薄氷を踏む日々

昨日は午前中から夕方にかけて、豪徳寺の近辺で取材。今日は昼に神保町で打ち合わせ。明日以降も取材や打ち合わせが続く。

これだけ平日の予定が埋まり続けると、原稿を書くのに割り当てる日が週末だけでは足りなくなるので、取材を終えて家に帰ってから、夜も原稿を書き進めなければならない。あまり夜更かしすると寝坊して朝イチ取材に遅刻してしまうという悪夢になりかねないので、難しいところなのだが。吹けば飛ぶよなフリーランスの身、一度派手に遅刻してしまえば、もうそこからお呼びはかからなくなる。ある意味、生活のかかったプレッシャーがのしかかる。

そんな薄氷を踏むような日々。まあ、本物の薄氷を踏む旅は、チャダルでさんざん経験したけれど(苦笑)。あの恐怖に比べれば、どうってことないか。

対岸は見えるか

今朝は五時起きで、列車に乗って海浜幕張方面へ。先方の手違いで、最初に取材するはずの人が来ていないというハプニングがあって焦ったが、取材の順番を入れ替えたりして、どうにか事なきを得る。またここまで来てと言われても困るし(苦笑)。

空は雨模様。帰りの京葉線の車窓から、灰色に霞んだ海が見える。前にも書いたけれど、去年の秋からずっと続けている、自分の新しい本を出すための取り組みは、まるで、何も見えない霧の海に小舟で漕ぎ出すようなものだった。漕いで、漕いで、漕ぎ続けて‥‥ようやくうっすらと、対岸が見えてきたような気がする。

その岸辺に上陸できるかどうかはわからない。どうにも手に負えない岩場だらけで、今度こそあきらめるしかないかもしれない。それでも、ひと漕ぎもせずにあきらめるよりは、はるかに納得して、すっきりとあきらめられるような気もしている。

まずは、やれるところまで、やってみるだけだ。

夕暮れの桜

夕陽に照らされた桜の花

昨日の午後は、小金井公園まで花見をしに行った。桜は八分咲きといったところだったが、たてもの園の前で桜の木々が密集しているあたりは、桜色の雲がふわーっとたなびいてるように見えるほどだった。途中のコンビニで買ったビールを飲み、屋台でたこ焼きを買って食べる。天気もはじめのうちは曇っていたけれど、帰る間際になって晴れてきた。夕暮れの光に桜の花弁が照らされて、とても綺麗だった。

今の仕事の立て込み具合だと、花見どころではない気もしないではないけれど、仕事は、他の日に根詰めてやれば、まだ何とかなる。でも、この美しい桜は、今年はこのタイミングでしか見られない。忙しさにかまけて、心を亡くすようなことはしたくないな、と思う。

アイスコーヒーの季節

今日は鷹の台で、朝イチから取材。午後からは新百合ケ丘で取材だ。

最初の取材を終えた後、次までちょっと時間があったので、いったん新宿まで出る。おひるにラーメンを食べ、ひさしぶりにらんぶるに入る。何気なくアイスコーヒーを注文して、ああ、もうそういう季節になったんだな、とあらためて気付く。

午後の取材二件もどうにかこうにか無事に終え、帰りは下北沢で小田急線から井の頭線に乗り換え。東北沢、下北沢、世田谷代田のあたりで、今日の深夜に地下化作業が行われるらしい。日本の技術力、こういうところは異様にすごい。

吉祥寺で電車を降り、リトルスパイスでブナカレーを食べ、よろよろしながら歩いて帰る。疲れた。昔に比べて、疲労耐性がなくなったな。やれやれ。

一年前に書いた記事

午後、取材のため、電車に乗って江古田方面へ。

今日の取材先は、ちょうど一年前にも取材したことがある。先方の担当の方は「去年もいらした方ですよね?」と、僕のことを憶えていた。依頼元の営業の方によると、一年前に書いた僕の記事を、先方がかなり気に入ってくれていたのだという。この案件の場合、そういうリアクションはなかなか知る機会がないし、多分にリップサービスも含まれているとは思うのだが、それでも、何だかほんのりと嬉しかった。

少なくとも、僕の仕事は、ザルに水を注ぎ込んでいるわけではないのだ、と。