タマネギづくし

終日、部屋で仕事。むしっとした天気で身体もしゃんとしないので、晩飯にはスタミナがつきそうなものをと思って、豚肉とタマネギのしょうが焼を作る。おいしくできた。

そういえば、昨日の晩飯は、オニオンスープにタマネギとツナのサラダだった。二日連続で、主食がほぼタマネギ。これだけ毎日食べ続けてても、先月実家から送られてきたタマネギ、まだたくさんある。素性の良い、うまいタマネギだし、日陰に置いとけば日保ちするから、まあ大丈夫なんだけど。

硫化アリルに涙を流しながら包丁でタマネギを刻み続ける日々は、もうしばらく続きそうだ。

背負える責任

出かける予定もないからゆっくり寝ていられるはずなのに、暑くて無意識にふとんをはねのけてしまって、割と早い時間に目が覚めてしまう。仕事もたんまりあるし、まあいいんだけど。

あちこちとメールや電話でやりとりしつつ、合間に先週取材した分の原稿を書き進める。本づくりのためのいろんな作業や手配が今は最優先だけど、発売の前後に取り組まなければならない、本を売るためのあれやこれやの手も、そろそろ考えていかなければならない。

今回の本はいつにも増して、出版社側に全部おまかせというやり方ではダメだと思っている。書店営業に可能なかぎり同行したり、プレスリリースのアイデアを出したりして、たとえ微力でも、編集者として打てる手があるなら全部打つくらいのつもりでいる。何というか‥‥自分ごときが背負える責任なら、全部背負ってでも前に進んでいきたいから。

いろいろやるよ、本気で。

十周年

今夜、外でごはんを食べるとしたら、リトスタしか考えられなかった。今日、六月一日は、リトスタが開店して十周年の日。

この季節に似合うヒマワリの花を買って、夕方お店に行くと、店内のカウンターの上は、すでに色とりどりのお祝いの花々でいっぱい。十周年記念に作られた刺繍入りの白いシャツや、それを着たお店のスタッフさんたちの写真パネルと相まって、ずいぶん華やいだ雰囲気になっていた。でも、予約札の置かれたテーブルが次々と常連さんで埋まっていくと、やっぱりいつもの、リトスタらしいリトスタ‥‥誰もが何も気にせずおいしいごはんを食べて、お酒を飲み、朗らかに笑い合える場所になっていった。

同じ街の同じ場所で、お店を十年続ける。簡単なことではないと思う。三鷹南口の商店街だけでも、この十年でどれだけたくさんの店が生まれては消えていったか。そんな中でリトスタのスタッフのみなさんは、おいしいものを作って、心を込めて出す、という日々を、丁寧に十年間積み重ねていった。そういう日々の積み重ねでしか、得られないもの、届けられないものが、この世界にはある。今夜のリトスタの店内には、確かにそれがあったように思えた。

おめでとう。ありがとう。そして、これからもよろしくお願いします。

夏のはじまり

まるで真夏のような暑さ。まあ、今日で五月も終わりだから、それなりの時期だとはいうものの‥‥。2014年がすでに150日以上経ってしまったというのも、それはそれで衝撃だけど。

Tシャツに短パン姿で、扇風機に当たりながら、ゲラチェックに取り組む。だいぶ先の見通しがついてきた。あとは、とんでもないポカミスをやらかさないように、慎重に進めていかなければ。

夕方、サンダルをつっかけて、まほろばさんへコーヒー豆の補充に行く。隣のこいけ菓子店さんも通常営業中。売れ行き好調らしく、ショーケースはほとんど空になりかけていた。夜のおやつ用に、スパイスクッキーを何枚か。やっぱこの並びだと、両方買わずにいられない。危険(笑)。

帰り道、暮れていく空を見上げる。夏のはじまり。僕自身にとっても、いろんなことが待ち構えている夏でもある。がんばろ。

僕にとってのゴール

競争心というのは、時に強烈なモチベーションとなって、いい結果につながることがある。でも、自分が人より優れていると示したり、人より優れた結果を出したりすること自体が目的になってしまうのは、ちょっと違う気がする。特に、文章や、写真や、本づくりの世界においては。

僕にとっての本づくりの目的は、自分が大切にしていること、伝えたいことを、それを知ってほしいと思っている人に、自分にできる一番いい形で伝えること。そのためだけに、文章を書き、写真を撮り、本という形にして、読者の方に託す。それが、僕にとってのゴール。

自分の作った本が大勢の人に受け入れられれば、もちろんうれしいけれど、それよりも大事なのは、伝えたいと思ったことが、知ってほしいと思っている人にきちんと伝わったかどうか。そこがズレてしまっていたら、何冊売れようが何の意味もない。

そんなことを思いながら、今日も祈るような気持で、赤ボールペンを手にゲラと向き合う。