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うかうかしてると

午後、外苑前で打ち合わせ。今書いているラダックのガイドブックについて、デザインフォーマットを検討して細部を詰めたり、収録する地図や、表紙のデザイン案などについて話し合う。

いつもながら思うのは、本づくりは、一人ではできないものなのだな、ということ。各方面のプロの方々の意見を聞いていると、自分だけでは思いもよらなかったアイデアや考え方を提案してもらえる。いい感じで化学反応が起きている手応えを感じた。

このガイドブック、順調に行けば五月頃には発売される見通しなのだが、打ち合わせでゴールデンウイークの頃の進行について話をしていると、何だか気が遠くなった‥‥。ついこの間、2012年が始まったばかりだと思ってたのに、もう半年くらい過ぎちゃった気分(苦笑)。

うかうかしてると、時間を無駄にしてしまう。気合いを入れ直して、がんばらねば。

淡々とした日々

ここしばらく、判で押したように同じリズムでの生活が続いている。

朝の遅い時間に起きて、シャワーを浴び、おひるを適当に作って食べる。ラジオを聴きながらメールとニュースをひと通りチェックして、ラジオを切り、執筆開始。夕方、きりのいいところまで進んだら、晩飯を作るか外に食べに行くかする。その後、再び執筆開始。ノルマに設定しているページまで到達したら、もう一度原稿を見直して、終了。ビールを飲みながらネットをチェックして、ほどほどの時間に寝る。

こんな風に淡々とした日々が続いているのは、実はいい傾向なのかな、と思う。ものすごくトラブっているわけでもなく、調子に乗って書き急いでいるわけでもない。細部にこだわりつつ、全体も見渡しながら、同じペースで書き進めていく。何カ月にも及ぶ長丁場を乗り切るには、こういう持久力も必要なのだろう。

仕事が終わってこのブログを書いている時間帯は、正直、毎日ヘトヘトなんだけど(苦笑)。

ジュンク堂書店新宿店

新宿界隈に出た時、僕が立ち寄る本屋といえばたいてい、ジュンク堂書店新宿店だった。

エスカレーターを上がっていくと、ゆったりと通路が取られた広いフロアに、ものすごい量の在庫を揃えた本棚がずらりと並んでいる。探している本がある時はもちろん、そうでない時も、ただ通路をぶらぶらと歩いているだけで、知らない本に出会えて楽しかった。僕が書いた本も、特に「ラダックの風息」はかなり贔屓にしていただいていて、発売から三年経った今も、面出しして置いてもらっている。

その新宿のジュンク堂書店が、三月末で閉店してしまうのだという。同店が入っている新宿三越アルコットが閉店するのに伴って、ビル全体が一括賃貸されるからだとか。一時は別の場所に移転するのか、とも言われたが、結局いい場所が見つからず、閉店ということになったらしい。

で、三越やジュンク堂が入っていたビルが何になるのかというと‥‥ビックカメラ。あとユニクロ。どっちの店にも恨みはないけど、ぶっちゃけ‥‥どっちもいらないよな(苦笑)。だって、もうあるじゃん。ビックカメラも、ユニクロも、新宿界隈にうんざりするくらい。

必要とされる店がなくなって、もういらないよという店が世にはばかる。世知辛い世の中だな。

原稿は愉し

一昨日の夜に仕事を再開して以来、毎日、せっせと原稿を書いている。ラフを描き、字数を計算し、写真を選び‥‥。傍から見ればどうしようもなく地味な作業だろうが、当の本人は、もう、愉しくって仕方がない。

だって、今書いているのは、ラダックについての本だから。自分が好きなことを思いのままに書けるというのは、本当に愉しい。テレビでやってるどんな新春特番よりも、原稿を書く方が面白い。もうすっかりビョーキだ(笑)。

もちろん、これからきつい局面もたくさんあるだろうけど、大丈夫、きっと乗り切れる。絶対にいい本にしてみせる。

誰かのために

終日、部屋で仕事。今書いているラダックの本で、最初の難関にさしかかる。

これまでにざっくり考えていたページ構成が、うまくいかない。必要事項をリストアップし、構成を煮詰め、台割を見直してページ割を変え、ラフを描き‥‥。ああでもない、こうでもない、と、夜遅くまでグダグダ悩む。結局、今日は一文字も書けなかった。

こんな日は途方に暮れて、暗澹とした気分になる。この仕事、「自分の職業だから」という気持だけでは、たぶん僕には続けられない。でも、僕が本を書くのは、それを手に取ってくれるかもしれない、誰かのため。ページをめくって目を輝かせてくれるかもしれない誰かがいてくれるから、僕はこの仕事をやっていられるのだと思う。

いつか本ができたら、その誰かのもとへ、届きますように。