がけっぷちからの脱出

夕方、某社の編集者さんよりメール。去年から預かってもらっている新しい書籍の企画が、実務者レベルの会議で承認を得られたとのこと。

この企画、実は今月初旬に一度差し戻しになったのを再提出したもので、今回もダメならその出版社との交渉はあきらめざるを得ない、いわばがけっぷちの状況だった。だから、本っっ当にほっとした。ここしばらく、ずっとこの企画のことが心にひっかかっていて、重苦しい気分から抜け出せないでいたから。

とはいえ、状況はまだ半歩前進といったところ。来月中旬の新刊会議で最終的な承認を得られなければ、大手を振って制作を始められない。企画を通し切るべく、最後の一押しの作業をがんばらねば。

「横道世之介」

yonosuke

この間、Apple TVで「横道世之介」という映画を借りて観た。いろんなところでいい評判は聞いていたけれど、それでも予想以上にいい映画だったので、びっくりした。今でも思い出すと、胸のあたりがほわほわしてくる。

1987年の春、故郷の長崎から上京して、大学に通いはじめた主人公、横道世之介。素直なんだけど、どこか人とズレていて。ズレてはいるんだけど、でも、彼なりにまっすぐに歩いてて。のんきでお人好しで、普通すぎて笑っちゃうくらい普通の人。大学とバイトと、恋と憧れと友達と、貸してもらった一台のカメラ。そんな世之介の穏やかな日々。そして、その16年後に起こった出来事‥‥。

「おれが死んでもさあ、みんな泣くとやろか?」
「世之介のこと思い出したら、きっと、みんな笑うとじゃなかと?」

もう遅いかもしれないけど、できれば僕も、みんなに笑って思い出されるような人でありたい。

好かれる人

昨日は夕方から銀座へ。ジュレーラダックの元スタッフ、荒川さんの結婚パーティーの二次会に出席。

荒川さんは数年前にカナダの農場で働いていた時期があって、ご主人のグラントさんとはその頃に知り合ったそう。会場は銀座のど真ん中だけあってすごく華やいだ雰囲気で、そんな中に、普通に黒のタートルネックセーターにピーコートという格好で乗り込んでしまった(苦笑)。会場にはびっくりするくらい大勢の人が集まっていたのだけれど、とても和やかな雰囲気で、素朴で飾らない、誰からも好かれる荒川さんらしい、いいパーティーだったと思う。

終わった後は数人の知人と、近くのルノアールでお茶。みんなそれぞれ、いろんな人生があるのだな。

消耗と補給

昨日は、火曜と同じ吉祥寺の現場で、朝から夕方まで取材。天気は荒れ模様で寒いし、取材の件数もこの日だけで七件もあったので、精神的にも体力的にもかなりしんどかった。すべて終わって現場を離れた時は、文字通りフラフラで、目が疲れてショボショボして、まともに開けてられないほどだった。

夜は西荻窪に移動して、ひさしぶりにのらぼうで晩餐。出汁巻き卵やじゃがいものかき揚げ、牡蠣と牛蒡の土鍋ごはんなど、本当にうまかった。食べてるうちに栄養がじわじわしみ込んで、身体にしゃんと力が入るようになった。

こてんぱんに消耗した一日だったけど、最後の最後でおいしいものを補給させてもらえて、報われた気がする。

過程と結果

昨日から降り続く冷たい氷雨は、しばらく止みそうもない。

コーヒーをいれて仕事机に運び、パソコンを開いたら、何人かの人が「誕生日おめでとう」というメッセージを送ってくれていた。ありがとう。自分としては、また一つ年を取っておっさんになったというだけで(苦笑)、さして感慨もないのだが、この一年、特に病気にもならずに健康に過ごせたことは、ありがたいなと思っている。

次の一年は‥‥結果にこだわっていきたい、と思っている。今年もあれこれ努力はしていたけれど、いろんな事情が重なって、ずっと足踏み状態を続けることになった。過程としては、けっして手を抜いたりはしていない。むしろ、今まで以上に必死に努力をしてきたつもりだ。でも、その努力も、結果に繋げられなければ、誰にも何も伝わらない。努力してきた過程を言い訳や慰めにして、結果を残すことを途中であきらめたくはない。

どれだけ苦しい過程でも、必要な努力を一つずつ積み重ねていけば、どんな形であれ、いつかはその過程にふさわしい結果に繋がると信じている。そうして結果を残していくことが、僕の仕事であり、役割でもあると思う。