七夕に校了

昼、千駄ヶ谷にあるデザイナーさんの事務所で、「撮り・旅!」の打ち合わせ。一部分だけ再度出してもらった色校と、インクジェット出力した残りのページの色味などを確認。大きな問題もなく、この後は印刷会社さんにお任せすることになる。

「‥‥これで、校了‥‥ですよね?」と僕。
「そうですよ、もちろん」

何だか、最後はちょっとあっけなくて、すぐには実感が湧いてこなかった。打ち合わせを終えた後、一人で新宿まで歩き、喫茶店でアイスコーヒーをすすり、本屋をうろうろ。そうするうち、少しずつ、じわじわと感じるようになった。ああ、終わったんだなあ、また一冊、と。

三鷹に戻り、駅の近くで本を買い、喫茶店で3分の1読み、居酒屋に場所を移して3分の1読む。本を読みつつ、一人酒。何だかいろいろたがが外れた感じだが、悪くない。そういえば、今日は七夕か。

あなごの日

土用の丑の日が近づくこの季節になると、何とはなしに、うなぎとか食べたいなあ、という気分になる。

しかし、うなぎは去年あたりからやたら値上がりしているし、そんな中でうっかり中途半端なのを食べてがっかりしたくもない。だったら、うなぎじゃなくて、あなごを食べに行こうか、と思い立つ。

今日行ったのは、知り合いづてでたまたま知った、日本橋にある老舗のあなご専門店。考えることはみな同じのようで、前の日に予約しておかなければ入れないほどの盛況ぶり。カウンターで冷酒をすすりつつ、あなごの白焼きと、う巻きならぬ、あ巻き(あなご入りの卵焼き)をいただく。メインはもちろん、あなごの箱めし。焼いたのと煮たのを両方のせる「あいのせ」で。見た目からはうなぎのようにこってり濃厚に見えるけど、口にしてみると、思いのほかあっさりと、でもあなごの味はしっかりしていて、とても食べやすい。最後はあなごのだし汁でお茶漬けにして、さらさらと。

すっかり満足して家に戻り、このブログを書く前に何の気なしにネットで検索してみると、昨日七月五日は「あなごの日」なのだという。あまりにもタイムリーで、ちょっとびっくり(笑)。来年もまた、あなごを食べに行こうかな。

anagohakomeshi

ハンドドリップの愉しみ

先週後半と今週初めに取材した分の原稿の納品も終え、今日は特にしなければならない作業もなく、部屋でのんびり。「撮り・旅!」の制作作業もほぼメドがついて、プレッシャーから解放されたので、ずいぶん気が楽になった。

今やすっかり習慣化したスクワットで脚のなまりを抑え(今年はほんとにタイミングが合わなくて、山歩きに行けてない‥‥)、風呂に入ってから、明日飲むためのアイスコーヒーを仕込む。といっても、いつもと同じ要領でいれたコーヒーの入ったサーバーを冷水に浸けて粗熱を取り、取り出してから冷蔵庫で冷やすだけだが。

自分の家で、ハンドドリップでコーヒーをいれるようになって、たぶんもう十年以上経つ。我ながらよく続いてるなあと思うのだが、その理由はたぶんとてもシンプルで、近所にとてもいいコーヒー豆屋さんがあって、ちゃんとした(でも高級すぎるわけでもない)お気に入りの道具を使っているからだと思う。あと、主に家で仕事をしているというのもあるのかな。台所でコーヒーをいれてる時は、不思議に落ち着くというか、ちょっとした瞑想をしてるような気分になる。

ゴルフやパチンコなんかより、圧倒的に金のかからない、健全な趣味じゃないかなと思う。

作戦会議

午後、「撮り・旅!」の色校の入った包みを抱えて、千駄ヶ谷にあるデザイナーさんの事務所へ。中に入ると、打ち合わせスペースには出版社の担当編集さんの他、印刷所の担当者の方々が四人も。デザイナーさんたちを加え、計八人での打ち合わせ。

今日の打ち合わせは、デザイナーさんからの提案。単に色校に個別の写真への指示をつけて戻すより、全員で集まって意見の擦り合わせをして、この後の印刷にあたっての方針を確認しておいた方がより確実ということで、こういう場を設けることになった。面付けした色校を広げたワーキングテーブルを大勢で囲んで、ここはどうだ、あそこはどうする、と話し合っていると、何だかラスボスとの最終決戦に臨む作戦会議をしてるような気分になった。脳内BGMはおなじみのこれ(笑)。

それにしても、ここに至るまで、若干の余裕を持たせたスケジュールにしておいて、本当に助かった。来週明けにもう一度、一部のページの色校を出し直して確認することになったが、それで問題なければ、今度こそ校了だ。いよいよ、本ができあがる。

野菜の恵み

終日、部屋で仕事。「撮り・旅!」の色校正の修正指示の取りまとめと、一昨日の取材の原稿執筆。夕方までに、どうにかメドがつく。

午後、実家から荷物が届いた。畑で穫れた夏野菜が詰まっている。太陽の光をめいっぱい浴びて育った野菜たちは、手に取ると何だか福々としていて、これでうまくないわけがない、と思えてしまう。夕食にはさっそく、ナスとズッキーニとピーマンを使ったラタトゥイユと、刻んでゆでたモロヘイヤと納豆の和え物を作った。熱々のラタトゥイユを頬張っていると、じわっ、と汗が出てくる。

以前、大学の取材の仕事で聞いた話だが、植物が行っている光合成の仕組みをすべて人工的に再現することは、あまりにも複雑すぎて無理だろうと考えられているそうだ。今の人類の叡智を結集しても、その辺に生えてる草一本と同じ仕組みさえ再現できないのだという。

そう考えると、野菜ってのはすごい恵みなんだな、と思う。ありがたくいただきます。