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選んだのは本だった

一昨日ラジオ番組の収録をしてきたばかりだが、来月末にはまた別の番組の収録がある。自分について人に説明するのにしっちゃかめっちゃかになるとまずいので、収録前には、これまでの出来事を書き出して整理してみたりしていた。

いろいろふりかえってみてあらためて思うのは‥‥僕は、編集者とかライターとか写真家とか、そういう職業に就くことを目的にしてきたのではなく、自由に旅をしてそれを仕事につなげたいという生き方をしたかったのでもなく、ただただ、本を作りたかっただけなのだ、ということ。自分が本当に心の底から大切だと思えることを、本という形にして、それを人に伝える。二十代初めの青二才の頃から、ずっとそうだったのだと。

それは生き方とすら呼べない、独りよがりで単純な衝動でしかないのかもしれない。でも、僕が自分の人生を費やすのに選んだのは、本だった。それには、ひとかけらの後悔もない。

二年ぶりのラジオ

昼、半蔵門へ。TOKYO FMの番組にゲストとして呼んでいただいたので、その収録に。

ラジオに出させてもらうのは、かれこれ二年ぶりくらいか。スタジオの雰囲気というのは一種独特なもので、普通の人間が足を踏み入れてマイクの前に坐ったら、十中八九、緊張する。案の定、やっぱり今回も緊張した。

ただ、以前の経験が少しは活きたなと思ったのは、「あ、自分、今、緊張してる」ということに考えが囚われてしまうと、本当にギクシャクとどうしようもなくなってしまうので、緊張してるかどうかということ自体、考えないようにしていたということ。その辺はトークイベントでも、あるいは割とプレッシャーのかかる条件下での取材でも、共通することかもしれない。

まあそれでも、緊張したなあ。今回はそれを振り払おうとするあまり、新橋の居酒屋でしゃべってるみたいなノリになってしまった(苦笑)。あれでよかったのかな。

連絡業務

今日は忙しかった。といっても、その大半の時間は、メールでの連絡業務。ほとんどずっと途切れることなく、ひっきりなしにメールが届いて、返事を書いてる間にまた別のメールが来て‥‥といった具合。今日だけで、23通くらいメールを書いたと思う。さっきまで風呂に入る隙もなかった(笑)。

こんな状況になっているのも、来年の1月中旬頃に、都内某所で数人のゲストをお招きしてのトークイベントを開催する準備に取りかかっているから。毎度のことながら、イベントの準備というのは大変である。特に今回は、協賛の打診をいただいたりして話が大きくなっているため、なおさらだ。

問題は、これだけ東奔西走しても、僕自身はさして儲かりそうにないということだな(苦笑)。本業でもっとがんばらねば。

まるっとお見通し

先週の後半から取り組んでいた、タイ案件のグラビアページの作業がほぼ完了。少し間を空けて推敲をかけて、写真も一通りチェックすれば、今週中には納品できるだろう。

夕方、まほろば珈琲店までコーヒー豆を買いに外に出て、帰りに啓文堂書店で、ジュンパ・ラヒリの「低地」を購入。前から気になっていた本だったので、今の仕事が一段落したら読もうと思ったのだ。

で、家に帰りながら何の気なしにiPhoneでメールをチェックしたら、大学案件の取材依頼が。まるで、すべてまるっとお見通しだったみたいだな‥‥大阪の担当さん、さすがだ(苦笑)。

思い出して、笑って

午後、編集さんと待ち合わせて、代官山蔦屋書店へ。九月に森本さんが亡くなった後、タイ取材のためにずっとお店に行けないでいたのだが、ようやく今日、書店員の方に時間を取っていただいて、おくやみのご挨拶に。

二階のラウンジで一時間ほど、来月上旬に予定されているお別れの会の話や、森本さんや本やお店のよもやま話をしたのだけれど、不思議としめっぽい感じにはならなくて、あれやこれやを思い出しては結構笑っていたような気がする。きっとそれは、森本さんのお人柄もあるのだろう。

僕も、この世から立ち去った後、誰かに笑って思い出してもらえるような人になれたら、と思う。まあ、どっちかというと「あいつ、つくづく無茶ばっかやってたよね」と、あきれ笑いで思い出される方だと思うけど。