためて自分のコーヒー道具を見渡してみると、「こりゃ何とかした方がいいな」というものが目に入った。それは、やかん。

うちで使っているやかんは、柳宗理のステンレスケトル。もう思い出せないくらい前に買ったものだが、とても使いやすいのでずっと愛用し続けてきた。しかし今、やかんの外側は、油がこびりついて焼き付いた長年の汚れで、ひどいあばた面。買い替えようかとも思ったのだが、その前にとりあえず、できる範囲でリカバーしてみようと一念発起。

まず、油汚れ落とし用の洗剤で、油分をできるだけ浮かすように試みる。しばらく時間をおいて洗い流した後、フロッシュのオレンジクリームクレンザーをつけ、たわしで根気よくゴシゴシ。すると、思いのほか効果があって、ほぼ元通りのピカピカな姿にまで復活した。好きなやかんだっただけに、買い替えるよりも数倍うれしい。

すっかり気分がよくなった僕は、シンクからコンロの周囲まで、台所をかたっぱしから磨きまくったのだった。

カリタ セラミックミル C-90

カリタ セラミックミル C-90自分で普通にコーヒーを淹れるようになってから、たぶん七年くらいにはなると思う。そのための道具は当初からずっと変わってなくて、ザッセンハウスのミル、月兎印の琺瑯ポット、コーノ式のドリッパーという取り合わせだった。

だが最近、ザッセンハウスの手挽きミルがそろそろ寿命に近づいてきた。ハンドルや臼歯などのメカ部分を本体の木部に取りつけている木ネジが、緩んで外れてしまうようになったのだ。そこで次は、電動ミルを導入することにした。確かに手挽きミルは風情があっていいのだけど、正直、手を動かすのが億劫になる時もあった。コーヒーは、飲みたい時にさくっと淹れて、くいっと飲みたいから。あと、電動ミルの方が手挽きよりも均一に挽けるので味が安定するという話にも興味が湧いた。

コーヒー用の電動ミルは安いものなら2000円程度で手に入るが、高速回転するカッターで砕く方式のものは、均一に挽けないし、熱が伝わって香りが飛んでしまう。カリタのナイスカットミルやフジローヤルのみるっこDXは、コーヒー好きなら誰もが憧れる高性能な家庭用電動ミルだが、少々お高いのと、かなり大きいので置き場所に困る。

で、大きさ的にも、性能的にも、よさそうなものとして目をつけたのが、カリタのセラミックミルC-90。その筋では定番のロングセラーモデルだそうだ。ファインセラミック製の臼歯が低速回転する方式なので、余計な熱が伝わらずに均一な粉が挽けるのだという。大きさもそこそこで、使わない時は戸棚にしまっておける。

いつも飲んでるまほろば珈琲店の豆を挽いてコーヒーを淹れてみたのだが、正直、びっくりした。冷凍庫(コーヒー豆は冷凍するとある程度保つ)から出して少し経っていた豆なのに、お湯を注ぐとよく膨らむし、飲んでみても、香りも味も上々。ミルを変えただけでこんなに差が出るとは思わなかった。今まで使っていた手挽きミルがイマイチ思い通りの粗さに挽けていなかったのだが、C-90は9段階に挽き分けられる。ホッパーや粉受に静電気で微粉がくっつくのはまあ仕方ないが、それを差し引いても有り余るラクさ。

何だかすっかりうれしくなって、コーヒー熱、再燃(笑)。

音楽と牡蠣の夕べ

昨日は日中バリバリ働いて、夕方から外出。品川のグローリア・チャペルで開催される畠山美由紀さんのライブへ。

この日のライブは、先日発売されたばかりの「Coffee & Music –Drip for Smile-」に収録されているカヴァー曲がメイン。畠山さんの歌は言うに及ばす、ギターの小池龍平さん、フレットレス・ベースの織原良次さん、ピアノのジェイコブ・コーラーさんによる演奏が素晴らしかった。それぞれ途轍もない技量を持っている人たちが、さりげなく、こともなげに、心地よいメロディとリズムを紡いでいく。休日の午後、鎌倉散歩の途中にディモンシュでコーヒーを飲んでるような気分になった。

ライブの後は、近場で遅い時間にも開いてる店ということで、品川のグランドセントラル・オイスターバー&レストランへ。思い返すと、オイスターバーに来たの、二年ぶりかも‥‥。ヱビスビールを飲みながら、つるつるっと立て続けに生牡蠣を口に放り込み、バジルやオランデーズソースを載せた焼き牡蠣をハフハフ頬張り‥‥あー、幸せ。帰り道で身体がポカポカ火照るほど、牡蠣の滋養をがっつり吸収した感じ。

音楽と牡蠣に恵まれた、よい夕べだった。

移動か、それとも沈没か

昨日は、日帰りで鎌倉に遊びに行った。前から行ってみたかったカフェ・ヴィヴモン・ディモンシュでオムライスとマンデリンを堪能し、晩秋の海辺をぶらぶら歩き、夜は旅音の林澄里さんと本田あまねさんのトーク&スライドショーに参加。写真と絵と音楽と楽しいおしゃべりで、異国の安宿のロビーでくつろいでいるような気分になった。

そのトークの中で、旅人の行動パターンが「移動型」と「滞在型」(またの名を沈没型)の二つに大きく分かれるという話が出た。林さんは移動型で、気に入った街でもだいたい三日で次の街に移動するのだという。

で、自分はどうかなあ、と思い返してみると‥‥やっぱり僕も移動型で、二、三日で次の街に向かってしまうことが多かった。ただ、いったんその街が気に入ってしまうと、一、二週間くらいは平気で居座ってしまうこともあった。見どころが多いか少ないかは関係なく、おいしいごはんが食べられる場所と、気持よく散歩したりできる場所があれば、僕にとっては十分だった。

そういう意味では、ラダックを気に入って足かけ一年半も居座り続けてしまった日々は、壮大な沈没だったと言えなくもない(笑)。