電話不精

基本的に、電話が苦手である。かかってくると、びくっとするし、自分からかけるのも、できればなるべくしたくない。仕事柄、時には急いで電話をかけて打ち合わせをしたりしなければならないこともあるけど、そういう時は、結構心の準備が要る(苦笑)。

思うに、僕と電話の関係は、昔からそんな感じだった。そもそも、電話にあんまりいい思い出ないし(笑)。世の中でインターネットやメールといったものが発明されなければ、僕は本当にコミュニケーション断絶人間になっていただろうし、今のような仕事の仕方もできていなかったと思う。

今の僕の外界とのコミュニケーション手段は、TwitterやFacebookの機能も含めたメールやメッセがほとんど。iPhoneから電話をかけたりとかはめったにしない。この間の機種変の時も、料金の履歴を見た店員さんは、通話定額プランをまったく薦めてこなかった(笑)。

そんなわけなので、友人のみなさま、電話はなるべく最後の手段ということでお願いします。なにせ、心の準備が要るので(笑)。

氷河と寝袋

この間、毛布と布団の正しい使い方というのがネットで話題になっていた。これはたぶん、羽毛布団のロフトを最大限に活かすための使い方というのがキモなのだろう。僕はもともと羽毛布団(安物だけど)の上に毛布をかけていたのだが、試しに身体の下にも薄手の綿毛布を敷いてみたところ、確かに暖かい。下に敷く毛布が分厚すぎたり、材質がアクリルだったりすると、かえって寝苦しくなりそうだけど。

まあそれはそれとして、寝る時に一番暖かい寝具は、やっぱり寝袋だと思う(笑)。さすがに自分の家でわざわざ寝袋を使ったりはしないけど、何だかんだで、寝袋で寝起きしている回数は普通の人よりもだいぶ多いはずなので、そのありがたみは十分わかっているつもり。

僕が持っているのはマウンテンハードウェア製のものが二つで、一つは使い勝手のいいスリーシーズン用、もう一つは冬のラダックやこの間のアラスカでのキャンプで使った厳寒期用。厳寒期用は、襟元までみっちりダウンが詰まっているマイナス20℃くらいまで耐えられる仕様のもので、実際、チャダル・トレックや雪のワンダーレイクでもぐっすり眠ることができた。

でも、寝袋の世界にも、上には上がある。たぶん最強クラスなのは軍用の寝袋だろう。ラダックでも、地元の人々はインド軍の放出品の寝袋を使っている。これはめっちゃでかくてかさばるのだが、インナーとアウターを組み合わせて使うモジュラー構造になっていて、両方使うとものすごく暖かい。あまりにも暖かすぎるので、チャダルあたりでは片方だけ使っている人も多かった。

どうしてそんなに過剰なほど暖かい仕様になっているのかというと‥‥インドの最北部、ラダックのヌブラよりさらに北には、今もインドとパキスタンが領有権を争っている、シアチェン氷河という場所がある。ここは標高が6000メートル前後もあって、世界で最も標高の高い戦場とも言われている。そんなとんでもない場所で野営するのにも耐えられるように開発されたのが、この過剰に暖かい寝袋なのだそうだ。

世の中、いろんな場所で寝てる人がいるものである。

連絡業務

今日は忙しかった。といっても、その大半の時間は、メールでの連絡業務。ほとんどずっと途切れることなく、ひっきりなしにメールが届いて、返事を書いてる間にまた別のメールが来て‥‥といった具合。今日だけで、23通くらいメールを書いたと思う。さっきまで風呂に入る隙もなかった(笑)。

こんな状況になっているのも、来年の1月中旬頃に、都内某所で数人のゲストをお招きしてのトークイベントを開催する準備に取りかかっているから。毎度のことながら、イベントの準備というのは大変である。特に今回は、協賛の打診をいただいたりして話が大きくなっているため、なおさらだ。

問題は、これだけ東奔西走しても、僕自身はさして儲かりそうにないということだな(苦笑)。本業でもっとがんばらねば。

まるっとお見通し

先週の後半から取り組んでいた、タイ案件のグラビアページの作業がほぼ完了。少し間を空けて推敲をかけて、写真も一通りチェックすれば、今週中には納品できるだろう。

夕方、まほろば珈琲店までコーヒー豆を買いに外に出て、帰りに啓文堂書店で、ジュンパ・ラヒリの「低地」を購入。前から気になっていた本だったので、今の仕事が一段落したら読もうと思ったのだ。

で、家に帰りながら何の気なしにiPhoneでメールをチェックしたら、大学案件の取材依頼が。まるで、すべてまるっとお見通しだったみたいだな‥‥大阪の担当さん、さすがだ(苦笑)。

地味な用事

抜けるような秋晴れの、気持ちのいい日曜日。仕事はそんなに焦らなくても大丈夫そうだし、どこかに出かけよう、と思い立つ。

で、どこに行こうか、何をしようかとひとしきり考えを巡らせてみたのだが、見たい展示や映画があるわけでもなく、今すぐ買いたいものがあるわけでもなく、さてどうしよう、と考えてるうちに、ふと思い当たることが。

‥‥カメラのセンサーのクリーニングをしてもらわなきゃ。

この秋晴れの日に、何という地味な用事だ‥‥。でもまあ、夏からこのかた、ほとんど毎日取材でカメラを使い続けてたわけだし、ここでしっかりメンテしておかなければならないのも確か。というわけで、カメラボディをクッションバッグに包んでカバンに入れ、新宿のニコンサロンまで、てくてく出かけてきた。

そんな晩秋の日曜日。まあ、いいか。