Happy New Year 2016

Phrae
あけましておめでとうございます。2016年もよろしくお願いします。

今年の抱負は……自分にできることを、がむしゃらに、やれるだけやる。自分や周囲の人々が良いと信じていることでも、何らかの原因でうまく実現できないことはあるかもしれない。それを世間や誰かのせいにするのではなく、だったらそこから自分に何ができるのかを考える。難しかったり、しんどかったり、いろいろあるかもしれないけど、自分一人でくさって立ち止まるようなことだけはしたくない。

……えらそうなこと書いちゃった。なので、がんばります(笑)。

写真はタイ北部の小さな街、プレーにて。よーく見ると、後ろに、もう一匹。

「バン・バン!」

Bang Bang!仕事も山積み状態だというのに、今日も夕方からキネカ大森へ。観たのは「バン・バン!」。

英国とインドの間で締結されようとしていた犯罪人引き渡し条約を妨害するため、国際的テロリストのオマルは、ロンドン塔に保管されているインド原産の有名なダイヤモンド、コヒヌールを利用することを画策する。ところが、そのコヒヌールが突如何者かによって盗まれてしまう。場所は変わってインド北部の街、シムラー。祖母と二人暮らしで銀行の受付嬢をしているハルリーンは、何の気なしに登録した出会い系サイトを通じて、初対面の男性と会うことになった。その待ち合わせ場所に現れたのは……。

……いやー、笑った。笑って笑って、笑いすぎて、今、まじで腹筋が痛い(笑)。リティク・ローシャンとカトリーナ・カイフ、世界屈指の美男美女で運動神経も抜群な二人が、これでもかというくらいにダンスとアクションでキメまくってるのに、どうしてこんなに面白いのか(笑)。狙ってやってるにしてもその上を行くぶっ飛びっぷりだ。この作品、ハリウッド映画の「ナイト&デイ」をベースにしたいわゆるリメイクなのだが、面白さとぶっ飛びっぷりという点では、完全に本家を超えていると思う。

ロケ地も世界各地を贅沢に飛び回るだけでなく、雪景色のシムラーやデラドゥンの描写もたっぷりで、ダンスシーンにはなんとチベット仏教の僧院まで登場する(シムラーにある僧院かな?)。そういう部分も個人的にはかなり楽しめた。

ストーリーとか伏線とか、細かいツッコミどころとか、そういうのはとりあえず置いといて、いろんな意味で振り切れまくってるアクションとダンスを頭をカラッポにして楽しむ。こういう映画の楽しみ方もあったっていいじゃないか、と思う。だって面白いんだもの。

「ピクー」

Piku2015年春にインドで公開され、日本では10月のIFFJで上映された映画「ピクー」。僕は毎年10月はタイ取材で日本にいないため、IFFJにも行けなくて、ぐぬぬ、とくやしがっていたのだが、なんとこの年末年始、キネカ大森がIFFJで紹介された作品をいくつか上映してくれるというではないか。千載一遇のチャンスとばかり、どうにか仕事の都合をつけて、観に行ってきた。

デリーで建築家としてバリバリ働くピクーは、同居する父のバシュコルの気難しさが悩みの種。彼は異様なまでに自分の健康と便秘を気にかけ、周囲の人々には歯に衣着せず、きつい言葉を言い放つ。一方のピクーも父親譲りのかんしゃく持ちで、朝から晩までバシュコルといがみ合い続けている。そんな風変わりな父娘が、かつて住んでいたコルカタの実家まで、タクシー会社社長のラーナーの運転する車で旅することになった……。

インド映画界の大御所アミターブ・バッチャンとディーピカー・パードゥコーン、イルファーン・カーン。芸達者の3人の演技が見事に噛み合っていて、観ていて本当に楽しかった。特にバシュコルとピクーはどちらも相当エキセントリックで振り切れた役柄で、台詞もよくこんな脚本が書けたなと感心するくらいぶっ飛んだ内容なのだが、それでいて微妙な感情の起伏や思いの移り変わりもちょっとした部分でうまく捉えていて、それがじわじわと心に沁みてくる。

ディーピカーが誰かと車に乗って旅をするロード・ムービーといえば、同じく今年のIFFJで上映された「ファニーを探して」もそういう話なのだが、個人的には「ピクー」の方が圧倒的に面白かったし、心に残る場面が多かった。今年観た映画の中でも5本の指に入ると思う。日本語字幕付き(でないととても台詞を追い切れない)で大きなスクリーンで上映してくれて、本当に感謝。

スピティの映像の再放送のお知らせ

2015年11月23日(月祝)夜にTBSで放映された「テレビ未来遺産 地球絶景ミステリー」。この番組の中で放映されたスピティの映像が、2016年1月1日(金祝)元旦の朝5時から、内容を一部変更して再放映されることになりました。番組名は「謹賀新年! 一生一度は見てみたい 世界のふしぎ絶景10」。先日の放送を見逃した方や、もう一度見てみたいという方は、ご覧になっていただけるとうれしいです。よろしくお願いします。

気前のいい理由

終日、部屋で仕事。夕方、近所のココイチまで行って晩飯を食べていると、背後のカウンター席に、小学校高学年くらいの男の子と、そのお父さんらしき人が座った。お父さんの声が結構大きいので、いろいろ漏れ聞こえてくる。

「さあ、どれにする? ……これか? 他に何をつける? 何がほしい? 飲み物は?」

普通の夕食にしては、やけに気前がいいのだ。カレーはトッピングもたっぷりつけて、サラダにポテトに、飲み物も。そのお父さんの妙に弾んだ調子の声を聞きながら、もやもやといろいろ想像してしまった。

・単純にいつもとても気前のいい、懐にも余裕のあるお父さんである。
・お父さんにすごくうれしいことがあった(宝くじに当たった、大きな目標を達成した)ので気前がいい。
・息子くんがすごくがんばった(成績が上がった、試合に勝った、何か賞を取った)ので気前がいい。
・逆に息子くんが落ち込むこと(試合か何かに負けたとか)があったので、励まそうとしている。
・お父さんが息子くんに対して何か負い目を感じるところがあって、それを埋めようとしている。

……本当の理由は知る由もないけれど、そんなお父さんと息子くんにも、一人でカキフライカレーを食べてる僕にも、時間は同じように巡っていく。2015年も、そろそろ終わりか。