インド映画にリスペクトを

この間観に行った「チェンナイ・エクスプレス」が、同じ期間に公開されていた「クリッシュ」とともに、DVD化されてリリースされることになった。

去年から今年にかけて、日本で公開されたインド映画が次々とスマッシュヒットを飛ばしているし、今回の2作も2013年にインドで興収記録を塗り変えた大ヒット作。日本でもインド映画に対する認知が広まってきた‥‥と思いたいところだが、今回の2作のDVDのパッケージを見ると、まだまだ道程は険しいな、と思わざるを得ない。

たとえば「チェンナイ・エクスプレス」には、「愛と勇気のヒーロー参上」という、本編を観た人なら首を傾げずにはいられない、的外れなサブタイトルが付けられている。パッケージのデザインもアクションヒーローものっぽく作ってあるが、それも本編の内容とはかなりズレている。本国版のビジュアルの方が圧倒的にカッコイイし、内容に合っている。

クリッシュ」に至ってはさらにひどい。キャッチコピーが「ニート兼スーパーヒーロー カレーの国から参上」。‥‥この映画やインドという国の文化を小馬鹿にしているようにしか受け取れない。パッケージのロゴデザインも、正直、とてもプロの仕事とは思えない安っぽさだ。

もしかすると、日本でこれらの映画を扱っている側の人たちは、B級映画っぽいテイストを演出することで興味を惹こうと考えたのかもしれない。でも、そうした狙いは実に安直だし、日本のインド映画ファンの神経を逆なでするだけだと思う。とりたててインド映画に興味がない人だって、「カレーの国から参上」などという差別じみたキャッチコピーを見せられたら、嫌な気分になるのではないだろうか。

インド映画に、もっとリスペクトを。インドだけでなく、さまざまな国の人々や文化に、もっと理解を。

無駄に早足

先週、二年ぶりにiPhoneを機種変して、iPhone 6の64GBモデルに替えた。

それまで使ってたiPhone 5はもうかなりバッテリーの減りが早くなってたし、容量が16GBしかなくて、手持ちの音楽を全部入れてしまうと、余計なアプリはほとんど入れられない状態だった。新しいiPhone 6は画面もほどほどに大きくて見やすいし(6 Plusは正直でかすぎて手に余る)、動作もきびきび、バッテリーも容量も余裕たっぷりで、毎日気分よく使わせてもらっている。

で、それまで使えなかったM8モーション・コプロセッサ対応のアプリも使えるようになったので、歩数計のアプリを新しく入れてみた。最初は、自分が一日に何歩くらい歩いてるのかを見てみたいという軽い興味だけだったのだが、使っているうちに、歩数とは別のことがわかってきた。

俺、無駄に早足すぎる。

一般の人が特に何も意識せずに普通に歩いている時の平均速度は、だいたい時速4キロくらいなのだそうだ。でも、自分の歩数計アプリを見てると、だいたい時速6キロくらいで歩いている。別にエクササイズとしてウォーキングをしてるわけでも、何かに遅刻して焦って走ってるわけでもない。駅の南口のまほろば珈琲店さんにコーヒー豆を買いに行くのに、その速度で歩いてしまっているのだ。その用事でそこまで早足になる意味がわからない(苦笑)。

もうちょっとゆったり構えてみてもいいような気がする、ほんと。

自撮りにトライ

世間では最近、「自撮り」が流行っているらしい。英語圏では「セルフィー」と呼ぶのかな。要するにスマホとかで自分の写真を撮って、それをSNSにアップしたりすること。

この間、取材で旅していたタイでも、現地の若い子たちが至るところで自撮りをしていた。観光地ではもちろん、なんでそこで?というような突拍子もない場所とタイミングでも。棒の先にスマホを取り付けて使う「自撮り棒」なるアイテムも大人気で、どこに行っても使っている人を見かけた。

僕自身は、もともと自分自身を写真に撮ることにはまったく興味がなかったのだが、これだけタイで自撮りが流行ってるのを目の当たりにして、何か面白いと思える要素があるのかもしれない、と、とりあえず試してみることにした。タイのチェンマイのホテルで、これから取材に出かけるという時に、鏡に映った自分の姿をiPhoneで撮ってみたのだ。

‥‥まったく何にも面白くなかった。写真に写っていたのは、Tシャツ短パン姿のひょろい身体にボロいカメラバッグをぶらさげた、どこからどう見てもただのしょぼくれたおっさんでしかなかった。当たり前だけど。

自撮りはどうぞ、自分に自信のある方々でおやりになってください。僕はもういいです(苦笑)。

加住丘陵を歩く

kasumi01
八王子駅から北に少し歩き、浅川を越えると、加住丘陵という小高い丘がある。小宮公園という公園として管理されているこの場所には、コナラやクヌギを中心とした緑豊かな雑木林の中に木道が整備されていて、手軽に自然を味わえる散策コースになっている。気持のいい秋晴れの日、この加住丘陵をぶらぶらと歩いてきた。

旅と平和

今年のタイは、去年の同じ時期と比べて、旅行者が極端に少なかった。

去年から続くクーデターなどの政情不安は確実に影響しているだろうし、外国人に対するビザの規則が一時厳しくなって、いわゆる不良外国人が居づらくなったこともあるのだろう。今の暫定政府もさすがにこのままではまずいとわかったのか、ビザの規則を緩和したり、各地でキャンペーンを張ったりして、観光業の再起に躍起になっている。また上向いてくれるといいけど。でないとガイドブックが売れなくなるので困る(苦笑)。

それにしても、あらためて思うのは、旅行業界というのはつくづく平和産業で、ちょっとした不安要素にもたやすく左右されてしまう存在なのだな、ということ。エボラ出血熱、イスラム国、香港のデモ‥‥。そうした出来事の一つひとつが、「ちょっと旅でもしてこようかな」という気持にブレーキをかける。僕が携わっている仕事も、そんな波にいとも簡単にさらわれてしまう。

いろいろ考えさせられること、考えなきゃいけないことが、たくさんある。