下半期の展望

終日、部屋で仕事。今週は、打ち合わせや取材が割とたくさん入っているので、それらの準備など。

夕方、某社からメール。以前から今秋にタイ北部の調査取材を打診されていたのだが、それに加えて、ミャンマーでの調査取材も可能かという問い合わせ。これも入ると、七月中旬から八月中旬までインド、八月末から九月中旬までミャンマー、九月末から十月下旬までタイという、秋までほぼ出ずっぱりという状況になる。仕事をぬかりなくやり遂げるのはもちろんだが、体調を大きく崩したりしないように注意する必要もある。

まあ、まだどうなるかわからないが、気を引き締めて臨もう、今年の下半期。

関健作「ブータンの笑顔 新米教師が、ブータンの子どもたちと過ごした3年間」

関健作「ブータンの笑顔 新米教師が、ブータンの子どもたちと過ごした3年間」写真家の関健作さんと先日開催したモンベル渋谷店でのトークイベントの日は、関さん初の著書「ブータンの笑顔 新米教師が、ブータンの子どもたちと過ごした3年間」の発売日でもあった。発売までの紆余曲折をそこはかとなく聞いていたし、刷り上がりがイベント当日に間に合うかどうかも心配していたのだが、間に合ってよかった。イベント会場でも、大勢のお客さんが嬉しそうにこの本を買い求めていた。

関さんは青年海外協力隊の体育教師として、ブータン東部の辺境の地、タシヤンツェで三年間を過ごした。160ページの小ぶりなこの本には、関さんのその三年間の経験が、たくさんの写真とともにぎゅっと凝縮されている。日本とはあまりにもかけ離れた文化と価値観に戸惑い悪戦苦闘するうちに、関さん自身も、教え子の子供たちも、少しずつ変化していく。うまくいったことも、そうでなかったことも、関さんらしい真っ正直な文章で綴られているので、とても好感が持てた。

学生時代、陸上競技ひと筋で生きてきた関さんが挫折を味わい、新しい生き方を模索している時に、こういう形でブータンと関われたのは、とても幸せなことだったのではないかと思う。自分一人で完結する願望や満足のためではなく、その先につながる誰かのために何ができるのかを考えて生きるということ。ブータンから戻ってきた関さんが、写真家としてブータンと向き合う道を選んだ理由も、この本を読むと腑に落ちる。僕自身、かつて陸上競技で大きな挫折を経験したり、ラダックと関わって価値観や生き方が変わったりもしたから、共感できる部分もたくさんあった。

この本は、関さんにとってのひと区切りであると同時に、最初の一歩でもある。写真も、言葉も、これからもっともっと積み重ねられるはず。その先につながる誰かのために、これからもブータンと向き合い続けてほしいと思う。

接点を作る

昨日の夜はモンベル渋谷店で、ブータン写真家の関健作さんとのトークイベントに出演した。毎度のことながら緊張したが、関さんのおかげもあって、どうにかやり遂げることができた。

あいにくの雨の中、会場には定員の60名を超えるお客さんが集まり、発売されたばかりの関さんの本を大勢の人が買い求めていた。その余波か、少しだけ持ち込んだ僕の本も早々に売り切れてしまった。会場には、僕が何かのイベントに出る時によく参加して声をかけてくださるおなじみのお客さんもいれば、イベントの前まではラダックのことをよく知らなかったのに好きになってくれたというお客さんもいて、それぞれに何だかとてもうれしかった。

昔は、物書きあるいは写真家として本を一冊作り上げてしまえば、それで任務は完了だと思っていた。でも今は、本はとても大きな成果物ではあるけれど、伝えたいことを伝えるための道具の一つでしかない、とも感じている。今回のイベントのような形でいろんな人との接点を作り、自分が伝えたいことに気づいてもらうきっかけにする。それはささやかなきっかけでしかないかもしれないが、やがてとても大きな変化につながらないともかぎらない。

だからこれからも、自分にできる範囲で、そういう接点を作る努力をしていければと思う。

叶えられないこと

午後、目黒での打ち合わせに出かける。天気予報は今日も当たらず、降らないはずの雨が降っている。

今日の打ち合わせは初対面の編集者の方とだったのだが、自分の中でほぼ完全に固まっていると感じていた企画に、別の角度からの可能性を示唆してもらえた。この方向でうまくいくかどうかはわからないし、分の悪い勝負であることに変わりはないが、人と話をすることで初めて見えてくる可能性があるということを、あらためて感じた。

ありったけの熱意と努力を注ぎ込んでも、叶えられないことは世の中にたくさんある。けれど、熱意と努力を注ぎ込むことをしなければ、絶対に何一つ叶えられない。きついけど、やるしかない、と思う。

天気予報は雨

今日は午前中に五反田、午後は麹町で打ち合わせ。暗い空に吹きすさぶ不穏な風。天気予報は午後から雨、かなり本降りになるとか。「しっかりした傘を持ってお出かけください」というので、折り畳み傘ではなく、大きめのビニール傘を手に持って出かける。

一件目の打ち合わせを終え、移動時間の合間にハンバーガーをほおばり、二件目の打ち合わせへ。空模様は見るからに怪しげで、生ぬるい風が肌にべとつく。帰りは本降りの雨だろうな‥‥と覚悟していたが、意外にも、二件目が終わって外に出ても、雨粒はまだ落ちてきていない。

いつもなら、帰りに寄り道して早めの晩飯でも食べるパターンなのだが、それで昨日みたいに大雨に降られたら難儀なので、四ッ谷から中央線で一直線に三鷹へ。駅からもせかせかと早足で歩き、途中のスーパーで晩飯用の惣菜を買い、無事に帰宅。

‥‥で、今、夜の八時半。まだ、雨も何も降ってない。濡れずにすんだのはよかったけど、朝から晩まで一日中、邪魔なビニール傘をただ無駄に持ち歩いてたのが悲しい(苦笑)。昨日といい今日といい、天気予報、さっぱりだな。