いろいろすっきり

昼、新宿へ。コニカミノルタプラザで開催されているデイジー・ジラルディーニの写真展「POLAR WONDERS」を見る。北極と南極を中心に撮られた写真の数々に息を呑む。ホッキョクグマ、アザラシ、ペンギンなど、極地に生きる野生動物の美しさと儚さ。地球温暖化によって彼らが晒されている危機は、決して見過ごしてはならないものだと思う。

写真展の後は、シネマート新宿で凱旋上映中の「きっと、うまくいく」へ。何だか急に、もう一度大きなスクリーンで見届けておきたくなったのだ。水曜のレディースデーとはいえ、平日の午後なのに、場内はほぼ満席。日本語字幕で観るのは二度目だけど、やっぱり泣けて笑えて、思いっきり感情を揺さぶられ、観終わった後はものすごくすっきりした気分になった。

懸案だった雑誌記事のゲラチェックも、夕方に届いたデータをついさっき、全部チェックし終えた。担当編集さんとデザイナーさんのおかげで、いい記事に仕上がったと思う。いろいろすっきりしたところで、いよいよあさってから、四週間のタイ取材だ。

夏葉社「本屋図鑑」

夏葉社「本屋図鑑」ここ最近、スタイリッシュで個性的な書店を特集した雑誌や書籍がいくつか出ていたけれど、夏葉社の「本屋図鑑」はそれらとは明らかに違う毛色の一冊だ。この本で紹介されているのは、全国津々浦々、すべての都道府県から選ばれた、普通の街の「本屋さん」。二十坪ほどの小さな店もあれば、郊外の大型店もあり、日本最北端と最南端の店や、三百年も前に創業した店もある。でも、すべての店に共通しているのは、地元の人々の日々の生活に溶け込み、親しまれている「本屋さん」だという点だ。

この本の取材を手がけたのは、夏葉社の島田さんと、編集者の空犬太郎さん。それぞれの本屋さんの成り立ちや、棚作りのこだわり、書店員さんのコメントなどが、淡々と穏やかに、温かみのある文章で紹介されている。得地直美さんが描いたそれぞれの本屋さんのイラストも、その本屋さんの醸し出す雰囲気をじんわりと伝えてくれる。本と本屋さんをこよなく愛する、島田さんらしい一冊だなと思う。

僕自身、小さい頃から本屋さんに行くのは大好きだったし、本好き雑誌好きがこじれて今の仕事を選んだわけだが(苦笑)、本当の意味で街の本屋さんの仕事にリスペクトを抱くようになったのは、単著で自分名義の本を出すようになってからだと思う。雑誌の編集者やライターだった頃は、発売日の頃に店頭で自分が関わった雑誌を見かけても、正直、それほどあれこれ考えたりはしなかった。でも、自分名義の本となると、取り扱ってくれない店ももちろんあるし、入荷していても棚での扱われ方はさまざまだったりする。そうして本屋さんの棚の様子を前よりじっくり観察するようになり、それぞれの本屋さんがどんな意図で棚作りをしているのかを、いろいろ考えるようになった。

洗練された内装や什器を備えた立派な店でなくても、きちんと手入れが行き届いた棚作りをしている本屋さんは、すぐにそれとわかる。そうした本屋さんでは、店内をぶらつきながら背表紙を眺めているだけで、すごく楽しい。そんな書店員さんの日々の仕事の積み重ねがあるからこそ、自分たちが作った本は読者の元にまで届けてもらえるのだということを、忘れてはならないと思っている。

2000年の時点で日本全国に2万店以上あった本屋さんは、今では1万4000店程度にまで減少しているという。本が売れない時代と言われ続けて久しいけれど、僕らはもう一度、家の近所に本屋さんがあることのありがたさを見直してみるべきじゃないかと思う。

マンニィ通過

昨日から今日にかけて、台風18号、通称マンニィが日本に上陸。

関西の方はかなり大きな被害が出たようだが、東京はというと、昨日から荒れる荒れると天気予報に脅されまくった割には、そこまでとんでもない荒れ方でもなく、マンニィ本体も今日の昼頃、東京よりもやや北に逸れる形で通り過ぎていった。

午後半ば頃から天気も落ち着いてきたので、ちょっと細かい買い物をしに、吉祥寺まで歩いて出かける。空は次第に晴れてきて、家に帰り着く頃には、強い風が吹き抜ける空に、夕刻の透明な光が広がっていた。

明日は晴れるかな。また暑くなるのかな。

御岳山散策

駅で売られていた鮎の塩焼きと三幅だんご

昨日、ひさしぶりに東京で山歩きに行くことにした。目指したのは、奥多摩の御岳山。山歩きといっても、今回は山上までケーブルカーで上がって、山頂付近のハイキングコースをぶらぶら歩くというお手軽プラン。JR青梅線の御嶽駅まで行き、駅の南口からバスに10分ほど乗って(混雑時は増発されている)、ケーブルカーの滝本駅へ。駅では、うまそうな鮎と三福だんごが焼かれていた。

旅の準備

今日は雑誌記事のゲラチェックに充てるつもりだったのだが、ゲラの到着が遅れていて、手持ち無沙汰。来週からのタイ取材の準備や問い合わせ作業をちまちまとやる。

約四週間のタイ取材、出発するのは来週末なのだが、準備にはそろそろ取りかからねばならない。といっても、荷造りとかを始めるのではなく、家を留守にする準備の方だ。冷蔵庫の中にある野菜や牛乳や卵、それからコーヒー豆などを出発までに使い切れるように考えておかねばならないし、ゴミを出す日を確認しておくとか、ベッドシーツなどの洗濯をするタイミングを見計らうとか、まあ、いろいろ。今に始まったことでもないので、慣れてはいるのだが。

この間帰ってきたと思ったら、またしても旅の空の下。これも仕事だし、粛々とやるしかないか。