「チェンナイ・エクスプレス」

chennaiex昨日の夜は、渋谷で今週だけレイトショー上映されていた「チェンナイ・エクスプレス」を観に行った。この間アラスカに行った時に機内で一度観た映画だし、11月中旬には日本語字幕のついたDVDも出るそうなのだが、いや、やっぱり、映画館の大きなスクリーンで観ることができてよかった。この映画は、映画館で観てこそその楽しさを存分に味わえる作品だから。

作品の完成度としては、雑とまではいかなくても、かなり荒っぽい場面展開や、正直さすがにこれはいらんだろと思える部分も確かにある。でも、南インドのうららかな風景の中で、生意気な小娘のディーピカがどんどん艶やかになっていくさまや、へなちょこでおどけた主人公だったシャールクがこれでもかと魅せるクライマックスを大スクリーンで堪能してると、何かもう細かいこととかどうでもいいや、たのしー! って気分になる(笑)。そうやっておおらかに映画館で楽しむのが、インド映画の一番真っ当な楽しみ方なのだと思う。

まさに、とてもインド映画らしい、インド映画だった。満足、満喫。

辛味の伏兵

タイ料理は辛い、というイメージを持っている人は結構多いと思う。実際は、何から何まで手のつけようがないほど激辛な料理というわけではない。辛味だけでなく、甘味や酸味、香草の風味などをいろんな食材と組み合わせて楽しめるのが、タイ料理のいいところだ。

道端の露店や安食堂でよく出てくるカオマンガイやパッタイ、汁麺の類にしても、基本的には別に全然辛くなくて、日本人好みの味だ。まあ、地元の人たちがそれに粉末トウガラシをばんばんふりかけてるのも確かだけど(笑)。

とはいえ、うまいうまいと何でもかんでも食べてると、時々、とてつもなく辛いのにぶち当たってしまって、ヒーヒーと大変な目に遭う。トウガラシが丸ごとゴロゴロ入ってるような料理はある程度警戒して臨めるのだが、本当に辛いタイ料理は、往々にして見た目はとてもおとなしいというか、「あら、ワタシ全然辛くありませんことよ?」とすました顔をしてるのが多い。たとえばラープとか、ソムタムとか、ヤムウンセンとか。で、つい油断してぱくっと頬張ると、ヒェーッと口から火を吹くことになるのだ(笑)。

タイ料理は、辛味の伏兵にご用心を。

節約しすぎ

終日、部屋で仕事。関係各所とのメールのやりとりをしつつ、タイ取材の経費のチェックと領収書の整理。

今年の取材は去年より一日長かったし、タイでも物価がいろいろ値上がりしていたので、かかった費用もきっと増えてるのだろうな‥‥と思っていたのだが、もろもろ全部差し引き整理してみたら、去年よりもちょっと安いくらいの金額に収まっていた。びっくり。

意外といえば意外だが、思い返してみると、今年は結構、安食堂や屋台でさくっと食事をすませてしまうことも多かったし、多少の土地勘が備わったことで、自然と無駄な出費をしなくなったのかもしれない。別に意識してケチっていたわけでもないのだけれど。

まあでも、最終的にこの金額に収まるとわかっていたら、もうちょっとだけ奮発して、ところどころでゼイタクごはんを食べてくればよかったな、とも思ったり(笑)。まあ、安食堂や屋台の方が性に合ってるから、いいんだけど。

汗と塩

タイで取材に明け暮れた日々は、とにもかくにも、暑かった。

灼けつく日射しはチリチリと肌を焦がし、じっとり湿った空気は濡れたシーツのように身体にまとわりつく。最初のうち、汗は文字通り滝のように流れ出るが、こまめに水を補給しないと、汗すら止まって、頭の中がぼーっとかすんでくる。

そもそも、地元のタイの人たちも、一番暑い昼下がりには、むやみに外を出歩いたりしない。取材のノルマを抱えてるとはいえ、そんな暑い時間帯にあくせく外を歩き回ってる僕の方が悪いのだ。

そんなわけで一日が終わる頃には、疲労困憊ぶりも半端なかったので、消耗した分を補うべく、食事はできるだけちゃんと摂るようにしていた。するとそのうち、目玉焼きにふりかける塩とか、ナムプラーの塩辛さとか、そういうしょっぱい味がやたらにうまく感じられるようになった。

無理もない。毎日汗をだくだくかきまくって、しまいには汗もろくに出なくなって、肌の表面からは塩が噴き出してガサガサになっていたのだ。南国では、塩の補給が大切なのだと、身に沁みて実感した。

「地球の歩き方 バングラデシュ 2015〜2016」

arukikata_bangla1510月4日(土)に発売された「地球の歩き方 バングラデシュ 2015〜2016」の巻頭グラビアで、ほんの4ページほどですが写真を提供しています。ダッカ近郊を走る列車の紹介記事と、チッタゴン丘陵地帯にあるバンドルボンという町の紹介記事の部分です。バングラデシュに興味があるという方は、ご覧になってみていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。